必見。LTV改善に成功した3つの事例
ECサイトの売上と関連性の高い指標が、LTV(ライフタイムバリュー)です。
1人の顧客が、生涯にわたってどれだけの価値を提供するかを表すマーケティング指標ですが、気になるのがLTV改善に繋がる具体的な施策でしょう。
そこで今回は、ECサイトでLTV改善に成功した事例をご紹介します。具体例を参考に、自社のLTV改善を目指してみましょう。
LTVとは?
LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。
代表的なマーケティング指標の1つと知られており、1人の顧客が企業に対して、生涯にどれくらいの価値を提供するのかを数値化することができます。ECサイトでは、ユーザーがサイトにもたらしてくれる生涯利益の値と言い換えることがでます。
LTVでは、中長期的なスパンでユーザーを分析するため、優良顧客をピックアップしやすいという特徴があります。また、顧客との関係性を深めるCRMの効果を客観視できる点もメリットの1つでしょう。
LTV計算方法は?
LTVの計算方法にはいくつか種類がありますが、もっとも一般的でわかりやすいのが下記の計算式です。
LTV = 平均購買単価 × 粗利率 × 購買頻度 × 継続購買期間
例えばあるユーザーが、ネットショップ平均5,000円の買い物を年間6回のペースで、3年間継続しているとしましょう。粗利率が40%だった場合、
5,000円 × 40% × 6回 × 3年間 = 36,000円
という計算式が成り立ちます。ユーザーごとに計算式を用いて値を算出していけば、LTVの高いユーザーと低いユーザーを洗い出すことが可能です。また、施策やユーザー属性ごとに算出すれば、どのセグメントに優良顧客が多く、どのセグメントを強化すべきなのか明確にすることができるでしょう。
LTVの改善に成功した3つの事例を紹介
ここからは、LTV改善に成功したECサイトの事例を3つご紹介します。
先ほども触れたように、LTV改善にはCRM施策の投入が効果的です。ご紹介する成功事例でも、CRMに軸足を置いたアプローチでLTVの改善に繋げています。
事例1.コールセンターの改善でLTVがアップ
1つ目の事例は、食品系ECを手掛ける企業K社の事例です。
K社が取り組んだのが、コールセンター業務の改善。コールセンターは、ECにおいてユーザーと直接コミュニケーションを取れる数少ない場面です。しかし、K社ではこれまでマニュアルを中心としてコールセンター対応が多く、質・量ともに課題が多い状況でした。
そこで外部の企業と協同で、コールセンター業務の改革を実行。具体的には、オペレーターに裁量権を与え、マニュアルにはめ込んだ対応を一新。ユーザーのニーズや直接対応するオペレーターの判断に重きを置き、柔軟かつ温かみのある対応を採用しました。
K社はこのオペレーター改革により、6ヵ月後のLTVが前年比の28%増を達成。顧客との関係性を重視するCRMの視点でLTVを改善したお手本といえるでしょう。
事例2.メルマガ改革でLTVを改善
2つ目の事例は、化粧品ECの大手D社の事例です。
D社では、メルマガを使ったCRM施策を強化し、LTVの改善に成功しました。メルマガはテンプレートを一括送信するという手法がまだまだ多いですが、これでは個別のユーザーに最適化したアプローチを実行することができません。
D社は、よりパーソナライズ化されたメルマガの運用を行うために、約250本のシナリオを作成。各セグメントごとに細かくシナリオを使い分けることで、ユーザーへの訴求効果を高めLTVの向上に結びつけました。
事例3.同梱物を工夫してLTVを高める
最後の事例は、化粧品会社のU社です。
U社が注目したのが、定期購入ユーザーの継続率。化粧品はある程度効果を実感するまで時間がかかりますが、U社の商品の魅力を実感できる5ヵ月目までの継続率が低い点が課題でした。
そこでU社では、商品の同梱物を改善。毎回ほぼ同じ内容だった同梱物を、1~5回目まで違うものを入れるようにし、継続月にあわせてコンテンツの内容を工夫しました。具体的には、初月は肌の基礎知識などにフォーカス。徐々に内容を深めていき、4か月目や5ヵ月目では体験談を通して継続することのメリットをアピールしています。
この取り組みにより、継続率は20%改善。年間LTVも2,500円アップするなど、大きな成果を挙げました。
まとめ
今回は、ECサイトのLTV改善に成功した3つの事例をご紹介しました。
LTVは、中長期的な視点で売上や利益に注目できるため、サイトの安定した運営に役立てることができます。近年注目を集めるCRMの視点からも重要な指標だけに、ご紹介した事例を参考にしながらLTVの改善を目指していきましょう。
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