リピート通販とは?長年人気を誇るビジネスモデルの仕組みを徹底解剖
長年ECのビジネスモデルとして人気を誇るリピート通販。特定の商品を一定の周期で定期的に販売する仕組みで、近年ではサブスク(サブスクリプション)という呼称も浸透しています。
今回はリピート通販の概要やメリットをはじめ、リピート通販向けの商材やマーケティング戦略の方法にいたるまで詳しく解説します。リピート通販についての情報をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
リピート通販とは?
リピート通販とは、特定の商品やサービスを「毎月」や「隔月」といった一定の周期で販売するビジネスモデルです。定期通販やサブスクといった呼称もありますが、いずれもビジネスモデルの仕組みは同じです。
ECでは長く親しまれてきた販売方法で、健康食品やサプリメント、化粧品などはリピート通販でよく取り扱われる商材です。
では、リピート通販の市場規模を把握する参考材料として、サブスクリプションの市場規模の調査結果を見てみましょう。
矢野総合研究所が発表した「2022 サブスクリプション・定額サービス市場の実態と展望」によると、2021年度の国内サブスクの市場規模は9,615億。これは前年比10.6%の大幅増で、市場規模の拡大傾向が伺えます。同調査では2024年には1兆2,420億円に市場は成長すると予想しており、今後もサブスク市場は右肩上がりでの成長が期待されます。
またECの市場規模もコロナ禍による一時的な停滞を脱して、再び上昇傾向を見せています。経済産業省が2022年8月に発表した「電子商取引に関する市場調査(2021年度)」では、BtoC ECの市場規模は20.7兆円に達し、はじめて20兆円を超えました。2020年度の調査ではコロナ禍の影響もありはじめてマイナス成長となりましたが、ウィズコロナが浸透し以前までの成長を取り戻したと言えます。
EC市場が活発になれば、それに比例してリピート通販の市場も賑わうと予想され、今後の成長に期待が集まります。
リピート通販と一般的な通販の違いは?
では、リピート通販と一般的な通販の違いはどこにあるのでしょうか?
大きな違いとして、ユーザーとの関係が一度の商品購入で完結しない点が挙げられます。一般的な通販では、商品を購入すればそこでユーザーとの関係は完結します。その後リピート購入に結び付く可能性もありますが、ビジネスモデルとしては「購入まで」が一つのサイクルです。一方のリピート通販は商品の購入で完結せず、定期での商品購入が続くため継続した関係性を築けます。
また、同じ商品を繰り返し購入する点も、一般的な通販との違いでしょう。リピート通販は基本的に同じ商品を繰り返し購入してもらうビジネスモデルです。そのため取り扱う商品やブランドの数が限定される特徴があります。こうした商品やブランドを1種類に限定したリピート通販は「単品リピート通販」と呼ばれ、ECでも人気を集めるビジネスモデルです。
リピート通販とD2Cは同じビジネスモデルなのか?
さて近年ECのビジネスモデルとして注目されているのがD2Cです。しばしば「D2Cとリピート通販は同じビジネスモデル」といった解説を目にしますが、リピート通販とD2Cは別々のビジネスモデルと認識するのが正解です。
D2Cは商品の企画から製造、販売、流通にいたるまでをすべて自社で担います。仲介業者を省くことでコストを抑える点や、ユーザーと直接的な関係性を築ける点がビジネスモデルの特徴です。リピート通販でもこうした仕組みを採用しているブランドは多いですが、D2Cはこの仕組みにプラスして、ブランドの世界観やストーリー性を訴求する「情緒的な価値」を提供する特徴があります。
両者は混同されて認識されることも多いため、この機会にリピート通販とD2Cが別々のビジネスモデルであることを押さえておいてください。
リピート通販のメリット・デメリット
ここまでリピート通販のビジネスモデルについて解説しました。ここからは、より理解を深めるためにリピート通販のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット│安定した売上やオペレーションの効率化が目指せる
- 安定した売上が見込める
- 商品が少ないためオペレーションを効率化できる
- 小規模からでもスタートできる
リピート通販のメリットとして、安定した売上が見込める点が挙げられるでしょう。一般的な通販と違い継続した関係性が続くリピート通販では、売上が安定しやすい特徴があります。ECでは売上の上下に運営が左右されがちですが、リピート通販が軌道に乗れば安定した売上やサイト運営が見込めるでしょう。
また取り扱う商品やブランドが少ないため、社内のオペレーションが複雑化しない点もリピート通販のメリットです。社内のリソースを集中しやすく、一度仕組みを築けば効率的なサイト運営を実現できます。
小規模からスタートできる点もリピート通販のメリットでしょう。商品やブランドが限られているため、初期費用や仕入れ費用を抑えた状態でも事業をスタートできます。日々のオペレーションが効率化できれば、少ないリソースでもオペレーションを回すことができます。
デメリット│商品開発や集客のハードルが高い
- 商品の“質”が売上に直結する
- マーケットの規模が限定される
- 集客のハードルが高い
リピート通販のデメリットとして商品の“質”が売上に直結する点が挙げられます。定期的に商品を購入してもらうには、質の高い商品であることが絶対条件です。しかしリピート通販で安定した売上に繋がる商品を開発するのは難易度が高く、時間とコストがかかります。仮に商品開発に成功しても、ユーザーからの評価が低ければビジネスそのものが頓挫してしまうでしょう。
また同じ商品を取り扱うため、ターゲットの母数が限られてしまう点もリピート通販のデメリットです。例えば女性向けの商品を販売するとなると、男性ユーザーの獲得は最初から見込めなくなります。あとから男性向けの商品を開発する方法もありますが、それではリソースを集中するリピート通販の強みが薄れてしまいます。このジレンマはリピート通販のデメリットといえます。
最後に集客のハードルが高い点もデメリットの一つでしょう。定期で商品を購入するとなると、毎月一定額の出費が発生します。そのためユーザーは定期購入を決断するまで念入りにリサーチをし「本当に購入すべきか」じっくり吟味します。このハードルを越えて購入を決断してもらうには、集客や広告宣伝においてしっかりとした戦略が必要です。
リピート通販を成功させるための4つのポイント
では、リピート通販で成功を収めるためには、どのような戦略を採用すればいいのでしょうか。押さえておきたいポイントを整理しておきましょう。
1.リピート通販向けの商材を選ぶ
1つ目はリピート通販向けの商材を選ぶこと。リピート通販ではビジネスモデルと相性の良い商材を選ぶことが大切です。具体的には、
- 継続して使用することで効果・効能が期待できる商材
- 定期的に購入する商材
がリピート通販向けと言えます。
例えば健康食品やサプリメントは、一定の期間使用し続けることで効果や効能が期待できる商材です。そのためリピート通販とは相性がよく、ECでも取り扱いの多い商材といえます。
また、化粧品やスキンケア商品も、リピート通販向けの商材です。こちらも継続して使用することで効果や効能を実感できる上、シャンプーや洗顔などは定期的に購入する頻度が高い点もポイントです。
健康食品や化粧品を販売する上では、安心感や信頼感を訴求しましょう。健康に直接関わる商品は、「どれだけ安心できる商品か」「本当に信頼できるブランドか」といったポイントが購入する上での判断材料となります。サイト内での情報量やコンテンツを使った丁寧な商品説明などを通じて、安心感や信頼感を訴求しましょう。
最後に、食品や飲料品もリピート通販向けの商材に挙げられます。競合に実店舗が含まれる食品や飲料品は、「ユーザーの課題を解決するサービス」が成功の鍵を握ります。例えば、働く現役世代にとって仕事の後にスーパーに足を運び、食材を購入するのは面倒です。そこであらかじめメニュー分の食材が通販で届くサービスを提供すれば、ユーザーの課題を解決することができます。
2.商品の特徴や強みをしっかり説明する
2つ目は、商品の特徴や強みをしっかり説明すること。
リピート通販では限られた商品を扱うため、いかにユーザーに対して商品の特徴や強みを訴求できるかが重要となります。商品ページの画像や紹介テキストには徹底的にこだわり、魅力が十分伝わるようにしましょう。
また商品に関する情報は可能な限りオープンします。素材の原産地や成分、製造工程などを紹介することで誠実さや真摯な姿勢を伝えましょう。
3.ツーステップマーケティングで購入のハードルを下げる
リピート通販ではツーステップマーケティングが効果的です。
ツーステップマーケティングとは「初回無料」や「初回割引」といった施策で最初に購入するハードルを下げ、実際に商品を試してもらってから本購入に繋げる戦略です。リピート通販は継続して商品を購入するため、どうしても初回購入のハードルが高くなります。
そこでツーステップマーケティングを使いまず一段目の敷居を低くし、納得感を持ってもらってから二段目の本購入へ誘導するのが狙いです。ユーザーからすれば一度試してから本購入を検討できる安心感もあるため、ブランドへの信頼感を訴求する効果も期待できます。
4.コンテンツ配信で親近感や安心感を持ってもらう
リピート通販に取り組むなら、並行してSNSやブログといったコンテンツ配信に力を入れましょう。
スマホを誰もが持つ時代になり、情報を入手する手段も多様化してきました。とくに若年層は企業が発信する広告やLPをスルーする傾向が強く、SNSやYouTubeといったコンテンツの情報を重視する傾向が強くなってきました。
こうした変化に合わせて、事業者も積極的にSNSやブログを使ったコンテンツ配信に取り組みましょう。その際に注意したいのが、可能な限り広告色を抑えること。ファクトに基づいた商品の開発風景やエピソード、販売に携わるメンバーの「人感」が感じらえるようなコンテンツが親近感や安心感に繋がります。
リピート通販におすすめのカートサービス
最後に、リピート通販をスタートする際におすすめのカートサービスをご紹介します。
リピスト
まずご紹介するのがリピストです。リピストは単品通販や定期通販、サブスク型のD2Cに強いカートサービスです。フォーム一体型LPやアップセル機能、ステップメール機能などを使って、商品購入からリピートユーザーの育成までをしっかりサポート。4種類の料金プランが用意されており、事業規模や必要な機能に合わせてぴったりのプランを選ぶことができます。
たまごリピート
たまごリピートは、定期購入や頒布会に対応したショッピングカートです。ステップメールや分析機能といったECの機能だけでなく、電話注文やはがき注文に対応している点が特徴。料金は2種類のプランが用意されており、時期に合わせて上位プランへの移行も可能です。
リピートPLUS
リピートPLUSは、リピート通販でのさまざまな販売方法に対応したショッピングカートです。一般的な定期通販はもちろん、食品特化型のカートやオムニチャネル向けのカートも用意。また越境ECに対応したカートがあるなど、バリエーションに富んだサービスを展開しています。
まとめ
今回はリピート通販とは?という疑問についてご紹介しました。
リピート通販とは特定の商品やサービスを「毎月」や「隔月」といった一定の周期で販売するビジネスモデルです。ECでは定番のビジネスモデルで、安定した売上が見込める点やオペレーションを効率化できる点がメリットといえます。一方で商品の質が売上を大きく左右する点や、集客のハードルが高い点はデメリットでしょう。
こうしたデメリットを解決するためには、商品開発だけでなく機能が充実したカートサービスの有無が大切となってきます。自社の魅力や強みを訴求しつつ、しっかりとした集客やリピート獲得につながるカートサービスを選ぶようにしましょう。
EC通販に精通したプロがお答えいたします。