必見!D2Cのリピート率を改善する顧客分析のテクニックとは?
D2CをはじめとしたECビジネスではリピート率をいかに改善するかが売上の推移を左右します。新規顧客に比べリピート顧客は獲得のハードルが低く、コスト面でも安価に抑えられるためです。
リピート率を改善するのに効果的なのが、顧客分析です。顧客の行動やサイトの状況を客観的に把握することができるため、効果的な改善策や修正案を導き出すことができます。
今回はD2Cのリピート率を改善するための顧客分析の方法について解説します。
D2Cのリピート率改善に活用できる2つの顧客分析方法
D2CのようなECビジネスは、ユーザーと直接顔を合わせることができないため顧客データが重要な情報源となります。事業者は顧客データをこまかく分析することで、顧客のニーズや属性、施策の効果や課題などを客観視することができます。
では具体的にD2Cのリピート率を改善するために活用できる顧客分析には、どのような方法があるのでしょうか。分析方法は大きく2つです。
1.CPM分析
1つ目はCPM分析です。CPMはCustomer Portfolio Managementの略で「購入回数」「購入金額」「最終購入日からの経過日数」の3つの要素から顧客を分類し、分析を行う方法を言います。
まずCPM分析では次の5つのグループに顧客を分類します。
- 初回客:1回しか購入していない顧客
- よちよち客:リピーターで、サイトの利用期間は短い顧客
- コツコツ客:リピーターでサイトの利用期間も長いが、購入金額が小さい顧客
- 流行客:リピーターでサイトの利用期間も長く、購入金額も大きい顧客
- 優良客:リピーターでサイトの利用期間が流行客よりもさらに長く、購入金額も大きい顧客
次にこの5つのグループを現役と離脱の2つのグループに分類します。
- 現役:(現在もサイトを利用している顧客)
- 離脱:(現在はサイトを利用していない顧客)
これで合計10のグループに分類することができ、このグループごとの割合を算出して分析を行っていきます。
例えば、「初回客」が全体の8割以上だったとしましょう。一般的にD2Cでは3割程度がリピート顧客であるため、このサイトは新規客が多くリピーターが少ないと考えることができます。そこでこの「初回客」を「よちよち客」に育成していく施策を考えていきます。
- メルマガを送信して再購入を促す
- クーポンを発行して再購入を促す
など、グループごとに最適なアプローチに取り組んでいきます。このように10のグループに分類し顧客分析を行い、それぞれに最適なアプローチを実施するのがCPM分析です。
2.RFM分析
RFM分析はRecency frequency monetary analysisの略で、
- R(Recency)=一番最近に購入した顧客は誰か
- F(Frequency)=頻繁に購入する顧客は誰か
- M(Monetary)=一番お金を使ってくれている顧客は誰か
の3つの要素から顧客をランク付けする分析方法です。
例えば最近購入したユーザーと1年以上前に購入したユーザーはモチベーションに違いがあります。両者に同じようなアプローチをしても、最適な結果に結び付くとは言えません。
そこでRFMのそれぞれの要素を5段階に分けて、もっとも評価が高いユーザーを5、評価が低いユーザーを1として分類していきます。例えばRが3、Fが2、Mが4なら「324」といった具合です。555にもっとも近いユーザーがロイヤリティの高い顧客、111に近いユーザーが休眠顧客と分析できます。
この分析結果をもとにユーザーの状況に応じて最適な施策に取り組み、リピート率の改善につなげていきます。
CPMとRFMのどちらに取り組むべきか?
一般的にCPM分析は顧客全体を分析し、中長期的にリピート顧客を育成する目的で使われます。一方のRFM分析は見込みのある顧客にのみアプローチする短期的な売り上げアップに活用されます。
とくにRFMでは「最近購入した」「頻繁に購入した」「一番お金を使ってくれた」など、直近のパフォーマンスの高さが評価されやすい分析方法となっています。CPM分析は離脱や現役を含めすべてのユーザーを分析しグループ分けするという特徴があるため、両者の特性は違っていると言えます。
とはいえ、RFM分析が必ずしもリピート改善に活用できない訳ではありません。スコアの低い顧客を成長させるという視点に立てば、リピート改善にも活用できるはずです。状況に応じて、両方の分析方法を使い分けていきましょう。
まとめ
今回はD2Cのリピート率を改善するための顧客分析方法についてご紹介しました。
リピート率の改善は、D2CをはじめとしたECビジネスでは売上や利益率アップに結び付きやすい要素です。今回ご紹介したCPM分析とRFM分析は顧客分析の方法として広く活用されているため、リピート率の改善に悩む事業者はぜひ導入を検討してください。
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