化粧品業界でも進むサブスク化。コスメのサブスクサービスをご紹介
いま、もっとも勢いのあるビジネストレンドの1つ「サブスク(サブスクリプション)」。定額料金でサービスを利用できる利便性から、多くの業界が参入を進めています。
化粧品業界も、サブスクのブームの波が押し寄せている業界の1つ。大手企業も本格参戦するなど、ますます注目を集めることが予想されています。
そこで今回は、数ある化粧品・コスメ系のサブスクサービスの中から、押さえておきたい注目サービスをご紹介。業界の最新トレンドをチェックしていきましょう。
人気の化粧品・コスメ系サブスクサービス3選
今回ご紹介するのは、化粧品・コスメ系の3つのサブスクサービスです。
定番のセレクトボックス型のサービスから、IoTを活かしたサービスまで内容は実に多彩。さっそく詳細を確認していきましょう。
1.RAXY(ラクシー)
楽天が提供する化粧品・コスメ系のサブスクサービスが「RAXY(ラクシー)」です。
ラクシ―は月額1,980円で、毎月3~6点のコスメを自宅に届けてくれるサービス。サービス側が選んでくれた商品が、おしゃれな箱に入って届く「セレクトボックス型」で、コスメ系サブスクの定番の形態と言えます。
化粧品はユーザーが記入する「ビューティーカルテ」の内容を元にセレクトされ、あなたの肌にあった最適な商品をお届け。多彩なラインナップの中から毎月どんな商品が届くのかワクワクする「ご褒美感」もサービスの特徴と言えます。
ビジネス的な視点で言えば、楽天のサービスということもあって、楽天ポイントを利用できる点は魅力的です。また、届いたアイテムにタグ(#)を付けてSNSにアップすると、抽選でプレゼントがもらえるキャンペーンも展開中。ユーザーへお得感を提供しながら、拡散を狙うSNSマーケティングに取り組んでいる点もビジネスとしては良い事例の1つです。
2.MY LITTLE BOX(マイリトルボックス)
続いてご紹介するサブスクサービスは、「MY LITTLE BOX(マイリトルボックス)」です。
こちらはパリジェンヌスタイルに特化した化粧品・コスメ系のサブスクで、月額3,350円で毎月おすすめのコスメや雑貨を届けてくれます。マイリトルボックスが面白いのは、ファッションスタイルの好みに合わせたサービスを提供していること。
パリジェンヌスタイルという1つのジャンルに特化することで、ターゲットユーザーに的確にアプローチすることに成功しています。ファッションやコスメは特定のスタイルに強いこだわりを持つユーザーが多く、そこに対してピンポイントでサービスを提供できれば、ビジネスとして大きなアドバンテージを得られるでしょう。
マイリトルボックスは申し込んだ本人はもちろん、友人や家族へのプレゼントも可能です。商品は毎月洗練されたおしゃれなアイテムが用意されており、イベントや記念日のプレゼントにもぴったりです。この目の付けどころも、サービスの強みと言えます。
3.optune(オプチューン)
化粧品・コスメブランドの大手資生堂が、2019年7月1日に満を持してリリースしたサブスクサービスが「optune(オプチューン)」です。
オプチューンの特徴は、IoTを活かしたサブスクサービスだということ。ユーザーはサービスに申し込み後、スマホに専用のアプリをダウンロード。カメラやアプリに情報を登録すると、自宅に専用マシンと化粧品のカートリッジが届きます。
ユーザーは毎回スマホで肌の状況を撮影するだけで、カートリッジからその日のコンディションに合った最適なコスメが抽出される仕組み。専用マシンに手を差し込むだけで、自動で抽出されるので、ユーザーはそのままスキンケアをするだけでOKです。カートリッジの残量が少なくなると、自動で注文まで完了してくれるので、毎日のスキンケアをほぼ自動化することができます。
IoTの技術と、資生堂が蓄積したスキンケアのノウハウをサブスクで提供するという画期的な仕組みは、月額10,000円とやや高額な料金設定ですが、すでに大きな反響を得ているとのこと。
サービスのキャッチコピーでもある「肌と同期する」という言葉を体現した新時代のサービスと呼べるでしょう。
まとめ
今回は、化粧品・コスメ系のサブスクサービスについてご紹介しました。
やはりインパクトが大きいのは、資生堂のoptune(オプチューン)でしょう。スキンケアにまでIoTの技術を応用し、それをサブスクで展開するという狙いはビジネスとしても先鋭的です。
また、サブスクの定番スタイルを導入しているRAXY(ラクシ―)は、ご褒美感覚で手軽にコスメ系サブスクを利用できることから、事業者にとってもお手本になるサービスです。
MY LITTLE BOX(マイリトルボックス)はファッションスタイルを絞ったサービスをサブスクで提供するという点で、ビジネスとしての狙いどころに上手さを感じます。EC業界でも、大量のアイテムを提供する総合通販だけでなく、少ない業種に特化した単品通販が人気を集めているのも、これと似た傾向と言えるでしょう。