カートシステムの選び方を解説!事業規模別のおすすめ機能・システムも紹介
通販サイトを開設するには、顧客がサイトにアクセスして商品をカートに入れ、決済を進めるまでの機能が備わったカートシステムを導入する必要があります。
近年、通販サイトの市場規模やニーズが拡大していることから無料のシステムから有料のものまで展開されていますが、実際に無料のものから入るべきか、また事業規模に合わせてどれだけの機能が備わっているものがいいか把握してから選びたいものです。
本記事では通販向けカートシステムの概要や失敗せずに選ぶコツや事業規模ごとに注視したい機能にくわえて、事業規模別におすすめのカートシステムを紹介します。
目次
通販向けカートシステムの種類
通販向けカートシステムは、以下4つの種類に分かれます。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに最適なシステムを選ぶことが重要です。
オープンソース型
オープンソース型カートシステムは、Web上で公開されたコードを自由にカスタマイズでき、低予算で導入可能なシステムです。代表例にはMagentoやPrestaShopがあり、中小企業や技術力のあるスタートアップに人気があります。
初期費用を抑え、機能を柔軟に追加・変更できますが、運用時はシステム開発の専門知識が必要です。導入時は開発者のリソースや人件費を加味して予算設定を行ってください。
クラウド型(ASP型)
クラウド型のカートシステムはASP型とも呼ばれています。管理画面にログインして利用し、インストール不要で即使用ができるシステムです。
代表例にはShopifyやリピストXがあります。プログラミングなどの知識不要で簡単に運用ができることにくわえて、自動アップデートやセキュリティ対策が施されること。また、運用コストが抑えられ、事業拡大時にも対応しやすいのがメリットです。
パッケージ型
パッケージ型カートシステムは、自社サーバーにインストールして利用します。代表例にはEC-CUBEやEC Orangeがあります。初期費用はかかりますが、長期的にはコストを抑えられること、また自社のセキュリティポリシーに合わせて使えることや、機能のカスタマイズも自由度が高いのがメリットです。
ただし、サポートが終わると買い替えを行う必要があるため、サポートの年数は必ず確認してから導入するようにしましょう。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、ゼロからオリジナルのシステムを構築する手法です。企業の特定要件に適応可能ですが、開発コストと時間がかかり、SEO対策も必要です。高い自由度がある一方で、手間とメンテナンスが求められます。
本記事で紹介しているカートシステムの種類の中でも自由度が高い一方で手間がかかる上に、適切なメンテナンスが必要なため、慎重に検討することが求められます。
通販向けカートシステムの選び方
近年、通販向けカートシステムはASP型を選ぶ企業が増えていますが、ASP型のシステムひとつをとってもさまざまな種類があるため、選定や見積もり、導入までのリサーチに時間を要することもあるでしょう。
効率良くカートシステムを選定したい方は以下を参考に選んでみてはいかがでしょうか。
1. 事業規模に合わせて絞る
まず、事業規模に合った予算と機能を持つシステムに絞りましょう。予算が安すぎると、事業規模が拡大したときに必要な機能が不足してしまうリスクがあります。反対に、はじめから事業規模よりも大きなシステムを選んでしまうと、初期投資や維持費が高額になり、経費がかさむ原因になることも。
現在の事業規模に合ったカートシステムを数社選び、その中から自社に最も適したものを選定しましょう。
2. 必要な機能要件を整理して選ぶ
次に、自社の方針や取り扱う商材に合わせて必要な機能が備わっているカートシステムに絞りましょう。
フォーム一体型LPの有無や広告コード発行機能、SNS連携の有無など、必要な機能を明確にして、これらに対応したシステムを選ぶことが大切です。また、単品通販から始める際も事業規模が拡大してクロスセルを狙うことを視野に入れて、商品数の制限が少ないシステムを選ぶと良いでしょう。
迷った場合は主力の商品に1〜2ページのフォーム一体型LPを作成できる、且つ1商品ずつ広告コードを発行できる程度の規模感を想定して選ぶとより自社に合うシステムを選びやすくなるでしょう。
3. コストと予算をの考慮して選ぶ
カートシステムを選ぶ際は、最低契約期間や各システムの価格と機能の違いも考慮する必要があります。短期間でのプラン変更が難しいシステムが多いため、最低契約期間は必ず確認してください。
また、多くのカートシステムは事業規模や登録商品数に合わせて2〜3種類の価格帯で提供しています。各プランで利用できる機能の差異を比較検討し、コストパフォーマンスの良いシステムを選びましょう。
導入後の運用コストも視野に入れ、トータルでの費用対効果を算出したい場合は、以下の記事も参考にしてください。
【ECサイト運用者必見】限界CPAの概念や設定方法は?広告運用向けの基礎知識を紹介 – リピスト | EC/D2Cサイト構築システム
4. レンタル事業も並行する場合はレンタル特化のものを選ぶこと
ファッションレンタルなどのレンタル事業を展開する予定がある場合は、レンタル機能に特化したカートシステムを選ぶのがおすすめです。通常の販売とは異なる機能が必要となるため、レンタル専用のシステムを導入することで、顧客の利便性を高め、運営の効率化を図ることができます。
スタートアップ企業に人気な通販向けカートシステムの機能
事業規模が小規模、且つ早急な集客を必要とする場合は、以下の機能が備わったカートシステムを選ぶのがおすすめです。以下の内容を参考にフォーム一体型LPやADコード連携機能の概要を理解し、かしこく導入しましょう。
フォーム一体型LP
フォーム一体型LPは、訪問者がページ内で商品情報を確認し、そのまま購入手続きまで進めることができるLPです。
フォーム一体型LPはWeb広告との相性も良く、特定の商品やサービスに焦点を当てた訴求が可能です。特に、サプリメントや化粧品、アパレルなど、具体的な商品の魅力をシンプルかつ強力に伝えたい企業におすすめです。
ADコード連携機能
ADコード連携機能は、広告プラットフォームとの連携を容易にする機能です。ADコードを連携することで、広告キャンペーンの成果を直接カートシステム内で確認できます。複数の広告媒体の効果測定が正確に行えることから、広告費用対効果(ROI)の改善が容易になるのがメリットです。
コールセンター連携機能・チャットボット
コールセンター連携機能とチャットボットは顧客サポートを強化します。コールセンターの内容と問い合わせ商品を連携できるため、電話とオンラインのデータを統合管理しながら応対品質を効率が向上しやすくなるのがメリットです。
チャットボットは24時間自動で対応し、問い合わせ対応のスピードを大幅に改善します。この2つの機能を導入することで、定期購入の解約トラブルやブランド毀損のリスクを避けながら、CSのリソースを削減できます。
小〜中規模の企業に人気な通販向けカートシステムの機能
社内起業で新たにブランドを構築する場合や長期目線で新規のブランドを運営する企業には、リブランディング時のリソースや広告配信時のことを考えて以下の機能が備わったカートシステムを選ぶのがおすすめです。
ここからは、小〜中規模希望に人気のカートシステムの機能を紹介します。
リブランディングに備えてカスタマイズ性が高いものを選ぶ
リブランディング時にはデザインや機能の変更が必要ですが、コードを打ち直すのは手間がかかるものです。カスタマイズ性が高く、豊富なテンプレートを提供するカートシステムを選ぶことで、迅速に対応できます。
多くの外部ツールと連携できるものを選ぶ
ECサイト運用時には、分析ツールや在庫管理ツールとの連携が重要です。希望の機能と連携可能なカートシステムを選び、導入前に必要なツールとスムーズに連携できるか確認しましょう。
大手企業向けに人気な通販向けカートシステムの機能
大手企業はセキュリティ関連のリスクやさらなる事業拡大を視野に入れて、高機能なカートシステムを選ぶのがおすすめです。
予算がありスピーディに事業を拡大できる大手企業は、カートシステム導入時から以下の機能が備わったものを選びましょう。
セキュア認証・二段階認証機能
セキュア認証や二段階認証機能は、顧客情報の保護と不正アクセスの防止に役立つ機能です。ログイン時に追加の認証ステップを設けることで、アカウントの安全性を大幅に強化できます
ECサイトは個人情報やクレジットカード情報を取り扱うECサイトでは、セキュリティ対策が不可欠なため、導入後は顧客の信頼感が向上しやすくなるのがメリットです。不正アクセスのリスクを低減し、安心して利用できる環境を提供できます。
実店舗連携機能
実店舗連携機能は、オンラインとオフラインの販売チャネルを統合して管理できる機能です。実店舗と情報を連携することで、在庫管理や顧客データの一元化が可能になり、オムニチャネル戦略を推進する上で重要な役割を果たします。
導入後はオンラインで購入した商品を実店舗で受け取るサービスや、実店舗での返品・交換を容易にすることができます。実店舗と連携することで梱包コストの削減もしやすくなるのもメリットです。
特に、アパレルブランドや家具店、家電量販店など、オンラインとオフラインの両方で販売活動を行う企業におすすめです。
越境EC機能
越境EC機能は、自社製品を海外のユーザーに向けて販売するための機能です。多言語対応や多通貨対応にくわえて国際配送オプションを利用できることから、海外市場への進出を容易にします。
導入後は、国内市場だけでなく、海外市場にも販売チャネルを広げることで、売上の増加が期待できるのもメリットです。この機能は、ファッションブランドや化粧品ブランドなど、海外展開に需要がある企業におすすめです。
事業規模別 通販向けカートシステム
ここから事業規模別に人気のカートシステムを紹介します。本記事で紹介しているカートシステムは導入企業も多く、セキュリティ面なども安心して使えるものになります。ぜひ参考にしてください。
スタートアップ企業に人気のカートシステム
スタートアップ企業においては、コストパフォーマンスが良く、機能が充実しているカートシステムが求められます。以下は、スタートアップ企業に人気のカートシステムになります。
カートシステム名 |
特徴 |
料金プラン(月額) |
フリープラン |
Shopify |
初期費用無料、豊富なテンプレート、簡単な操作性 |
月額3,650円 月額10,100円 月額44,400円 2,300ドル ※年払いの場合 |
あり (3日間) |
BASE |
無料プランあり、シンプルな操作性、初心者向け |
月額16,580円 |
あり |
STORES.jp |
無料で使い始められる、デザイン性が高い |
月額2,980円 |
あり |
Shopifyは、商品登録数が無制限なことや、豊富なテンプレートと簡単な操作性が特徴の、世界的に有名なカートシステムです。分析時も60種以上のレポートにアクセスして分析できるため、出店時からマーケティングに力を入れたい企業にも人気です。
BASEは無料で始められるシンプルなカートシステムです。キャリア決済やあと払いPayIDといった決済手段が豊富なため、年齢層が幅広い商材を取り扱うブランドに人気。月商50万円以上の企業に人気のグロースプランも利用できるため、無料のカートシステムでテスト販売から始めたい企業にもぴったりです。
STORES.jpも無料で使い始められるカートシステムで、カジュアルで若年層に馴染みやすいデザイン性のテンプレートが豊富です。シンプルな操作で簡単におしゃれなオンラインストアを構築できるため、Webサイトに慣れている社員が少ない企業でも安心して導入できます。有料のベーシックプランに切り替えると決済手数料を5%から3.6%に抑えることも可能です。
小〜中企業に人気のカートシステム
小〜中企業では、より大きな事業規模になった時に備えられ得る機能性と拡張性を兼ね備えたカートシステムが求められます。以下は小〜中企業に人気のカートシステムになります。
カートシステム名 |
特徴 |
料金プラン |
フリープラン |
リピストX |
定期購入に強く、カスタマイズ性が高い。大手にも対応 |
39,800円 79,800円 148,000円〜 |
なし |
MakeShop |
多機能、高いセキュリティ、多数のテンプレート |
12,100円 60,500〜 |
なし |
W2 Unified Commerce |
オープンソース、カスタマイズ自由度が高い |
無料〜 |
なし |
リピストXは、定期購入機能とマーケティング力に強みを持つカートシステムです。スタートアップ企業や大手企業にもニーズがありますが、小中規模特にも人気があります。フォーム一体型LPの制作が簡単なことにくわえて、広告運用時のセキュリティ面も安心。代理店向けの権限を発行してデザインや広告の修正ができるため、委託会社とのやりとりもスムーズに行えます。
MakeShopは、多機能で高いセキュリティを提供し、豊富なテンプレートから選べます。中規模のECサイトに最適で、サポート体制も充実しています。文章生成機能があるため、サイトの運用リソースを抑えたい企業におすすめです。
W2 Unified Commerceは、オムニチャネル対応の統合型カートシステムです。ECサイトと実店舗のデータを一元管理できる点で、顧客体験を向上させることができます。リアルタイム店舗の在庫表示機能もあるため、オンラインと店舗の在庫を効率よく管理したい企業に人気です。
大手企業に人気のカートシステム
大手企業はセキュリティや業務を効率化できる機能が求められるため、信頼性の高いカートシステムが人気です。以下は、大手企業に人気のカートシステムになります。
カートシステム名 |
特徴 |
料金プラン |
Salesforce Commerce Cloud |
グローバル対応、高度なカスタマイズ、大規模トラフィックに対応 |
要問合せ |
Magento Commerce |
Adobe製品との連携が可能、B2Bにも対応 |
要問合せ |
Salesforce Commerce Cloudは、グローバル対応化もしている大手企業に人気のカートシステムです。一人ひとりのユーザーにショッピングアシスタントを入れられるため、LTVをしっかり上げたい企業にもおすすめ。
Magento Commerceは、Adobe製品と連携ができるカートシステムシステムです。Adobe社が展開しているCRMシステムを連携してマーケティングを効率よく行えます。また、AIと機械学習を使ってコンテンツなどをパーソナライズすることも可能です。
通販カートシステム導入の成功事例
本記事ではECサイトを簡単に作れるカートシステムの基本知識や事業規模別におすすめのシステムを紹介しました。以下は、リピストXの導入事例になります。今回は、スタートアップ企業と中小企業の事例を掲載しました。
MRB株式会社
MRB株式会社は、美容商材などを展開する企業です。OEM事業を行う企業が社内ベンチャーとしてD2Cブランドを立ち上げるためにリピストを導入し、初の自社ECサイト立ち上げを短期間で実現しました。
導入後はWMS(倉庫管理システム)との連携により業務効率化を達成し、少人数でもスムーズな運営を実現しています。
スタートアップの生命線!化粧品上場企業の社内ベンチャーがリピストを選んだ理由(MRB株式会社) – リピスト | EC/D2Cサイト構築システム
株式会社スイセイ
株式会社スイセイは50年間、実店舗で肝油サプリメントを販売していましたが、EC販売にシフトした後、リピストを導入しています。
導入前は基幹システムと一緒にシステムを使用していましたが、導入後、前年比の売上が大きく向上しました。ECモールと自社の通販サイト、ともに売上が向上しています。
システムに使うコストだけではなく運用リソースの削減も成功し、現在は効率よくサイトの広告運用や分析を行えています。
50年の実店舗販売からECへシフト!その結果とは?(株式会社スイセイ) – リピスト | EC/D2Cサイト構築システム
カートシステム導入後の注意点
カートシステムは導入した後はスケジュールを管理しながら運用するのはもちろん、トレンドや事業規模などに合わせてマーケティングを行うことが大切です。最後にカートシステムを導入した後に気をつけたい注意点を紹介します。
システム導入後の初期設定はスケジュールに余裕を持つこと
カートシステム導入後の初期設定は、システムの設定やカスタマイズ、商品の登録、決済方法の設定など、多くのタスクが発生するため、スケジュールに余裕を持って行いましょう。
これらの作業を急ぎすぎると、設定ミスやトラブルが発生する可能性があります。初めて導入する場合は、予想以上に時間がかかることを視野に入れてください。
定期的にマーケティングの見直しを行うこと
カートシステム導入後も、定期的にマーケティング戦略の見直しをしましょう。
例えば、季節ごとのプロモーションや新商品の投入や広告キャンペーンの最適化などを定期的に検討し、実行に移すことが必要不可欠です。定期的に新しい施策を行うことで、顧客のニーズに迅速に対応し、競争力を維持することができます。
顧客フィードバックをもとにサイトと商品を改善すること
顧客フィードバックは、サイト運営や商品改善のヒントになります。顧客からの意見や要望を積極的に収集し、サイトの使いやすさを向上させたり、商品ラインナップを充実させたりしましょう。
例えば、購入後のアンケートやレビュー、カスタマーサポートを通じたフィードバックを活用することで、具体的な改善点を把握し、迅速に対応することができます。
SEO対策・SNS運用も並行すること
カートシステムの導入と同時に、SEO対策やSNS運用を並行して行うことも大切です。検索エンジン最適化(SEO)で、自然検索からの流入を増やすことで、サイトのアクセス数を増加させることができます。
また、SNSを活用してブランドの認知度を高めつつ商品情報の発信やキャンペーンの告知を行ったり、顧客とのコミュニケーションを強化したりすることも重要です。
事業規模に合わせて長期で使えるカートシステムはリピストXがぴったり
今回は通販サイトを開設できるカートシステムを効率よく選びたい企業にむけて、カートシステムに関する基礎知識やおすすめのシステム、そしてスタートアップ企業から大手企業で使われているリピストXについて解説しました。
イノベーションやトレンドの変化が激しい昨今は、ビジネスを急速に拡大しやすくなっています。リピストXは、はじめて通販サイトを開設する企業から大手企業までが使いやすい機能を兼ね備えたシステムを提供し、多くの企業の売上向上に貢献しています。
気になる方はぜひ以下のリンクからお問い合わせください。
EC通販に精通したプロがお答えいたします。