EC事業者が取り組むべき「DX」の施策は?
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が、EC市場において頻繁に聞かれるようになりました。
しかし、言葉は知っていても「DXとは何か?」という素朴な疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、DXとは何か?ECではどのような施策に取り組むべきなのか、について解説します。EC事業者の方でDXに関する基本的な情報を知りたい方はぜひ参考にしてください。
DXとは?
DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称で、デジタル技術を用いて、生活やビジネスが変容していくことを意味します。
トランスフォーメーションとは、変形・ 変化・ 変容という意味の単語ですが、DXではデジタル技術を用いることで、私たちの社会生活やビジネスのあり方そのものに変化を加えていきます。環境が目まぐるしく変化する現代社会において、デジタル技術を活用することで、ビジネスモデルの変革や競争の優位性を確立することが目的です。
DXという言葉を「デジタル技術の導入」と捉えることも多いですが、これはDXの本質ではありません。デジタル技術の導入はあくまでも手段であって、その先にある社会生活やビジネスの変容が目的となります。
ただデジタル技術を導入し既存のシステムと置き換えるのではなく、デジタル技術を導入することで変革を生み出すことが本質であることを覚えておいてください。
ECでのDXでは売上向上と業務の生産性向上が目的
では、EC事業におけるDXの目的を定義しておきましょう。ECにおいては、
- 売上の向上
- 業務の生産性向上
の2つがDXにおける大きな目的となります。
具体的には、購買データや顧客データの活用、CX(顧客の購入体験)の向上につながる機能の導入、ITツールやロボティクスの導入などが施策に挙げられます。EC事業者が自社でDXに取り組む際は、上記の2つの目的を軸に据えて取り組んでいきましょう。
EC事業者が取り組みたい6つのDX施策
では、具体的にEC事業者が取り組みたいDX施策をみていきましょう。
1.各種決済手段
【DXの目的】売上の向上
決済方法の選択肢を増やすことは、ECでのDX施策の一つです。
ECではユーザーが求める決済手段の有無が、購入を決断する大きなポイントとなります。使い慣れた決済手段がないと、購入直前にサイトから離脱してしまう(=かご落ちしてしまう)恐れがあります。
幅広い決済手段を用意しておけば、かご落ちを防止し売上の向上につなげることが可能。また、ID決済やオンライン決済により購入情報の入力がスキップできれば、利便性が高まりCXの向上につながるでしょう。
2.サイト内検索エンジン
【DXの目的】売上の向上
2つ目は、サイト内検索エンジンの導入です。
商品の数が多いECでは、ユーザーが自分が欲しい商品にスムーズに辿り着く機能が必要です。サイト内検索エンジンは、自社サイトでの検索性向上はもちろん、検索データの蓄積が図れるため、売上の向上や購入体験の向上に結び付けることができます。
3.レコメンド機能
【DXの目的】売上の向上
レコメンド機能の導入も、ECでの売上向上につながるDX施策の一つです。
レコメンド機能は、ユーザーの検索履歴や行動履歴を元におすすめの商品を紹介する機能です。AIの活用やデータの蓄積が進むことでレコメンドの精度が向上するなど、デジタル技術が重要な役目をはたしています。
レコメンド機能はユーザーにとってもスムーズかつ利便性の高い購入体験を実現できるため、売上や満足度の向上につながりやすいポイントです。
4.顧客データの活用
【DXの目的】売上の向上・業務の生産性向上
顧客データの活用は、売上の向上だけでなく業務の生産性向上にも役立ちます。
すでにご紹介したレコメンド機能も顧客データを活用したDX施策ですが、この他にも顧客管理ツールを活用することでメルマガの最適化や、コールセンター業務への活用、社内でのデータの一元管理など生産性の向上を図れるのもデータ活用のメリットです。
AIを活用し、蓄積されたビッグデータを分析すれば、施策の改善や新規施策の導入など次のアクションにつなげられるのもポイントです。
5.チャットボット
【DXの目的】業務の生産性向上
近年のDX化で注目を集めているのが、チャットボットの導入でしょう。
チャットボットとは、AIやボット機能を活用してユーザーの質問に24時間対応できる機能のことです。コールセンター業務を効率化できるほか、どのような質問や疑問があるのかデータでの蓄積が進むため、サイトの改善に役立てることが可能。
24時間稼働できることから、顧客満足度の向上やコストの削減にも貢献します。
6.物流システムの導入
【DXの目的】業務の生産性向上
最後にご紹介するのが、物流システムの導入です。
ECにおいて物流は欠かすことができない業務ですが、デジタル技術の導入がまだまだ進んでいない分野です。物流システムは在庫管理や受注管理といった作業をデジタル化することが可能。
また、フルフィルメントサービスではピッキングや梱包、アフターサービスまで自動化できることから、事業者の生産性向上に大きく貢献してくれます。
まとめ
今回は、EC事業者が取り組むべきDX施策についてご紹介しました。
DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称で、デジタル技術を用いて、生活やビジネスが変容していくことを意味します。
デジタル技術をただ導入するのではなく、導入により社会生活やビジネスモデルの変革につなげるのが目的です。とくにECでは「売上の向上」と「業務の生産性向上」を目的にDXに取り組むことが重視されています。
今後デジタル社会が本格化すると共に、レガシーシステム(時代遅れの古い仕組み)にこだわり続けることは、企業にとってデメリットとなっていきます。DX時代の到来にあわせて、AIやクラウドサービスといった新たな仕組みを柔軟に取り入れていくことが、これからのEC事業に求められる要素でしょう。
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