国内でも大きな盛り上がりをみせているD2C事業。スタートアップはもちろん、大手企業も参入するなど、D2Cモデルを採用する企業が続々と現れています。
そこで今回は、D2Cの事業展開を目指す方に向けて、モデルの概要や特徴、メリットや始め方について解説します。
D2Cとは？特徴やメリットを解説
D2CとはDirect to Consumerの略で、メーカーがユーザーに対して直接商品を販売するビジネスモデルをいいます。
商品の企画・開発はもちろん、販売に至るまでの流れをすべて自社で完結。販売はECサイトを中心とし、最新テクノロジーを存分に活用しながらスピーディーな事業運営や販促活動を実現することができます。
【特徴】世界観を軸に置いた戦略が鍵
D2Cモデルの大きな特徴は、世界観を軸に置いた販売戦略を採用しているということ。
従来までのBtoCモデルでは、商品のデザインや機能性といった部分を重視していました。しかしD2Cでは、ビジョンやストーリーといった世界観を重視。このコンセプトに共感したユーザーがターゲットとなり、商品開発も世界観を体現するものだけを販売します。
D2Cを紹介する際に、仲介業者をスキップした「中抜きモデル」と同じと説明されることがありますが、それは間違いです。あくまでも世界観に軸を置きつつ、デジタルテクノロジーを活用して効率化を図る点がD2Cのポイントです。
【メリット】小規模でも独自色の強い事業が展開できる
D2C事業のメリットは、大きく3つ挙げられます。
1つ目は、利益率を高めることができるということ。
仲介業者をスキップできるためコストを削減できる点はもちろんですが、ECを中心とした販売を行うため初期投資の費用も抑えることができます。また、マーケティングでもデジタル媒体を活用することで、費用対効果を高めることができるのもメリットです。
2つ目は、ブランディングに力を注ぎやすいということ。
D2C事業では、宣伝や販促活動もすべて自社で行います。そのため、自社の世界観やブランドイメージを丁寧に発信することができ、ユーザーともダイレクトにやり取りをすることが可能です。ユーザーに親近感や安心感を抱かせることで、リピーターの獲得に繋がりやすい点も魅力でしょう。
3つ目は、小規模でも事業をスタートしやすいということ。
D2Cは、事業の世界観が共感を呼び、質の高い商品（サービス）が揃っていれば小規模でもスタートすることが可能です。ECは年々競争が過熱化しており、大手サイトと競合する事業者は苦しい戦いを強いられてきました。しかしD2Cなら、価格競争ではなく世界観で勝負することができ、スタートアップでも勝負できる土俵といえます。これもD2Cのメリットの1つでしょう。
D2C事業の始め方
では、実際にD2C事業を始めるには、どのようなステップでスタートすればよいのでしょうか。具体的な手順を見ていきましょう。
4つのステップで取り組む
D2C事業の始めるには、次の4つのステップを重視していきましょう。
- 世界観をしっかり定める
- 商材選びや開発を行う
- 資金を集める
- 集客方法を検討する
D2C事業を始める上でもっとも重要なのが、世界観をしっかりと定めることでしょう。この部分がユーザーの共感を呼ばずインパクトが弱いようでは、事業を成功に導くことはできません。自分達が目指すビジョンやストーリーをじっくりと煮詰め、しっかりとした世界観を構築しておきましょう。
次に大切なのが、商材選びや開発です。最初に定めた世界観を体現できる質の高い商材や商品開発が大切となります。
事業を安定して運営していく上での資金の獲得も検討しておきましょう。D2Cは小規模でスタートできるとはいえ、ある程度の資金は必要です。公的な機関を利用する方法もありますが、D2Cではクラウドファンディングも相性のよい手段の1つでしょう。「クラウドファンディングで資金を集めた」というストーリーは、D2Cモデルと相性が良いといえます。
最後は集客方法を検討しておきましょう。D2Cの集客でとくに重視したいのが、SNS。多くのD2C事業でもSNSを積極的に運営することで、成功を収めています。発信するコンテンツの世界観まで重視することで、より効率的に自社のブランドイメージを発信することができるでしょう。
まとめ
今回は、D2C事業をこれから始める方に向けて、特徴やメリット、始め方の手順についてご紹介しました。
D2Cは世界観を重視したビジネスモデルです。体験型の「コト消費」が注目される現代ビジネスのトレンドと相性もよく、小規模からスタートできる点も魅力の1つでしょう。
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