日本で成功しているD2Cブランドは?
製造した商品を自社ECを使ってユーザーにダイレクトに販売するD2Cモデル。国内でもビジネストレンドとして注目を集めていますが、今回はその中でも成功事例として知られているブランドをご紹介します。
どのようなブランドが人気を集めているのかチェックしてみましょう。
D2Cとは?日本で人気のD2Cブランドをご紹介
D2Cとは、「Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」の略で、メーカーやブランドが製造した商品を自社ECを使って直接販売する手法を言います。
従来のメーカー直販のビジネスモデルと違い、D2Cでは最新のデジタルテクノロジーや自社のビジョンやコンセプトといった「世界観」に重きを置くことが特徴。また、SNSやオウンドメディアを通してユーザーと直接(ダイレクト)に繋がることで、パーソナライズ化されたサービスを提供できる点も魅力です。
では、さっそく日本で成功を収めているD2Cブランドの事例を見ていきましょう。
事例1.BULKHOMME(バルクオム)
まずご紹介するのはBULKHOMME(バルクオムです。
バルクオムは男性化粧品を扱う化粧品ブランドですが、収益化が難しいとされる同業界において、D2Cモデルを採用することで大きな成功を収めています。
おしゃれで統一感のあるパッケージや、インスタを中心としたSNSマーケティングに力を入れることで、従来の男性化粧品にはない「世界観」を構築することに成功。また、サブスクモデルを採用したことで収益性を高めた点も、バルクオムの特徴と呼べるでしょう。
事例2.FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)
FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)も、日本のD2Cブランドの中で成功事例の1つとして知られています。
メンズ向けのオーダースーツを手掛ける同社では、ECでスーツが購入できるという強みに加え、最新のデジタルテクノロジーを用いることで受注→製造→出荷といった一連の流れをスピーディー化することに成功。
また、ユーザーのフィードバックなどから最新のトレンドをいち早く反映した商品ラインナップを揃えることで、ユーザーニーズにしっかり応えています。全国14箇所に実店舗を設けることで、より正確な採寸や顧客とのコミュニケーションを深められる点も、D2Cとして成功を収めた理由の1つでしょう。
事例3.BOTANIST(ボタニスト)
ボタニカルスタイルの高級シャンプーとして人気を集めているのがBOTANIST(ボタニスト)です。
植物由来の成分に徹底的にこだわるだけでなく、最新の科学技術を用いることで質の高い商品開発に成功。シャンプーとしては高額な価格設定ながら、質の高さがユーザーに受け入れられたことで大成功を収めた事例と言えます。
D2Cでは定番のSNSマーケティングにも力を入れ、インスタを中心に積極的なアプローチを続けることで認知度の高めていきました。こうしたアプローチが実を結び、ブランドのファン育成に成功した点も、ボタニストの特徴でしょう。
事例4.Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)
大人気の食品系D2Cブランド、Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)。
シェフこだわりの絶品チーズケーキを販売していますが、ECによる完全受注販売に加え、販売数量もごく少数という希少性があいまって「幻のチーズケーキ」として人気を集めています。
D2Cにおいてはこうしたストーリーのあるブランドが成功を収める傾向にあり、ミスターチーズケーキもなかなか手に入らないという限定感がSNSで拡散。ユーザーの期待値やニーズの高まりが、ブランドの成功を後押ししています。
事例5.FUJIMI(フジミ)
パーソナライズスキンケアを提供するD2CブランドがFUJIMI(フジミ)です。
FUJIMIではサイト内に用意された無料の美容診断を通して、ユーザーの肌の状態を細かく測定。この結果から、ユーザーに最適化されたサプリメントやフェイスマスクを購入することができます。
従来までの既製品では実現できなかった美容分野のパーソナライズ化を、D2Cというビジネスモデルで実現。質の高い商品の存在はもちろん、「自分に合った」商品を購入できるという安心感や信頼感もFUJIMIが人気を集める理由でしょう。
事例6.BASE FOOD(ベースフード)
食品系のD2Cブランドとして大きく成長しているのが、BASE FOOD(ベースフード)です。
ベースフードでは、1食で必要な栄養素をバランスよく摂取できる「完全食」のパンや麺を販売。欧米ではすでに定番となっているフードテック(フードテクノロジー)の分野に国内でいち早く参入し成功を収めました。
食事は人間の営みと密接に関係しており、ライフスタイルを提案するというD2Cモデルとの相性も抜群。昨今の健康ブームや、多様な暮らし方を実現できるといった視点からも、今後さらなる成長が予想されるでしょう。
事例7.PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)
女性向けの化粧品を販売するPHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)は、SNSを中心に爆発的な人気をほこるD2Cブランドです。
20~30代の女性から絶大な支持を集めており、『女性たちの「あったらいいな」の声に応える』というブランドコンセプトが明確な点も強み。商品ラインナップもこのコンセプトを軸としており、ターゲットに的確にリーチすることに成功しています。
同ブランドの強みが、美容系メディア「DINETTE」の存在。フィービービューティーアップはDINETTEから立ち上がったブランドで、メディアで築いてきた信頼やファンとの関係性をそのまま商品開発に反映しています。D2Cは自社メディアの存在が集客の鍵となりますが、その点ではフィービービューティーアップは国内でも屈指のノウハウを持っており、ブランド成功の要因といえるでしょう。
事例8.snaq.me(スナックミー)
おやつを販売するD2Cブランドとして人気を集めるのが、snaq.me(スナックミー)です。
スナックミーでは、厳選した100種類以上のおやつから毎月8種類をお届け。中身はユーザーの好みを診断する「おやつ診断」を元にアレンジされ、毎回どんな商品が届くのかワクワクしながら楽しむことができます。
D2Cでは「モノ」ではなく「コト」により比重が置かれますが、スナックミーもおやつを楽しむという何気ない瞬間をより素敵なものにする「体験」を重視。ライフスタイルに付加価値を与える手法は、実にD2Cらしい手法といえるでしょう。
事例9.MEDULLA(メデュラ)
パーソナライズ化を強みにしているD2Cブランドが、MEDULLA(メデュラ)です。
メデュラは国内初のシャンプーを扱ったパーソナライズD2Cで、オンラインの無料診断から自分の髪質にあったシャンプーを診断。シャンプーは同ブランドのラボで製造され手元に届く、完全パーソナライズシャンプーを実現しました。
パーソナライズ化はD2Cの代名詞の1つですが、今後は新たに参入してくるD2Cブランドと差別化を図る上でのキーワードとしても意味を持ってきます。メデュラのように質の高い商品を製造できる体制と機能が整っていることはブランドの強みで、これからD2Cに参入するブランドのお手本にもなるでしょう。
事例10.ALL YOURS(オールユアーズ)
最後にご紹介するのが、ALL YOURS(オールユアーズ)です。
オールユアーズが提供するのは、仕事やプライベートの垣根を取り払ったストレスレスなファッション。自社ブランドを「着飾るものではない」と定義し、日々の生活の中で自然体で身に付けることができる商品を展開しています。
ライフスタイルが多様化したことで、年々リモートワークや在宅ワークが増えています。とくに2020年のコロナ禍以降はこの流れが加速しており、自宅で過ごす服装へのニーズも高まってきました。
オールユアーズはまさにこうした流れを上手く掴んだサービスと呼べ、アフターコロナ以降も注目される存在でしょう。
まとめ
今回は、日本で成功しているD2Cブランドの具体例を10個ご紹介しました。
各社に共通しているのは、どのブランドも自社の強みをしっかり押さえ世界観を築き上げているということ。これは消費者ニーズが多様化した現代においては非常に重要なポイントで、D2Cモデルでも欠かせない項目と言えます。また、最新テクノロジーを活用することで、コストの軽減やファン獲得・育成に注力している点も見逃せないでしょう。
今後も日本でのD2C市場は拡大傾向が予想されることから、こうした成功事例をしっかり分析し、自社サイトで活用していきましょう。
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