ECサイトで効果効能を謳わずに商品の魅力を伝える方法
ECサイトで健康食品や化粧品を販売する場合、効果効能を言及するような宣伝方法は「薬機法」で禁じられています。しかし、サイトの売上に繋げるためには魅力的な商品であることをユーザーに伝えなければなりません。
そこで今回は、ECサイトで効果効能を謳わずに商品の魅力を伝える方法について解説します。
薬機法とは?
薬機法とは旧薬事法のことで、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことを指します。
ここでの医薬品とは、1)医薬品、2)医薬部外品、3)化粧品、4)医療機器及び再生医療等製品の4つのカテゴリーが含まれ、該当する商品を販売するすべての事業者に法律が適応されます。
薬機法では広告表現が厳しく規制されている
薬機法の目的は消費者が安全な製品を購入し、安心して使用できること。そのため、法律では商品を販売する際の広告表現についても厳しい規制が設けられており、事業者も定められた法律の範囲で広告宣伝を行う必要があります。
具体的には、
第66条:虚偽又は誇大広告の禁止
第67条:特殊疾病に使用される医薬品又は再生医療等製品の広告方法の制限
第68条:承認前の医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品の広告の禁止
の3つが広告に関連する条文として定めれています。
例えば、「肌荒れを防ぐ」「美白効果がある」といった直接的な効果効能を謳う表現はNGとなります。また、「最高級のたんぱく質」や「アンチエイジング(老化を止める・遅らせる)」といった表現も、誇大広告とみなされNGとなります。
薬機法はグレーゾーンが多く、表現に関して独自に解釈してしまいがちですが、事業者は法律の内容をきちんと理解し、過去の違反表現や広告について確認しておく必要があるでしょう。
ECサイトで効果効能を謳わずどう魅力を伝えるか
さて、薬機法では医薬品の広告表現について厳しい規制が設けされているとご紹介しましたが、一方でEC事業者は商品を購入してもらうために広告施策を打たなければなりません。
では、薬機法に触れる「効果効能」を謳わずに商品の魅力を伝えるには、どのような方法があるのでしょうか?
1.事実を伝える
1つ目は、事実を伝えるということ。
商品に関する効果効能ではなく、きちんとしたエビデンスに基づいた事実であれば、薬機法に触れる心配はありません。例えば、LP内で科学的なデータやエビデンスを掲載することで、消費者に信頼感や安心感を伝えることは、商品の魅力を伝える方法の1つとなります。
2.コピーライティングを工夫する
2つ目は、コピーライティングを工夫するということ。
効果効能に言及することなく商品の魅力を伝える表現に「擬音」があります。例えば、
ツルツル・さらさら・すべすべ、といった擬音は表現方法の1つです。
またアンチエイジングという言葉を使わずに、「30代からのうるおい対策」といった表現を用いることで消費者自らに悩みを意識させる手法も表現の1つでしょう。
3.口コミやレビューを掲載する
3つ目は、口コミやレビューを掲載する方法です。
消費者から届いた口コミやレビューは、購入を検討するユーザーに対して信頼感を提供できます。こうした情報をサイトやLP内に掲載することで、商品の魅力を伝えることができます。
注意したいのが、口コミやレビューであっても効果効能を言及するものは薬機法に違反してしまうこと。掲載する内容に関しては、きちんとチェックする体制を整えておきましょう。
4.コンテンツを制作する
4つ目は、コンテンツを制作する方法です。
商品の効果効能を謳うことができず直接的な集客が難しい場合は、商品と関連する内容やターゲットの悩みを解決する自社コンテンツを制作してみましょう。コンテンツ内では商品には言及せず、ユーザーの悩みを解決し信頼感を得ることで、中期的に集客に繋げることが目的です。
もちろん、コンテンツ内での表現や文言には注意を払い、質の高い内容を提供できるよう心掛けましょう。
まとめ
今回は、ECサイトで効果効能を謳わずに商品の魅力を伝える方法について解説しました。
化粧品や健康食品といった医薬品を販売する場合、薬機法で広告表現に関する規制が設けられています。事業者が広告宣伝を行う場合は、薬機法の内容をよく理解し、法律の範囲内で広告を出稿することが大前提です。