D2C業界とは?市場動向/参入企業/国内外の比較など - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

D2C業界とは?市場動向/参入企業/国内外の比較など

D2C業界とは?市場動向/参入企業/国内外の比較など

D2C業界の市場規模は年々拡大傾向にあり、国内の市場規模は2025年に3兆円に達すると予想されています。これは世界的な流れで、海外市場でも右肩上がりの成長が続いており、まだまだD2Cの勢いは留まることを知りません。

今回は好調を維持するD2C業界の市場動向について詳しく解説します。

D2C業界とは?

D2CとはDirect to Consumerの略で、メーカー直販型のビジネスモデルのことです。

従来までのSPA(製造小売り)に比べ、自社ですべての流通工程を担うことでコストの削減や効率化を実現。ECでの販売に特化することで、無駄のない事業運営を実現することができます。また、SNSを利用してユーザーとダイレクトに関係性を構築するなど、モノ(商品)だけではくコト(体験)に注力し世界観を表現している点も特徴の一つです。

日本でD2Cが注目されはじめた当初は「ECから派生したビジネスモデルの一つ」といった認識でしたが、近年は続々と成功事例が現れたことで「D2C業界」といった認識が広がっています。

国内D2Cの市場規模と主要な企業

大手広告会社が発表した国内D2Cの市場規模調査によれば、2019年の市場規模は2兆300億円に達することが分かりました。この数字は2025年には3兆600億円を突破すると予想され、D2C業界の活況がうかがえます。

成功事例として取り上げられる主要企業をみるとアパレルや化粧品・コスメ、食品などジャンルに多様性が生まれており、D2Cのビジネスモデルが国内で確実に定着している流れが見て取れます。

もともと、日本は「ものづくり」に長けた国として知られています。そうした背景からメーカー直販型のビジネスモデルには馴染みがあったといえます。D2Cでは従来のメーカー直販に最新のデジタル技術と世界観(コンセプトやストーリー)をまとわせることで新たなフォーマットを生み出しました。

今後、ものづくり大国のDNAとデジタル技術の融合が進めば、日本の風土に馴染んだD2Cブランドが誕生することも考えられるでしょう。

【国内D2Cの主要ブランド】

ブランド名 取り扱い商材
BULK HOMME メンズスキンケア
BASE FOOD 完全栄養食のパンや麺
FABRIC TOKYO オーダメイドスーツ
スナックミー サブスクおやつ
10YC アパレル
ALL YOURS アパレル
FUJIMI オーダメイドサプリメント
Mr.CHEESECAKE 限定チーズケーキ
土屋鞄製造所 レザー製品
MEDULLA オーダーメイドシャンプー
COHINA 小柄女子向けアパレル

海外D2Cの市場規模と主要な企業

海外のD2Cの動向をみるために、アメリカの市場規模をみていきましょう。

eMarketerが発表した調査結果によると、2021年のアメリカのD2C市場規模は1,290億ドル。日本円に換算すると約14兆8,600億円(1ドル=115円換算)に達することが分かりました。

この数字は2023年に1,749億ドル(約20兆1,400億円)に達するとされ、アメリカでもD2C業界が依然として大きな成長を見せています。アメリカではD2Cが爆発的に成長する傾向にあり、ユニコーン企業が次々と誕生しています。

これはD2Cのビジネスモデルがデジタル技術を活用し事業効率を高めているのが理由で、こうした成長から「D2Cは小売り企業ではなくテック企業である」と評する専門家も少なくありません。

【海外D2Cの主要ブランド】

ブランド 商材
Casper マットレス
Away スーツケース
Warby Parker メガネ
allbirds
Hims シャンプー・育毛剤
Glossier 化粧品
Everlane アパレル

今後のD2C業界の動向

では、今後のD2C業界はどのような展望が予想されるのでしょうか。

競争が活発化しブランドの差別化が大きなテーマに

すでにコロナ禍の影響を受けて、オンラインで商品が購入できるD2Cには追い風が吹いています。一方で、次々と新たなブランドが参入し、大手企業も本格的にD2Cに乗り出す動きが増えています。

今後はこうした競合とどう差別化を図っていくのかが、大きなテーマになってくるでしょう。

例えば、ヘアカラーブランドのカラリスは、これまで美容室を利用したり市販店で購入することが一般的だったヘアカラーの文化に、新たな選択肢を提示しました。特にパーソナライズ化したサービスであるという点がブランドの強みで、商材選びとサービス内容にしっかり強みが反映されています。

また、ニッチな商材を扱うというのも注目の戦略です。COHINAは低身長女性向けのアパレルブランドで、これまで自分に合ったサイズの商品を購入できず悩んでいたユーザー向けに特化することで、多くのファンを獲得しました。こうした「コンプレックス商材」は今後成長が期待できる分野で、D2Cという世界観を売りにするビジネスモデルとの相性が良いといえるでしょう。

共感を誘う世界観の構築がより重要

さて、国内のD2Cブランドに共通する課題として、世界観の構築を苦手としている点が挙げられます。これは日本人の文化や国民性が影響しており、メッセージを訴求するのではなく、良いものを作れば売れるという職人気質の文化が背景にあります。

この職人気質の文化は日本の強みであり、質の高い商品を必要とするD2Cには欠かせない要素です。こうした強みはそのままに、今後はより世界観をしっかり構築し、共感を誘うアプローチを導入したブランドが市場で人気を集めていくと予想されます。

具体的にはファンベースの戦略やSNSの活用などが考えられますが、海外ブランドのような思い切った戦略を採用するのも一案です。

例えば、アメリカのアイウェアブランド・Warby Parkerは2017年に、日食用メガネを製造し無料配布するという大規模なプロモーションを実施しました。これはアメリカでは99年ぶりの日食という歴史的なタイミングに合わせた戦略でしたが、同社の知名度を向上させるだけでなく、日食に関するコンテンツを自社から積極的に発信し、ただの広告ではないというイメージを植え付けました。

このプロモーションが大成功を収めたことで、Warby ParkerはD2Cアイウェアブランドとして大きく成長していきます。

これは一例ですが、D2Cでの世界観を構築するには、やや思い切った戦略を採用することは、国内ブランドも検討していく価値があるでしょう。

まとめ

D2CとはDirect to Consumerの略で、メーカー直販型のビジネスモデルのことです。従来までのSPA(製造小売り)に比べ、自社ですべての流通工程を担うことでコストの削減や効率化を実現しつつ、SNSなどを使ったユーザーとの積極的な関係性を構築し世界観やストーリーを訴求していく点が特徴といえます。

国内での市場規模は年々増加傾向にあり、今後もD2C業界は拡大を続けると予想されています。一方で、競合他社との差別化を図る点や、国内ブランドが苦手とする世界観の構築に注力するといった取り組みが、今後の成功を左右する鍵といえます。

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