自社でECサイトの構築・運用費用はいくら?費用を抑えて運用する方法も紹介
ECサイトはインターネット上で商品を販売するWebサイトの総称で、自社ブランドの商品のみをECサイトで販売する形態をD2Cといいます。
近年、自社のECサイトを展開してD2Cで販売する企業が増えていますが、自社ECサイトユーザーにとって使いやすいサイトや強みのある商品を展開するだけではなく、継続的な運用・改善が必要になります。そのため、カートシステムの費用はもちろん、制作費やマーケティングのツールの費用を用意して運用することが大切です。
本記事では無料のカートシステムから有料のシステムに乗り換えしている企業や自社ECサイトの展開を検討する企業にむけて、自社ECサイトの開発や運用に必要な費用と機能を紹介します。
目次
初期費用の内訳
自社ECサイトを構築する際に発生する初期費用ひとつをとってもさまざまな費用が発生します。
まず、ECサイトを構築するカートシステムの会社に支払う初期事務手数料やソフトの購入費が必要です。その他、運用ツールのライセンスやドメイン、決済システムの導入費用も発生します。
さらに、サイトのデザインを委託する場合は発注費用も必要です。中でもデザインはブランドの印象に影響するため、サイトの信頼性やブランディングの維持、ユーザー体験を提供させるためにも重要な要素となります。
近年は高品質なフリー素材やデザインツールも増えていますが、デザインは光加減や文字の位置、フォントひとつで大きな違いが出ます。予算に余裕がある場合はデザイナーに委託するのがおすすめです。
維持費用の内訳
自社ECサイトを運営するには、カートシステムの利用料やサーバーのレンタル費用以外に以下のような費用が発生します。カートシステムの利用料は月額費用以外に支払手数料が発生することも視野に入れてください。多くのシステムは複数の月額手数料を展開しており、各プランで手数料が異なります。事業規模に合わせたプランを選びましょう。
- 決済手数料
- 物流関連で発生する費用
- 広告費(Web広告、インフルエンサーへの発注費など)
- 分析ツールの月額利用料
ECサイト運営時は決済手数料や物流に関する費用が発生します。ECサイトはユーザーに合わせて複数の決済システムを導入している必要があります。決済手数料はユーザーがクレジットカードや各電子決済の会社を利用した時に発生します。
また、集客を効率良く行うにはマーケティングを行うための広告費が必要です。例えば、Google広告やFacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのWeb広告を配信する場合、費用が数十万〜数百万円発生します。さらに、近年はInstagramなどを使用したSNSマーケティングも人気です。インフルエンサーに依頼を行うときはフォロワーに対する単価と追加で、成果報酬を支払うこともあるため、予めインフルエンサーマーケティングを扱う企業に問い合わせておきましょう。
広告などを配信したら広告の数値を効果測定し改善点や課題を洗い出すためのヒントを得るために、分析ツールを導入しましょう。分析ツールは無料のものもありますが、月額費用が発生するツールもあります。近年は広告の効果測定ツールが多いため、各社から相見積もりをとりながら検討してください。
上記の維持費用を算出し、月々の費用が滞りなく払える予算設定を行いましょう。
カスタマイズ費用の詳細
自社ECサイトをユーザー目線で使いやすくしたり、他社と差をつける設計にしたりするためには、カスタマイズが必要不可欠です。例えば、カートシステム内にあるテンプレートを追加すると、自社の方針に合わせたサイトを設計できます。しかし、有料で追加する場合、その都度購入費用が発生することも。
また、商戦期や季節に合わせてサイトのデザインやバナーなどのクリエイティブ制作を外部に発注する際も費用が発生します。これにより、サイトはより魅力的でユーザーフレンドリーなものになります。
自社ECサイト構築の費用を抑える方法
自社ECサイトの構築費用を抑えるための最も効果的な方法のひとつは、無料のカートシステムを使用することです。例えば、小規模で開業できる無料の試ステを利用すると、初期費用を大幅に削減できます。ただし、無料のシステムには追加できるページ数や商品数に制限がある場合が多く、機能の拡張が難しいというデメリットもあります。
また、オープンソースシステムは無料で自由にカスタマイズできる一方で開発者向けであるため、専門的な知識が必要です。そのため、開発に特化したスタッフがいない企業にとっては導入が難しいこともあります。
上記の課題を解決するために、専用のサイトにログインするとすぐに使えるASPのカートシステムを利用するのがおすすめです。ASPのオープンソースは、比較的低コストでさまざまな機能を利用できるため、中小企業から高い評価を得ています。
ECモールと自社ECサイトの違いは?
ECモールと自社ECサイトは、それぞれ異なる特徴と利点を持っています。ここでは、その違いとそれぞれのメリットについて詳しく説明します。
ECモールの基本的な仕組みと例
ECモールは、複数のブランドや店舗の商品をひとつのサイトで販売するプラットフォームです。代表的な例としては、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。ECモールは、多くのユーザーを集めるために共通のマーケットプレイスを提供し、各ブランドはその中で自社の商品を販売します。
ECモールは、サイトの構築やデザインの手間がかからないため、技術的な知識がなくても簡単に出店できる点が魅力です。既存のシステムを利用するため、初期費用や開発時間を大幅に節約できます。また、ECモールは多くのユーザーを持っており、新規顧客の獲得が容易で、マーケティング費用を抑えながら販売活動を行えるのがメリットです。
しかし、ECモールはプラットフォームのテンプレートに従わなければならないため、デザインの自由度が低く、ブランドの個性を表現しにくいことがあります。さらに、独自の広告キャンペーンの展開が難しく、プラットフォーム内の広告枠を購入するには追加費用がかかります。
ECモールは提供される分析ツールも限られているため、詳細な効果測定やデータ分析が難しい場合や、販売手数料が発生することを踏まえて導入を検討してください。導入時は自社のECサイトと並行して展開し、ポイント特典などを自社ECサイトとモールで差別化することも視野に入れましょう。
自社ECサイトの特徴
自社ECサイトは企業が独自にECサイトを運営できるため、自由なデザインとブランディングが可能です。
サイトの行動やデザインを自由に制作できることで、企業は自社のブランドイメージを反映した独自のデザインを採用し、他ブランドとの差別化を図ることができます。また、自社ECサイトでは顧客データや販売データを完全に管理できるため、詳細な効果測定やマーケティング戦略の最適化が容易です。
さらに、顧客の行動や購入履歴を分析することで、ターゲットを絞ったプロモーションを展開することができます。
自社ECサイトは、サイトの構造を自由にせいさくできるだけではなく、顧客と直接コミュニケーションを取れるため、顧客ロイヤルティの向上やリピート購入の促進をしやすいのが魅力です。
メールマーケティングやカスタマーサポートを通じて、顧客との信頼関係を築くことも可能なことにくわえて、プラットフォームへの販売手数料が発生しないため、費用を抑えながら利益率を高く保ちやすい設計づくりができます。
自社ECサイトのメリット・デメリット
自社ECサイトを運営すると、企業独自のブランディングやデータ管理が可能である反面、初期投資や運営の手間がかかるという側面もあります。ここからは自社ECサイトを運用する具体的なメリットとデメリットについて説明します。
自社ECサイトのメリット
自社ECサイトを運営するメリットは以下になります。
- ブランドイメージを伝えやすい
- 顧客データを活用して運用がしやすい
- 長期的目線で見ると利益率が向上しやすい
まず、自社ECサイトでは、デザインやコンテンツを自由にカスタマイズできるため、企業のブランドイメージを効果的に伝えることができます。ブランドイメージを明確に伝えることで、他社との差別化が図りやすくなることから、顧客にブランドの印象を残しやすくなることも。
また、自社ECサイトは顧客の購入履歴や行動データを詳細に管理することができます。取得したデータはマーケティング戦略や課題のヒントになるため、データを得ながら広告配信の改善や販促を展開することで、費用対効果を高くしながら事業展開することも可能です。
さらに、自社ECサイトの売上手数料はECモールに支払う販売手数料より比較的安価な傾向にあるため、長期的目線で見ると利益率の向上を図ることも期待できます。自社の目標利益率に基づいた価格設定をしながら広告を配信することも可能なため、状況に合わせた自由な運営も行うことが可能です。
自社ECサイトのデメリット
自社ECサイトは自由に柔軟な事業を展開できる反面、以下のようなデメリットが発生することがあります。
- 初期投資が比較的高額になりやすい
- 運用と管理の手間が発生する
自社ECサイトを構築するためには、サイトのデザインや開発にかかる初期費用が必要です。また、セキュリティ対策やシステムの維持管理にもコストがかかるため、想定よりも初期費用が高額になることもあります。
初期投資の費用はカートシステムの月額費用に比例して高額になることが多く、およそ3〜40万円程度発生します。月額費用と追加で用意しておきましょう。
自社ECサイトの運営をユーザーのニーズに合わせて運営するためには、定期的なメンテナンスやコンテンツの更新、顧客対応といった多くの時間と労力が必要です。これらの作業を効率的に行うためには、専任のスタッフの用意や適切なツールの使用が求められます。
運用の管理の手間を削減するためには、使いやすいのはもちろん、広告分析のツールを簡単に連携や在庫管理などが容易にできるカートシステムを選ぶのがおすすめです。
自社ECサイトを構築する方法
自社ECサイトを構築するためには、計画的な準備と選定が必要です。以下に、具体的な手順を説明します。
事前準備と計画を行う
はじめに、カートシステムを選定する前にターゲット市場の調査や競合分析を行い、サイトのコンセプトや機能要件を明確にします。予算やスケジュールの設定もこの段階で行うと、予算超過やスケジュールの遅延を避けやすくなります。
プラットフォームの選定する
次に、使用するECプラットフォームを選定しましょう。
企業のニーズや予算に応じて、オープンソースのプラットフォームや商用のプラットフォームを選びます。選定時は、月額費用だけではなく初期費用や1件あたりの売上手数料、月額費用内でできることやサポート体制などを見ることも大切です。
デザインと開発
導入するカートシステムが決定したら、デザインと開発を進めます。各カートシステムが指定している画像のサイズに合わせてデザインを作成してください。同時にレスポンシブ対応も行いましょう。
余裕があればSEO対策のための記事コンテンツの作成を行うとリリースから集客を行いやすくなります。デザインや開発の作業を終えたら、必要な機能の実装やテストを行ってください。
サイトの公開と運用
サイトが完成したら、公開して運用を開始します。公開後は、サイトのパフォーマンスを定期的にチェックしながら、SEO対策やマーケティング活動を行いましょう。
自社ECサイトの構築には多くの手間とコストが発生しますが、ブランドの個性を生かし、データを活用したマーケティングが可能です。長期的な成功を目指す企業にとっては非常に有益です。計画的に準備を進め、効果的な運用を目指しましょう。
自社ECサイトを効率よく運用するポイント
自社ECサイトを成功させるためには、効率的な運用が欠かせません。ここでは、コストを抑えつつ効果的にサイトを運営するためのポイントを解説します。
マーケティング戦略は予算を抑えながら行う
予算を抑えながら効果的なマーケティングを行うための方法はいくつかあります。
まず、コンテンツマーケティングを活用しましょう。質の高いブログ記事や動画コンテンツを作成し、顧客に有益な情報を提供すると、信頼関係の構築やフォロワーの増加に繋がりやすくなります。また、SEO対策を施すことで、ブランド名や商品を知らないユーザーからの自然検索からの流入を増やすことも可能です。
次に、SNSを活用して広告費を抑える方法もおすすめです。FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSで発信すると、無料でターゲットオーディエンスにアプローチできます。
さらに、無料で使えるマーケティングツールを導入すると、運用費用を削減できます。例えば、Google Analyticsを利用してサイトのパフォーマンスを分析し、無料のメールマーケティングを展開するなど、多くの無料ツールを活用してマーケティング活動を効率化することができます。
無料のツールを活用するのが難しい場合は、カートシステムの月額費用内でツールを使えるサービスを選ぶこも視野に入れてください。
顧客満足度向上のための施策を行う
顧客満足度を向上させると、長期目線で広告費用を削減しやすくなります。カスタマーサポートを充実させるだけではなく、先述で解説したSNS運用などを行うとリピーターを増やしやすくなります。
あわせて、チャットボットやFAQページを活用して、顧客の疑問や問題に迅速に対応できる体制を整えましょう。
また、顧客のレビューを活用して商品開発や施策を行うことも効果的です。レビューは費用を抑えながらデータを収集できるため、積極的に活用しましょう。
データ分析と最適化を行う
ECサイトの運用には、データ分析と最適化が欠かせません。売上や広告数値の目標を設定し、定期的にデータを解析してください。例えば、訪問者数、購入率(CVR)、平均注文額などの指標を設定し、パフォーマンスを継続的にモニタリングすると、改善すべき点を明確にし、具体的な施策を講じることができます。
継続的な最適化を行うと、効率よく広告費を使ってアプローチできるため、運営効率を向上させながら無駄なく費用を使うことができます。
費用を抑えて簡単にECサイトを運用するならリピストXがおすすめ
今回はECサイトの費用面について知りたい方にむけて、事業者が用意するべき費用の概要や、広告費などを抑えながらECサイトを運用する方法を紹介しました。
費用を抑えて簡単にECサイトを運用したい場合は、リピストXがおすすめです。リピストは、最低金額以内でフォーム一体型LPを展開できることにくわえて、広告コードも管理できます。
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