定期通販に向いているカートシステムは?選び方や人気のカートシステムを紹介
近年、ECサイトの需要が高まり多くの企業が定期通販向けのカートシステムを展開しています。
各社、さまざまな顧客管理や決済機能のあるものやデザインのカスタマイズ性が高いものを展開していますが、事業の展望に合わせてより合うものを選びたいものです。
この記事では定期通販でカートシステムを乗り換え・導入を検討している企業に向けて、カートシステムの種類や失敗せずに選ぶコツなどを紹介します。
目次
定期通販でカートシステムを使うメリット
システムの導入は、ブランドの未来や事業計画が変わるからこそ慎重になりたいものです。
まずは定期通販でカートシステムを利用すると得られるメリットをチェックしてみましょう。
顧客管理(CRM)が容易になる
カートシステムを利用すると、従来まで行っていた顧客管理がより容易になります。
顧客の名前や住所だけではなく、各顧客の利用金額や顧客一人あたりの平均売上なども算出できるため、戦略を考える時間コストも削減できるのです。
クーポンやメルマガ発行などを手軽に行える
各カートシステムには顧客ランク機能という、利用金額の範囲を決めて顧客をランク付けして管理できる機能があります。
各ランクの会員数や割合を算出してポイント付与や割引率の設定を行ったり、リピーター獲得のために一定のランクの会員のみにクーポンやメルマガ発行も行えます。
顧客が買い物しやすいシステムを構築できる
通販サイトで売上を維持するためには、顧客が快適に買い物できるシステムも大切です。
定期通販用のカートシステムはページ遷移の少ない購入申し込みのフォームとLPとが一体となったページの設計や、多岐にわたった決済システムとの連携できる機能もあります。
Webサイトの構築や制作の知識がなくても簡単に使えるため、多大な時間をかけずに利便性の高いシステムを構築できるのも魅力です。
定期通販に対応したカートシステムの種類
市場で展開されている定期通販用のカートシステムは以下4種類のシステムがあり、平均利用価格や使える機能、適した規模感が異なります。導入や切替を行う前にそれぞれの違いを把握して、事業形態や規模に合うものを選びましょう。
フルスクラッチ型
一からカートシステムを設計して、ECサイトを構築していくスタイルのカートシステムをフルスクラッチ型といいます。
社内にリソースがない場合、システムやサイト制作を行う会社に依頼して構築する必要があるため人件費や制作費がかかりますが、好みのデザインや機能を全てカスタマイズできるのがメリットです。
大規模の定期通販サイトや稼働後の運用コストや人員を確保できる場合は、フルスクラッチ型がおすすめです。
パッケージ型
専用のECサイトを構築するパッケージをダウンロードして、自社内のサーバーで運用するタイプのカートシステムをパッケージ型といいます。
初期費用やサーバー代がかかるため、導入時に予算を多めに用意する必要がありますが、フルスクラッチ型よりもコストがかからずに容易にデザインや設定をカスタマイズできます。
システムやサーバーを運用するスキルをパートナー会社や社内で確保できる場合は、パッケージ型がおすすめです。
オープンソース型
無料で公開しているシステム構築に必要なソースコードを利用して構築するカートシステムをオープンソース型といいます。
公開されたソースは自由に拡張機能などを追加したりデザインをカスタマイズできるものが多く、また低コストで利用できます。
専門的な知識を有するエンジニアや不具合時すぐに対応できる人員リソースが必要ですが、手軽に自社の好みや方針に合うカートシステムを利用したい企業におすすめです。
ASP型(ショッピングカート型)
ASP型は近年増加しているカートシステムです。クラウド上に展開するシステムを月額料金を支払って利用します。
ASP型は各社が用意した雛形をもとにサイト制作を行うため、他3つのスタイルよりカスタマイズ性は低くなりますが、システム開発やサイト制作の専門知識がなくても簡単にカートシステムを構築できるのがメリットです。
単品の商品から定期通販を始めたい企業や、月額数万円からのコストでECサイトを構築できるシステムから利用したい企業にはASP型がおすすめです。
定期通販向けカートシステムを選ぶコツ
定期通販で利用するカートシステムは、事業転換や新商品の追加に対応できるものを選びたいものです。
ここからは、カートシステム選びで失敗しないためのコツを紹介します。
カートシステムを初めて利用する方は、以下の5点を踏まえながら選んでみてください。
単品→定期購入への訴求機能があるものを選ぶ
定期通販を展開すると、商品を単品購入から商品を試す顧客も多くいます。
単品から定期購入への引き上げ訴求を行うのは売上向上のために必須ですが、一人ひとりの顧客情報にアクセスして訴求を行うのは多大な時間コストがかかりますよね。
定期通販を行う時は、カートシステム内で単品購入のみを行っている顧客情報を見れる、且つ定期購入を促すメルマガやクーポンの配布などを行う機能のついたものを選ぶようにしましょう。
デザインのカスタマイズが簡単なものを選ぶ
ECサイトやLPのデザインは顧客にブランドや商品イメージをより良く見せる、また使いやすいサイトを設計するための要素になります。
顧客目線で利用しやすく、見やすいECサイトを構築するためには、デザインやUIのパターンを選べるカートシステムや、運用後に社内で簡単にカスタマイズできるものを選ぶのがおすすめです。
不安な方は検討システムのデモ画面に触れてから選びましょう。
決済手段の対応が豊富なものを選ぶ
近年、電子決済やクレジットカード利用者が増えていますが、これらの決済手段を使っていない方も多くいます。
顧客のライフスタイルに合わせて決済をおこなえるように、対応決済手段が豊富なカートシステムを選びましょう。
また、コンビニ決済や銀行振込決済に対応すると、クレジットカードなどを所有できない年齢の方にターゲット変更するのも容易になります。
電子決済、カード決済、現金決済の3種類を一通り揃えておくと安心です。
広告管理機能がついているものを選ぶ
ブランドの拡販は口コミやSNSだけではなく、アフィリエイトや広告配信も行う必要があります。
しかし、各広告の管理画面にアクセスしたり、異なる媒体のデータを見比べて戦略を検討するのは手間がかかりますよね。
さまざまな媒体の広告配信データを管理できる機能がついたカートシステムを選ぶと、マーケティング戦略がよりスムーズになります。
現在広告を運用している企業も、乗り換えや導入前に管理機能に対応した広告を見ておくと安心です。
予算は事業規模と商品数で決める
カートシステムを決めるときは先述でお伝えしたシステムを種類の違いや機能も見つつ、予算を決める必要があります。
予算を決める時は、事業規模に見合う予算や、現在の商品数と今後展開したい商品の数に対応しているかを見て決めましょう。
スタートアップなどで事業規模の変化が不透明の場合は、商品数に合わせて利用料金を変更できるカートシステムを選ぶと安心です。
定期通販で人気なASP型カートシステム4選
定期通販でカートシステムを導入すると事業スピードが上がりやすくなり、マーケティング戦略も練りやすくなりますが、初めて導入する時は使いやすくて導入社数が多いものを入れたいと思う方も多いでしょう。
ここからは社内に開発リソースがなくても手軽に導入できる、人気のASP型カートシステムを4つ紹介します。
リピストクロス
リピストクロスは株式会社リピストが運営するカートシステムです。
サポートやCRM、広告管理など運営支援機能も充実しています。
料金プランや対応規模が幅広いため、事業拡大や転換時にカートを乗り換えずに利用したい企業におすすめです。
カラーミーショップ
カラーミーショップはGMOペパボ株式会社が運営するカートシステムです。
2022年10月から定期購入に対応。簡単にECサイトを構築できることから多くの方に人気を集めています。
月額料金はフリー、レギュラー、ラージプランの3種類があり、1万円以下で使えるのが魅力です。
カスタマイズ性よりもシンプルさや分かりやすさを重視したシステムですが、比較的安価で簡単に操作可能。
初めてECサイトを構築する企業や、テスト感覚でSNSのショップ機能からサイトの構築に切り替えたい企業に人気です。
たまごリピート(旧:たまごカート)
たまごリピートはテモナ株式会社が運営するカートシステムです。
定期通販に特化していることを強みにしており、カートシステムや顧客分析以外にもコールセンターとの連携機能もついています。
料金プランはASPとゴールドの2種類があり、49,800円から利用可能。
ゴールドプランの場合はショップ追加もできるため、複数ブランドを立ち上げることを視野にしている企業にもおすすめです。
ecforce
ecforceは株式会社SUPER STUDIOが運営するカートシステムです。
カスタマイズ性が高く、ブランドイメージに合うデザインや色合いにより寄せたECサイトが構築可能。
流通売上が数億円以上の規模感の企業にも対応しています。
月額料金はスタンダード、エキスパート、移行プランの3種があり、各社ごとに見積もりをしたプランで利用できるため、規模感にフィットした予算で利用シたい方におすすめです。
チャットボットや外部連携にも幅広く対応しているため、近年の顧客目線に合わせたサイト設計も行えます。
定期通販向けカートシステムは事業計画を見ながら選ぶこと
今回はカートシステムの導入や乗り換えを検討する企業に向けて、カートシステムを利用するメリットや種類の違いにくわえて、多くの企業が導入している人気のカートシステムを紹介しました。
近年、多くのツールが増えていますがカートシステムへ投入できる予算や機能、今後の事業展開を見越して選ぶことが大切です。
各社のデモ画面などを見て、自社に合うカートシステムを選んでください。