具体例から見るD2Cブランドとは何か?ということ
新しい時代を象徴するビジネスモデルとして注目が集まるD2Cですが、「いま一つビジネスの特徴や強みが理解できていない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、D2Cとは何か?という疑問を解決するために、具体例を交えながらビジネスモデルの特徴を解説します。
D2Cとは何か?を知る4つの具体例
D2Cとは「Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の略で、自分たちが企画した商品やサービスの製造から流通、販売にいたるまですべての工程を自社で担うビジネスモデルを指します。
小売店や広告代理店などを通すことなく、ユーザーとダイレクト(直接)に繋がることで、仲介コストを削減。利益率を高め、顧客とのより深い関係性を構築することができます。また、販売はECを軸としたデジタルで完結する点も、D2Cのポイントです。
では、D2Cのビジネスモデルの特徴をより理解するために、4つのポイントと具体例を見ていきましょう。
1.世界観の統一
D2Cのビジネスモデルの特徴に世界観を重視することが挙げられます。世界観とは、ブランドのコンセプトやビジョン、イメージのことで、D2Cではこの世界観を軸にブランドを展開していきます。
バルクオムは男性化粧品を扱う化粧品ブランドです。同社では男性化粧品という二ッチな市場で勝負するために、世界観に徹底的にこだわりました。清潔感のあるシンプルなパッケージですべての商品を統一。品質面はもちろん「手元に置いておきたくなる」おしゃれで洗練されたイメージを構築し、ユーザーへの訴求に成功しました。
世界観と聞くと、ただコンセプトやビジョンを言葉にするというだけで留めてしまいがちですが、D2Cはサイトのデザインや商品パッケージ、SNSの投稿内容にいたるまですべてに統一感を持たせます。この徹底したアプローチがブランドの価値を高め、ユーザーをファンへと押し上げる原動力となります。
2.テクノロジーの活用
テクノロジーの活用も、D2Cでは欠かせないポイントです。D2CはECを軸とし、デジタルですべてが完結するサービスを基本としています。AIやデジタルツールを活用することで、顧客への利便性の向上や購入体験の向上を促進。企業側もスピード感のある事業運営で無駄を省き、利益率を高めることができます。
MEDULLA(メデュラ)は国内初のパーソナライズ化されたシャンプーを販売するD2Cブランドです。同社ではオンラインの無料診断から自分の髪質にあったシャンプーを顧客ごとに製造。フィードバック情報もすぐに反映され、顧客に最適化された商品を販売しています。この具体例はまさにデジタルテクノロジーを上手く活用したもので、D2Cらしいパーソナライズ化というキーワードを実現している点もポイントでしょう。
3.ライフスタイルとの融合
D2Cではライフスタイルと融合したサービスを展開する点も特徴の1つです。ただ商品を購入して終わりではなく、毎日の生活に変化や感動を与えることで、継続的な関係性を構築する。結果としてLTVの向上を図れることで、売上のアップに繋げることができます。
ライフスタイルに寄り添った具体例では、BASEFOOD(ベースフード)が挙げられるでしょう。ベースフードは「完全食」をコンセプトに1食に必要な栄養をバランスよく摂取できる商品を販売。食事は人間の生活に欠かせないものですが、多忙を極める現代人は細かな栄養バランスまで配慮する時間がなく、栄養が偏りがちです。ベースフードはサービスを通して、こうした現代人の課題解決を提案。ライフスタイルそのものに密着することで、大きな成功を収めました。
4.自社メディアでの顧客戦略
自社メディアでの顧客戦略もD2Cの特徴の1つです。D2Cの基本はファンマーケティングです。そのため、過度な広告展開で集客するのではなく、SNSやオウンドメディアといった自社メディアの存在が重要となります。
PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)は若い女性層を中心に絶大な人気を集めるD2Cブランドです。同社は美容系メディア「DINETTE」を運営していることで知られていますが、このメディアに集められたユーザーの声やファンの存在が、ブランド発売初期からの爆発的な人気を後押ししました。他の広告媒体を介さず直接ユーザーと繋がることで、ブランドの世界観を丁寧に訴求することが可能。また、鮮度の高い顧客の声をダイレクトに商品開発に反映させられるのも、自社メディアを持つ強みでしょう。
まとめ
今回は、D2Cブランドとは何か?という疑問を解決するために、D2Cの特徴を具体例をまじえてご紹介しました。
D2Cは小売店や広告代理店を介さないことで利益率を高めることができるだけでなく、ブランドの世界観を丁寧に訴求できる点も特徴といえます。自由度は非常に高い一方で、事業の細部にいたるまで徹底したこだわりを持ってアプローチすることが欠かせません。
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