ECサイトの立ち上げ方│運営者が押さえておきたいポイントと注意点を解説
ECサイトを立ち上げるなら、商材の選定やサイトの全体像など、事前に整理しておきたいポイントがあります。この軸となる部分がブレていると、立ち上げ後の運営に支障が出たり、改善作業に時間をとられてしまいます。
今回はECサイトの立ち上げ時に運営者が押さえておきたいポイントや、制作サービスの選び方での注意点をご紹介します。
EC立ち上げ前に押さえておきたい3つのポイント
ECサイトを新たに立ち上げる際は、いきなりサイトをオープンするのではなく、事前にどんなサイトにするのか検討しておく段階を踏んでおきましょう。
一度サイトをオープンしてから修正を加えていく方法もありますが、無駄なコストがかかる他、顧客体験を損なってしまうといったリスクが大きくなります。
こうしたリスクを避け、質の高いサイトをオープンするためにも、まずは次の3つのポイントを押さえておきましょう。
1.誰に向けてどんな商材を売るのか明確にしておく
1つ目のポイントは、誰に向けてどんな商材を売るのか明確にしておくことです。
ECサイトを立ち上げる際、ある程度商材が決まっていることは多いですが、「どんなユーザーに向けて販売するのか」というターゲット選びが定まっていないケースは少なくありません。
どんなビジネスでも、ユーザーが求めていない商品は購入してもらえません。これはECでも同じで、まずは商材とターゲットをしっかり定めることがサイト立ち上げへの第一歩となります。
2.サイトの全体像をイメージする
商材とターゲットが定まったら、サイトの全体像をイメージしましょう。
- どんな機能が必要か?
- どんなデザインにするのか?
- 決済サービスの種類は?
などなど、サイトの全体像を具体的にイメージしていきます。
例えば、デザインの部分は、サイトのブランドイメージを伝えやすいポイントだけに、しっかりとテーマを持って制作する必要があります。メインカラーや画像、フォントまでブランドイメージに関連するポイントは多岐にわたります。
決済サービスは、若年層が多ければキャッシュレス決済にも馴染みがありますが、シニア層をターゲットにするなら代引きや銀行振込といった手法を選びます。
このように、サイトの1つひとつの項目を確認していきながら、サイト全体像を具体的にイメージしていきましょう。
3.競合サイトを確認する
ECサイトを立ち上げる際にぜひ取り組んでおきたいのが、競合サイトの確認です。
競合サイトを調べることで、サイトに必要な機能や商材のバリエーションなどが確認できるだけでなく、どう差別化するか?という課題を解決するヒントを得ることができます。
サイトの全体像をイメージする段階と合わせて競合サイトを確認しておけば、より具体的なイメージを膨らませることができ、サイト制作を実行する際の手直しや工数を大きく減らすことができるでしょう。
価格帯で見るEC制作サービスの具体例
さて、ECサイトを立ち上げる際は、自社で取り組むこともできますが、専門のEC制作サービスに依頼するケースを利用するのが一般的です。
現在ではECを構築するサービスが豊富に揃っていますが、サービスはサイトの規模によって価格帯に違いがあります。具体的にサービスの例を見ていきましょう。
低価格帯
低価格でECを立ち上げるサービスとして、モール型ECは一般的です。Amazonや楽天、YahooショッピングといったECモールへ店舗を出店する方法で、コストを安く抑えることができます。一方で、モールサービスのデザインやルールにしばられるため、サイト運営の自由度は低くなってしまいます。
モールではなく、自社でECを構築する低価格帯サービスなら、BASEやSTORESが有名でしょう。両サービスは無料でECをオープンすることが可能で、初心者に人気が高いサービスといえます。
中価格帯
ある程度本格的なEC運営を目指すなら、ASP型の有料サービスを利用するのが良いでしょう。定期購入に強いリピストや、MakeshopなどEC運営に必要な機能がしっかり用意されたサービスを選ぶのがおすすめです。
また、オリジナリティの高いサイトを立ち上げるならオープンソース型のサービスを選ぶのも選択肢の1つ。国内ではEC-CUBEが有名で、他社との差別化をはかることができます。
高価格帯
大規模なEC運営を目指すなら、パッケージ型サービスやフルスクラッチでのEC構築が必要でしょう。
ecbeingやエビスマートなどは大手サービスとして名前が挙がります。こうしたサービスでは自社オリジナルの高機能なサイトを構築できますが、開発コストや運営コストが高い点がネックです。
EC制作サービスを選ぶときの注意点
最後に、EC制作サービスを選ぶときの注意点をいくつかご紹介しておきましょう。
制作後の運営コストや負担を想定しておく
ECサイトは制作して終わりではありません。そこから継続してサイトを運営していくことが必要です。ユーザーの要望に合わせた機能の追加やデザインの調整、セキュリティのアップデートなど、運営作業にはさまざまな労力が発生します。
自社でエンジニアがいれば対応できますが、外部に委託するとなるとコストが発生します。制作サービスを選ぶ際は、こうした運営時の負担やコストを考慮しておくことが大切です。
例えばASPやクラウド型サービスであればセキュリティの負担や初期投資のコストを抑えることができます。また、事業が軌道に乗るまではある程度商材や規模を限定し、徐々に拡大していくといった戦略も効果的でしょう。
制作サービスの担当者との相性も要確認
意外と見落とされがちなポイントとして、制作サービスの担当者との相性が挙げられます。
- 自社の要望をきちんと把握してくれるか
- メールや打ち合わせのやりとりでストレスがないか
など、長く付き合っていくからこそ、こうした人間的な部分が大切となってきます。サイトを別のサービスに移設するには大きな労力とコストがかかるため、信頼関係を築ける相手であることをしっかり見定めておきましょう。
まとめ
ECサイトの立ち上げは小規模からでも簡単に取り組むことができます。しかし、市場で売れるECサイトを構築するとなれば、事前にサイトのコンセプトや機能、ターゲットや競合他社の動向などをしっかり検討して戦略を立てておくことが大切です。
また、自社にあった運営サービスの選定も重要なポイントとなります。一度立ち上げてから別のサービスに移設する作業はコストや労力がかかるだけでなく、ユーザーにとってもストレスになりかねません。
綿密な戦略を練ることで、スムーズな立ち上げや運営につなげていきましょう。
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