Z世代の購買行動を調査!Z世代のEC・SNSの利用方法は?
ECのマーケティングにおいて、Z世代というキーワードが頻繁に飛び交うようになりました。Z世代はこれからのECのメインターゲットで、消費の中心となる世代です。マーケターもその動向や購買行動に強い関心を持っています。
そこで今回は、Z世代の特徴についてECやSNSを切り口に解説します。世代の特徴を把握することで、新たな施策やアプローチにつながる材料を探っていきましょう。
Z世代とは?
まずは、Z世代の定義からおさらいしておきます。
Z世代とは、1996年~2010年代初頭に生まれた世代を指す用語です。2022年1月の時点では11歳~25歳程度がZ世代にあたり、これからの購買行動の中心を担う世代として注目が集まっています。
ECマーケティングでもZ世代の動向は関心が高く、生まれながらにしてデジタルツールと馴染みがあり、すでにオンラインショッピングを自在に使いこなすことからも次代のEC消費の中核を担うと期待されています。
少子高齢化が進む日本では消費の中心がZ世代になる
少子化が進む日本に比べ、移民の流入が多い海外の国々ではZ世代の割合が年々増加傾向にあります。こうした背景から、海外ではジェネレーションZ(Generation Z)という呼び方が定着しており、これに倣って日本でもZ世代という呼称が広まりました。
また、日本では少子化が進むと述べましたが、同時に高齢化も急速に進んでいます。いわゆる少子高齢化社会の到来ですが、今後はこれまで消費の中心だった高齢者層の消費が減少していくと予想されます。Z世代はこれに代わる新たなマーケットの主役として期待されていますが、少子化という「母数」が少ない世代をいち早く囲い込もうとする思惑も、日本でZ世代への注目度が高まる理由の一つです。
Z世代のECの利用傾向
ここからはZ世代の購買行動をより深く探っていきます。まずは、Z世代がECを利用する際の傾向から見ていきましょう。
Z世代の購買行動は体験に価値を置く
Z世代の購買行動の鍵となるのが体験です。
これまでECでは商品の機能性や価格といった部分が購入を決断するポイントでしたが、Z世代は「商品を購入することでどんな体験ができるのか?」という点をとても重視します。いわゆる「モノ消費」から「コト消費」への変化ですが、Z世代はその傾向がより顕著です。
「購入する価値があるか?」という点をきちんと精査して判断することから、商品やサービスに付随するストーリーや世界観を重視し、購入を決断します。
こうした傾向がうかがえるのが、Z世代のモール離れです。Z世代は価格と機能を前面に押し出すモールではなく、自社ECなどコンセプトやビジョンが目に見える場所での購入を好みます。とくにアメリカではAmazon離れがZ世代で進んでおり、こうした流れが日本でも広がると予想されます。
SNS経由での商品購入が多い
Z世代のECでの購買行動の特徴に、SNS経由での商品購入が多い点が挙げられます。
SNSを自在に使いこなすZ世代は、情報収集のツールとしてSNSを活用しています。そのため、SNSでキャッチした情報をもとに商品やサービスの価値を判断し、購入を決断する傾向も強くなっています。
これはSNSがストーリーや世界観を把握しやすく、親近感を得やすいため。また、これまでの世代に比べSNSが日常に根付いているZ世代には、インフルエンサーやYouTuberがマーケティングに大きな影響与えるのも特徴です。
Z世代のSNSの利用傾向
次にZ世代のSNSの利用傾向から、購買行動のヒントを探っていきましょう。
YouTubeは全体の半数以上が利用する
ネオマーケティングが実施したZ世代のインターネット利用に関する調査によると、Z世代がよく利用するSNSは次のような結果になりました。
ツール | Z世代がよく利用する割合 |
YouTube | 54.6% |
36.1% | |
LINE | 35.6% |
26.1% | |
TikTok | 17.3% |
YouTubeは全体の半数以上に達するほど利用率が高く、企業がYouTuberを起用したマーケティングに力を入れる理由がうかがえます。2番目に多いInstagramは検索ツールとしての利用するケースも多く、Googleで検索する「ググる」という言葉のハッシュタグ(#)バージョンである「タグる(タグを検索する)」という言葉が登場したのもZ世代の影響です。
また5番目に位置するTikTokは10代でとくに人気が高く、今後のECマーケティングを考えるには外せないツールの1つです。一方でFacebookを利用する頻度は少なく、Z世代への訴求効果は低いツールといえます。
デジタルとリアルの垣根がない次世代SNSが人気
さて、Z世代では次世代SNSと呼ばれるサービスが人気を集めています。
複数人で同時にゲームをプレイできる「パラレル」や常時接続の通話アプリ「mocri」、位置情報を共有できるZenlyや『優しいSNS』と呼ばれる「GRAVITY」など、さまざまな次世代SNSが登場しています。
こうしたSNSではリアルとオンラインの垣根が従来のSNSよりさらに低く、絶えずオンラインに繋がっている特徴があります。また、複数人で時間や体験を共有する点や、多様性を尊重するといった特徴もキーワードといえそうです。
まとめ│SNSの運用やライブコマースの活用は効果的
今回は、1996年~2010年初頭に生まれた世代を意味するZ世代の購買行動について考察していきました。
Z世代はECでの消費行動に慎重で、「自分にとって価値があるか?」という点をじっくりと調べる傾向にあります。一方で、体験型の商品やサービス、世界観やストーリーがしっかりしている分野には積極的な購買行動をみせるため、企業は自社のコンセプトやビジョン、ストーリーを訴求する取り組みが重要となりそうです。
具体的には、SNSやオウンドメディアの運営、YouTubeの配信などZ世代にとって身近な距離で商品やサービスの価値を訴求することが大切です。
また、リアルとオンラインの垣根が低いZ世代にはライブコマースの手法は効果が高いでしょう。体験と購入を同時に行いつつ、ブランドや他のユーザーと時間を共有できる点はZ世代と相性がいいといえるでしょう。
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