ECでよく利用されている配送方法はどれ?
ECサイトには商品を配達する「配送」の存在が欠かせませんが、年々ユーザーのニーズやライフスタイルに合わせて配送方法の種類も増えています。
そこで今回は、ECサイトで利用されている配送方法についてご紹介します。ニーズが高い配送方法や、EC配送の今後の展望についても解説します。
ECでは対面配送が85.4%を占める
MMD研究所が発表した「ECサイトの配送に関する調査」(2021年2月)によると、ECサイトのユーザーが利用する配送方法として「自宅での対面受け取り」がもっとも多いことが分かりました。全体の85.4%がこの方法を利用しており、ECでは対面配送が大きなウェイトを占めていることが分かります。
これに続くの「置き配(玄関や自転車のかごの中)」で30.8%、次いで「コンビニなど店舗での受け取り」が28.7%という結果になりました。
置き配のニーズが高まっている
注目したいのが「置き配」ニーズの高まりです。
置き配とは、あらかじめ指定した自宅の玄関や駐車場、専用の置き配ボックスといった場所に配送してもらう方法で、不在時でも商品をスムーズに受け取れるとしてニーズが高まっています。
年々ECの利用率は高まっていますが、一方で配達時に自宅で受け取れない「再配達」の割合も増加しています。先ほどの調査結果でも、自宅での対面受け取りのうち、8割以上が再配達になるというデータが出るなど、事業者・ユーザー双方にとって大きな課題となっています。
置き配は再配達が必要ないため、配送時間のロスを軽減することが可能。また、コロナ禍においては、人との接触を介さずに商品の購入・受取りができるため感染予防の観点からもニーズが増加しました。
今後のEC配送の展望は?
さて、今後のECの展望を考えていく上で、配送方法の充実は間違いなく必要でしょう。
配送方法でECサイトを選ぶ時代へ
置き配だけでなく、コンビニ・店舗受取りや宅配ロッカーなど、配送方法の種類は年々増加しています。これはユーザーのニーズが多様化しているためで、ライフスタイルに合わせてもっとも便利な配送方法を利用したいという心理が伺えます。
かつては、自宅で商品を注文できる・実店舗より安く購入できる、といった部分がECの強みでしたが、こうした部分は今では「当たり前」となっています。今後はユーザーに最適化したサービスを提供できるかが問われるようになっており、配送方法への対応もその1つといえます。つまり、ユーザーが利用したい配送方法を用意しているECサイトが選ばれるということ。「配送のパーソナライズ化」とも呼べる流れが、今後はより一層加速していくでしょう。
大手モールも「配送」を重要視している
配送方法を重要視する流れは、すでに大手モールでも広がっています。例えば、Amazon primeは配達のスピードや利便性にいち早く注目し、サービス化することでユーザーの支持を集めています。
また、ヤフーでも2021年2月から「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」で優良配送アイコンの表示をスタートしました。これは、独自に設定した配送に関する条件を満たした店舗を対象に、モール内で「優良配送」のアイコンを表示するというもの。サイト側からすれば集客・購入面でのメリットがあり、モール側はサービス全体での配送の質を向上することができます。
楽天も自社物流のRakuten EXPRESSに力を注ぐなど、大手モール各社が配送を重用視していることが理解できます。
まとめ
今回は、ECでよく利用される配送方法についてご紹介しました。
EC配送では、「自宅での対面受け取り」が85.4%ともっとも多い一方で、全体の8割以上が再配達になるなど課題も見えてきました。こうした中、個人のライフスタイルに合わせて配送方法を選べるニーズが高まっており、「置き配」や「コンビニ受け取り」が増加傾向にあります。
今後はこうしたニーズを満たしたサイトへの注目が予想され、「配送方法からECサイトを選ぶ」流れも加速していくでしょう。事業者はユーザーが求める配送方法をいち早く整え、ユーザーをしっかり確保するようにしましょう。