サブスク事業をやるなら覚えておきたいチャーンレートとは?
サブスクサービスの拡大にあわせて注目されるようになったのが「チャーンレート」です。チャーンレートとはビジネス指標の1つで、サービスの解約率のことを言います。
では、どうしてサブスク事業でチャーンレートが重要視されているのでしょうか?今回はチャーンレートの概要と、その重要性についてご紹介します。
チャーンレートとは?
チャーンレート(Churn Rate)とは、サービスの解約率を指すビジネス指標を言います。顧客離脱率や退会率と呼ばれることもあり、自社サービスからひと月に、どれくらいのユーザーが解約したのかを算出し、事業状況の分析や今後への対策を講じる際に用いらます。
チャーンレートが注目されているのが、サブスク事業です。では、どうしてサブスク事業でチャーンレートが重要視されているのでしょうか?
1.サービスの状態やニーズ・満足度を測ることができる
1つ目は、自社のサブスクサービスの状態や、ニーズ・満足度を測るのに適しているから。
サブスク事業では、有料会員の数が売上に影響します。そのため、サービスを継続して利用してもらうことが重要で、いかに解約者や退会者を少なくするのかが問われてきます。
チャ-ンレートでは、毎月の解約率を数値化して測ることができるため、客観的に自社サービスの状況を分析することが可能。
また、指標が低いということは、それだけサービスへのニーズや満足度が高いことが分かるため、今後の事業展開を考える上でも最適な指標と言えます。
2.新規顧客の獲得にはコストがかかるから
既存顧客にサービスを提供するのに比べて、新規顧客を獲得するためのコストが高くなることはどの業界でも常識となっています。
サブスク事業においては約5倍程度もコストに違いが出るとされており、いかに既存顧客を引き止めることが大事なのかが分かるでしょう。
チャ-ンレートが高いということは、サービスから離れるユーザーが多いということ。それだけ新規顧客獲得へのコストも増加するため、指標をしっかり注視しておく必要があります。
3.LTVに大きく影響してくる
3つ目は、LTV(顧客生涯価値)に大きく影響するということ。
先ほど、新規顧客の獲得にはコストがかかるとご紹介しましたが、これは視点を変えるとユーザーのLTVが減少することを意味します。やはり中長期的にサービスを利用するユーザーのLTVは増加する傾向にあり、収益性を高めるためには重要なポイントとなるでしょう。
また、継続してサービスを利用してもらえれば、ロイヤリティや満足度を高めることができます。サブスクは定額サービスですが、例えばオプション等の追加が用意されていれば、売上をさらに拡大できるでしょう。
チャーンレートは2種類に分類される
ここからは、チャーンレートについてさらに深掘りしていきましょう。
チャーンレートは、指標を算出する対象によって、大きく2種類に分類することができます。
1.カスタマーチャーンレート
1つ目は「カスタマーチャーンレート」です。
これは顧客数(ユーザー)を対象にして指標を算出する方法で、期間中に解約したユーザーや、有料会員から無料会員へ移行したユーザーの割合を計算します。
計算式は次の通りです。
カスタマーチャーンレート = (期間中に解約したユーザー数/期間前の全ユーザー数)×100
例えば、期間前の全ユーザー数が1,000人、期間中に解約したユーザーが100人だったとしましょう。この場合、
100 ÷ 1000 × 100 = 10%
という計算式が成り立ち、カスタマーチャーンレートは10%ということになります。
2.レベニューチャーンレート
2つ目は「レベニューチャーンレート」です。
こちらは、収益を対象にした計算方法で、期間中にどれくらいの損失があったかのか算出します。計算式は、
レベニューチャーンレート = (サービス単価×期間中で解約したユーザー数/期間中の総収益)×100
となります。例えば、月額1,500円のサービスで、期間中に解約したユーザー数が50人、総収益が600,000円だったとしましょう。先ほどの計算式に当てはめると、
(1500 × 50 ÷ 600000)× 100 = 12.5%
という結果となります。この場合のレベニューチャ-ンレートは12.5%という結果です。
チャーンレート目安は3%程度
チャーンレートの割合を算出する方法は分かりましたが、実際にどの程度の割合を目安にするべきなのでしょうか?
一般的に、チャ-ンレートは3%程度が目安とされています。これはカスタマー・レベニューどちらの計算方法でも同じです。この数字よりも高い結果が出てしまう場合は、サービスの見直しや改善を検討する必要があるでしょう。
まとめ
今回は、サブスク事業で注目されているチャ-ンレートについてご紹介しました。
チャ-ンレートはビジネス指標の1つで、自社サービスからひと月に、どれくらいのユーザーが解約したのかを算出する際に用いられます。解約率や顧客離脱率、退会率と呼ばれることもあり、サブスク事業の現状把握や改善を目指すには、最適な指標の1つです。
チャ-ンレートが高いということは、それだけサービスから離れるユーザーが多いということ。つまり、サービスに対するニーズや満足度が乏しいということになります。新たに顧客を獲得するとなると、コストもかかる上、LTVの向上にもマイナスに作用してしまいます。
サブスク事業に取り組む際は、継続的にチャ-ンレートを算出して、自社の現状をしっかり認識しておくよう努めていきましょう。