食品をECサイトで販売する手順や運用時のポイント・成功事例を紹介 - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

食品をECサイトで販売する手順や運用時のポイント・成功事例を紹介

食品を販売するECサイトの市場規模は2022年地点で2兆7,505億円になっており、国内・海外ともにECサイト化に対応する食品販売会社が増加傾向にあります。

また、近年は配送業界のDX化やECサイトの開設・運用の障壁が比較的下がっていますが、それでもECサイトを開設するための知識やノウハウ、運用方法などが分からず、導入するのにがおっくうに感じている企業も少なくありません。

本記事ではECサイトの開設を検討する食品販売会社にむけて、ECサイト開設時に必要な基本知識や運用が便利になる機能にくわえて、リピストXの導入事例などを紹介します。

食品ECサイトを開設する前に知りたいこと

食品ECサイトを成功させるためには、事前に必要な知識を得ながら準備を行うことが大切です。

まずは、ECサイトを開設する前に確認しておきたいポイントを解説します。計画段階での疑問や不安を解消し、効率的かつ効果的にサイトを開設できるようにしましょう。

食品ECサイトを開設できるカートシステムの概要を知る

ECサイトはカートシステムというユーザーが商品を購入し、決済を行い事業者が配送を行うまでのシステムを組み込むツールを使用しなければなりません

カートシステムは主にゼロから作り上げるフルスクラッチや安価で使えてカスタマイズ性が高いオープンソース、ソフトを購入するパッケージ型ASP型のものがあります。

大手企業ではフルスクラッチを導入する企業もありますが、近年では利便性やコストパフォーマンスの観点から、ASP型のカートシステムが多くの企業に選ばれています。そのため、はじめて食品ECサイトを立ち上げる方にもASP型のカートシステムがおすすめです。

営業許可に必要な申請の手順を知る

食品をオンラインで販売するためには、食品衛生責任者の用意や条件に沿った営業施設や製造施設の用意、厚生労働省が用意しているHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を行わなければなりません。あわせて、食品衛生法に沿って、保健所営業許可を申請する必要があります。以下のことを行うことを視野に入れて準備を行ってください。

  • 食品衛生責任者を1人決めて製造施設の確認の相談を行う
  • 各自治体が用意する営業許可申請を行う(営業許可申請書、営業設備の大要や配置図、登記事項証明書などを用意、食品衛生責任者を証明する食品衛生責任者手帳などを用意)
  • 保健所の担当者と施設検査の打ち合わせを行う
  • 施設の確認検査を行う
  • 営業許可書の交付を受けて営業開始

参照:営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報|厚生労働省

上記の準備はサイトの開設の準備と並行して準備を行いましょう。また、上記の準備が難しい場合は食品OEMを選ぶのもおすすめです。

自社ECサイトとECモールの違いを知る

食品をインターネットで販売する方法は自社ECサイトを使う方法と、既存の大手通販サイト(以下、ECモール)があり、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。

以下の内容を確認しながら自社に合う販売手段を選びましょう。

自社ECサイトのメリットと運用時の注意点

自社ECサイト運営の最大のメリットは、自社に合わせたサイトデザインやブランディングのコントロールが容易なこと、また顧客データを細かく取得することが可能なことです。

サイトデザインを細かく設定できることでトレンドやユーザーの趣味嗜好に合わせたアプローチができるのはもちろん、ブランドイメージの毀損をふせぐことができます。

また、顧客データを細かく取得することで顧客体験を細かくカスタマイズし、ロイヤリティを高めることが可能になります

しかし、成功するためにはサイトの維持管理やマーケティングなどのリソースが発生することも。最低限の運用リソースの確保を行いつつ、マーケティングが容易にできるツールを揃えたカートシステムを選ぶのがおすすめです

ECモールを活用するメリットと運用時の注意点

ECモールで商品を販売するとあらかじめ顧客が一定数いる環境で商品を販売できるため、集客が比較的容易な傾向にあります。また、初期投資や運用コストを大幅に削減し、既存の顧客流れを利用して迅速に販売を開始することができるのがメリットです。

ただし、レコメンド機能や検索機能に競合の商品が掲載されることから、商品の差別化戦略や価格競争に注意を行う必要があります。

また、ECモールは自社ECサイトと比較するとサイトの効果測定や数値の割り出しが難しいことがあるため、細かいマーケティングが難しく感じることも。そのため、ECモールの出店と自社ECの運用と並行して行うのがおすすめです。

ECモールと自社ECの両方で商品を販売する場合も、運用方法を工夫しましょう。ECモールで商品を販売しつつ、公式LINEやSNSなどを運用して自社ECに遷移を誘導したり、自社ECのみの特別施策を行ったりすることも視野に入れてください。

ECサイト運営に必要なマーケティング施策を知る

実店舗を運営する際にはポスティングやチラシ配布、看板広告やマス広告を利用して集客を図りますが、ECサイト運営においても同様に集客のための施策が必要です。単にECサイトを開設しただけでは、潜在顧客にサイトの存在を知ってもらうことは難しいため、効果的なWeb広告の運用が求められます

ECサイトを開設するときは、リスティング広告やSEO、SNS広告やSNSアカウントの運用を行って、顧客層にアプローチすることも視野にいれてください。Web広告の施策を活用すると、サイトの認知度向上と集客を目指せます。また、運用時は随時数値を集計して効果測定を行い、広告やSNSのクリエイティブ改善に努めましょう。

ECサイト運営時の利益率を知る

ECサイトの運営時の、利益率は事業の持続可能性を見るための重要な指標です。食品ECサイトの場合、市場や商品の種類によって適切な利益率は変動しますが、業界平均としては15〜20%の利益率が必要とされていると言われています。

利益率の計算には、商品開発費や売上はもちろん、物流費や広告費などの変動費、そしてサイト運営に関わる固定費を差し引いた後の純利益を売上高で割ることで求められます。近年はサイト運営やSNSの運用のツールは無料のものも幅広く展開されています。

ECサイト開設時に各ツールの概要をリサーチして、費用削減に努めながら想定利益率と実際の利益率に向き合いましょう。

利益率の計算方法などを知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

ECサイトの利益率目安はどのぐらい?考え方や利益を上げる方法を解説 – リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

食品ECと相性が合う販売方法を知る

食品を扱うECサイトを運用する時は、販売方法を工夫することも大切です。

販売方法は単品で購入できる単品販売や一定のサイクルで商品を自動で発送する形で販売する定期購入、会費を支払ったユーザーに定期的にさまざな商品を提供する頒布会や、月額費用を支払うとサービスが使い放題になるサブスクリプションモデルなど、さまざまな販売方法が存在します。

例えば、新鮮な食材や賞味期限が短い商品を販売する場合は、迅速な配送が可能な単品販売や短いサイクルで設定できる定期通販を選択するのがおすすめです。一方、商品数が多い場合や複数商品を定期的に注文する顧客が多い場合は頒布会がおすすめといえるでしょう。

商品の特性や配送方法、賞味期限までの期間を考慮して、最適な販売方法を選定することが事業成功の鍵となります

運用後に起こり得る課題と解決方法を知る

ECサイトの運用開始後には、ユーザーサポートの対応だけでなく、競合との差別化やブランディングの強化といった課題に直面します。これらの課題を解決するためには、あらかじめ顧客のフィードバックを積極的に収集できる環境の整備や、サイトのユーザビリティの改善や商品ラインナップの最適化を図れるカートシステムを選ぶことが大切です。

さらに、食品ECを運営すると発送時期や商品訴求の方法が課題に挙がることもあります。

後述の見出し「食品EC運営時に起きやすい課題と解決策は?」を参考にして対策を行いながら、サイト開設時からスムーズな運用ができるよう準備を行ってください。

食品EC運営のためのカートシステムに必須の機能

食品ECサイト運用方法は、選んだカートシステムの機能によっても変わります。そのため、ユーザーのニーズに応えて、事業者の販売戦略をサポートするカートシステムを選ぶことが大切です。

特に、定期販売や頒布会などの柔軟な販売方法のサポート、ユーザーの好みに合わせた商品のパッケージング、冷蔵・冷凍配送の対応、そしてギフトパッケージ機能は、食品ECサイト運営において特に重要な機能と言えます

定期or頒布配送などの注文機能

食品ECサイトでは、単品販売のほか、定期販売、サブスクリプション、頒布会などの販売方法があります。これらの中でも、定期販売とサブスクリプション、頒布会機能を提供するカートシステムの選択が推奨されます。

定期販売は、特定の商品を定期的に配送するサービスで、継続的な顧客基盤を築きやすい点で人気があります。一方、頒布会は季節ごとや月ごとに異なる商品を届けるサービスで、新しい商品の発見を楽しみたいユーザーに人気です。定期販売と頒布会、サブスクリプションは、事業者によっては顧客ロイヤルティの向上に寄与するため、特に食品業界での導入がおすすめです。

ユーザーの好みのパッケージを選んで注文できる機能(よりどり機能)

食品販売時はユーザーの好みやアレルギーへの配慮は必要不可欠ですよりどり機能を持つカートシステムを導入することで、顧客は自分の好みや食生活の変化に合わせて、加工食品や野菜、果物などを組み合わせて購入することが可能になります

例えば、「3個で1,000円」といった形で好きな商品を選べるようにすることで、顧客満足度の向上や離脱の防止につながります。

冷蔵・冷凍配送の対応も見ると安心

食品の種類によっては、冷蔵や冷凍での配送が必要になる場合もあります。冷蔵・冷凍配送に対応しているカートシステムを選ぶことで、加工食品や精製食品を含む幅広い商品の販売が可能になり、将来的な商品展開の幅も広がります。冷蔵・冷凍配送に対応していない場合は、カートシステム提供企業に倉庫の対応状況を確認し、必要に応じて対策を講じることが推奨されます。

ギフトパッケージ機能があると需要拡大も可能

ギフトパッケージ機能は、商品をラッピングして取引先やプレゼント先に直送できるサービスです。内祝いやお歳暮、お中元など、季節のイベントや記念日に合わせたニーズに応えることができます。

特にお菓子を販売する事業者や、プレゼント購入の需要が高いZ世代〜30代をメインターゲットとする事業者には、ギフトパッケージ機能の導入が顧客の利便性を高め、需要拡大につながるでしょう。

また、より掘り下げてカートシステムの選び方を知りたい方には以下の記事を参考にするのもおすすめです。

ECカートシステムの違いは?無料・有料サービス比較のコツを紹介 – リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

食品EC運営時に起きやすい課題と解決策は?

食品ECサイトを運営していると多くの可能性を掴みやすくなる一方で、集客の難しさ、競合との差別化、新たなタスクの発生といった課題に直面します特に食品業界では、商品の鮮度や配送の速さが重要な要素となることも

以下に記載した各課題の解決策を事前に理解し、計画段階で対策の準備を行うことで、ユーザー目線のサービスを提供できるようになります。

配送に期間を要してしまい実店舗に負けてしまう

ECサイト運営の大きな課題の一つは、注文から商品到着までの時間です。多くの場合、この期間は2営業日以上となりがちです。これに対し、実店舗では即座に商品を手に入れることができ、また、大手スーパーマーケットでは即日配達を提供している場合も増えています。

上記の課題を抱える場合は、ECサイトは商品の独自性や競合にはない特別な価値を提供することで差別化を図る必要があります。例えば、特定の地域や生産者から直送する独特の食品を扱う、購入者への特別なサービスを提供するなどが考えられます。

鮮度が落ちてしまうことを懸念されてしまう

食品の鮮度はユーザーにとって重要な判断基準のひとつです。物流との連携を強化し、商品が最短で届くようにすること、賞味期限や生産物の詳細な説明をサイト上で行うことで、消費者の懸念を和らげることができます。

また、鮮度に関する顧客の質問に迅速かつ正確に回答できるカスタマーサポートの体制を整えることも大切です。コールセンターの連携やチャットボットサービスの設置も行い、リソースをおさえながら対応してください。

ECサイトで味や香りの良さが伝わらない

パッケージやサイトのデザイン、写真などを通して食品の味や香りをオンラインで伝えることは比較的難しいと言われており、実店舗のように試食や試飲ができないことで売上に伸び悩んでいる企業も多くいます。

そんな時、モニター施策やアフィリエイト、インフルエンサーを活用した施策を利用すると、第三者目線で商品の食感や味、感想をすることで、消費者に対して商品の魅力をより具体的に伝えることが可能になります。

また、インフルエンサー施策を利用する時は特別なコードを発行し、どのインフルエンサーからの紹介でどれだけの注文があったかを追跡できるシステムを導入するのがおすすめです。各インフルエンサーのリンクからの流入数や購入数をたどることで施策の効果測定やマーケティングも容易になります。

上記の課題を事前にこれらの問題に対する解決策を準備し、計画的に対応することで、食品ECサイトを上手く運用してください。

リピストXを導入した食品ECサイトの事例

ここからはリピストXを導入して事業拡大やLTVの向上に成功した食品ECサイトの事例を紹介します。

江戸一(株式会社江戸一飯田)

 

江戸一は創業107年の老舗の佃煮屋で、築地での実店舗と自社ECサイトで商品を販売しています。食文化の変化にあわせて佃煮以外に果物を炊いた商品や個性的な味付けの佃煮などを開発・販売する中でECサイトでの販売を始めました。

当初はコーポレートサイトの内容に留まっていたサイトをECサイトに変更。支払い方法が着払いと現金振込のみだったサイトをリピストXを使用してリニューアルしました

社内にデジタルの文化が浸透しておらず、運用面に不安があった中でもできることから行い、社内で使い方を学びながら導入。導入後は納品書や送付状なども自動で作成できるようになり、作業効率の向上に成功しています。

まるもち家(株式会社京都丸餅家)

まるもち家は京都府の伏見稲荷大社付近の実店舗と自社ECサイトで商品を販売している和菓子店です。SNSで26万以上のいいね!を獲得した水まる餅などを展開しており、創業時から高い人気を博しています。

まるもち家は別のオープンソース型のカートシステムからリピストXに移行する形で導入を行いました。導入前に行ったSNS施策が好調だった一方でその後のリピート施策に手が回らず、CRM施策のリソース不足に課題を感じてリピストを導入しています。

導入後は、導入前に実装できなかった会員登録機能がつけられたこと、また、頻発していた決済エラーを解消できました。さらに、まるもち家の商品と相性が良いインフルエンサー施策も、インフルエンサーごとに広告コードを発行して集計しながら行ったことで、ギフティング戦略の速度と精度の改善に成功しています。

食品ECサイトの開設・運営は小規模から使える「リピストX」がおすすめ

今回は、ECサイトを開設し売上拡大を図りたい企業にむけて、食品ECサイトの開設前に知りたいECサイトの基本知識や事業展開までに行うべきことにくわえて、運用中に起きることが多い課題やリピストXを導入した食品会社の成功事例を紹介しました。

食品は化粧品や雑貨、サプリメントと比較すると見た目や味、香りのイメージを伝えることや、衛生面を徹底しながら商品を開発して届けることがポイントとなります。本記事で紹介した内容を参考にしながら、ユーザーにイメージを伝えられる、また柔軟に注文を行えるユーザビリティにあふれたECサイトを開設してください。

また、リピストXは先述で事例で紹介した2社のように、実店舗とECサイトのマルチチャネルで展開している企業にも人気となっています。食品と相性の良いインフルエンサー施策やSNS施策、定期販売にくわえて近年CVR(購入率)の向上に向いていると言われているフォーム一体型LPも使えるシステムです。

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