D2Cが特に力を入れるべき5個のKPIはズバリこれ!
「D2Cの運営が軌道に乗らない」
「施策を検討したいけど何から手を付けていいか分からない」
こんな悩みを持っているD2C事業者の方で多いのが、きちんとKPIを設定していないという例です。売上や集客数など達成したいゴールは定めていても、そのゴールを達成するための道筋がきちんと定まっていないと改善策を検討することができません。
今回はなぜD2CでKPIが大切なのか?重視すべきKPIはどれなのか詳しく解説します。
なぜD2CではKPIが大切なのか
KPIとはKey Performance Indicatorの略で、日本語では重要業績評価指標と訳されます。
D2Cの運営をはじめビジネスには目標とするゴールがあります。しかしゴールだけを追いかけるだけでは、目標を達成する具体的なアクションは生まれません。そこで業務のパフォーマンスを計測・監視するための指標として設定するのがKPIです。事業者はKPIの指標を確認することで、日々の業務の進捗状況や課題を洗い出し、改善や修正を施していきます。
またKPIとよく間違われる指標として、KGIがあります。KGIはKey Goal Indicatorの略で、日本語では重要目標達成指標と訳されます。KPIを「過程」とするならばKGIは「達成目標」を意味します。KGIを達成するために、具体的なアクションとして設定するのがKPIという関係性です。
KPIを設定することで具体的なアクションが浮かぶ
例えば1,000万円の売上を目標としているD2Cブランドがあるとしましょう。売上を算出するには、次のような計算式が成り立ちます。
しかし現状では次のような状況で、900万円の売上しか達成できていません。
1,000万円の目標を達成するには、「訪問者数を10万UUにする」「CVRを1.2%に上げる」「平均購入額を11,500円以上にする」など具体的なアクションを検討できます。この具体的なアクションで掲げるのがKPIです。売上1,000万円という数字だけを考えていてもどのような打ち手があるのかイメージできませんが、こまかく数字を分割すれば自然とKPIが浮かび上がってきます。
D2Cで設定したいKPI5選
では具体的にD2CではどのようなKPIを設定すればよいのでしょうか。代表的な5つのKPIをご紹介します。
1.ユニークユーザー数
ユニークユーザーとは1日・1週間・1カ月など特定の期間内にWebサイトを訪れた人の数です。
D2CがECビジネスである以上、まずはサイトを訪れてもらう必要があります。PVやセッションといった指標でサイトの人気を測ることもできますが、これらの指標では何度も同じ人が訪問した場合でも数字が増加します。ユニークユーザー数はPVやセッションに比べ純粋なユーザーの数を測ることができるため、サイトの人気を測るには効果的です。
【改善策】
- 継続的なコンテンツの投稿
- SEOへの注力
- Web広告の出稿
- SNSの運用
2.直帰率
直帰率は、サイトのセッションのうち、訪問した最初のページから別のページに遷移せずに直帰した割合を意味します。端的に表現すると、サイトで購入せずにすぐにページを離れた人です。サイトを訪問してすぐに離れたということは、サイトの魅力やUIに不満があったと考えられます。サイトへの訪問だけでなく、そのまま引き留めて購入につなげるためには、直帰率を改善することが大切です。
【改善策】
- ファーストビューを改善する
- ページの表示速度を改善する
- メタディスクリプションとサイトの内容を一致させる
3.CVR
CVRはConversion Rateの略で、Webサイト訪問者のうち購入や問い合わせといった成果(=コンバージョン)を上げた割合を意味します。D2Cでは購入にいたった割合を測ることができるため、売上の数字に直結しやすく重要なKPIの一つに数えられます。
【改善策】
- LPやエントリーフォームを最適化する
- 決済方法や入力フォームを改善する
- コンバージョンポイントを複数用意しておく
4.LTV
LTVはLife Time Valueの略で日本語では顧客生涯価値と訳されます。ユーザーが生涯を通じてサイトへどれくらい貢献したかを意味する指標で、商品やサービスを購入した金額の合計がLTVとなります。
LTVが高ければ、それだけサイトの利益に貢献してくれたということ。つまりはリピート購入や定期購入をしてくれていると解釈できます。D2Cブランドでは近年LTVを重要なKPI指標に定めることが多く、積極的に改善を図るべき指標の一つです。
【改善策】
- 顧客との良好な関係維持する(CRM)
- アップセルなどを使って顧客単価を上げる
- メルマガやステップメールを活用する
5.CPA
CPAはCost Per Actionの略で、顧客を獲得する際にどれくらいのコストが掛かったかを意味する指標です。いくら売上が増えても、コストが高く利益が低ければ事業としては成功といえません。CPAは顧客獲得コストを客観的に測ることができるため、コストの改善点やオペレーションの課題を洗い出すことができます。
【改善策】
- 広告出稿の最適化
- オペレーションの改善
- 仕入れや流通コストの見直し
まとめ
今回はD2Cが力を入れるべきKPIについてご紹介しました。KPIは業務のパフォーマンスを計測・監視するために設定する指標で、日々の業務の進捗状況や課題を洗い出し、改善や修正に役立てます。
KGIのような最終的なゴールと違い、ゴールへいたるまでの「過程」を設定することで、D2C事業者がいま何に取り組むべきかを明確にしてくれます。定点的にKPIを観測してこまかく業務を見直すことで、売上や利益率の改善に役立てていきましょう。
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