【事例考察】成功している化粧品通販(EC)はどんな取り組みをしているの? - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

【事例考察】成功している化粧品通販(EC)はどんな取り組みをしているの?

通販の施策、取り組みは多岐に渡り、さまざまな情報が飛び交っています。効果的な施策もあれば、話題になっているだけで実際にはほとんど効果が得られないものまで、どんな施策を行うべきかという情報は玉石混淆の状態です。

これらを選別し、効率的に有効な施策を行っていくのは非常に難しいことなのですが、すでに成功しているサイトの施策を調べることで、どのような施策が有効なのか、そのアウトラインが見えてきます。今回は成功している化粧品通販サイトの取り組みがどのようなものかを見ていきましょう。

化粧品ECの市場規模とEC化率は?

ec market size
まずは化粧品ECの現状を把握するために、市場規模とEC化率についてデータを見ていきましょう。

化粧品ECの市場規模はまだまだ発展途上

経済産業省が行った2018年度の調査によると、化粧品・医薬品分野のEC市場規模は6,136億円で、前年比の8.21%(5,670億円:2017年度)増となっています。同分野だけを見ると高い成長水準を保っているように見えますが、他分野と比較すると違った一面が見えてきます。

分類 市場規模(2018年度) EC化率
化粧品、医薬品 6,136億円 5.80%
食品、飲料、酒類 1兆6,919億円 2.64%
生活家電、AV 機器、PC・周辺機
器等
1兆6,467億円 32.28%
書籍、映像・音楽ソフト 1兆2,070億円 30.80%
生活雑貨、家具、インテリア 1兆6,083億円 22.51%
衣類・服装雑貨等 1兆7,728億円 12.96%
自動車、自動二輪車、パーツ等 2,348億円 2.76%
事務用品、文房具 2,203億円 40.79%

上記は商材の分類ごとに市場規模とEC化率をまとめた表ですが、他の商材では1兆円超えの市場規模をほこる分野も少なくありません。単純計算でも化粧品ECの約2倍の規模で、同分野がまだまだ発展途上の業界であることが分かります。

また、商品を購入する際にECを利用した割合を示すEC化率は5.80%と、こちらも大きく遅れを取っています。

参考サイトはこちら→平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

実店舗の販売網が依然として強い

市場規模・EC化率ともに多分野と比較して遅れを取る化粧品ECですが、その理由はどこにあるのでしょうか?

最大の理由は、実店舗の販売網が強固だということ。化粧品は百貨店や専門店で販売員に相談したり、試供品を試したりして購入を決める方法が定着しています。また、ドラッグストアやコンビニなどで「プチプラ」商品が手軽に手に入る状況も、EC市場の拡大を遅らせる原因となっています。

化粧品ECでの成功を目指すのであれば、こうした実店舗とは違った魅力やアプローチを提供することで、ユーザーを獲得していくことが求められるでしょう。

事例1.MIMC(エムアイエムシー)

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では、ここからは化粧品ECの中でも成功事例として挙げられる2つの事例をご紹介していきます。

まずご紹介するのが、MIMC(エムアイエムシー)です。

充実したレビュー情報

mimc レビュー

化粧品を通販で買う際は、他ジャンル以上にレビューが有益な情報源になっているのは間違いありません。

MIMCの場合は、レビュー投稿者自身のお悩みや商品の使用感、合わせて使っている商品についてなど、質のいい顧客がついているのだろうと感じる良質なレビューが多く集まっています。

サイト運営側では、レビュー投稿を促進するために月替わりで現物の商品をプレゼントするキャンペーンを実施。メルマガ内に毎回「今月はこの商品がプレゼントです」というお知らせが記載されているのも、ボディーブローのようにレビュー収集に効果がある施策です。

メルマガやLINEを販促に活用している

MIMCからはそこまで頻繁にメルマガが配信されている印象がありませんでしたが、確認したところ多少のバラつきはあるものの、3?4日に1通程度配信されています。無意識のうちに、思ったより頻繁にMIMCという文字を目にしている状態でした。

メルマガは、7?8割はテキスト配信、シーズン立ち上がりのイメージ発表やカゴに商品を入れたまま決済が完了していないときにお知らせをくれる自動配信のリマインドメールなどはHTMLで届きます。

また、LINEを活用している点もMIMCの特徴の1つ。メルマガより早くお知らせが届くので、LINEから購入するユーザーも少なくありません。

事例2.アマルディア化粧品

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次にご紹介するのが、アマルディア化粧品です。

こちらも、オリジナル商品を扱う化粧品ECとして人気を集めています。

お試しセットのバリエーションが豊富

アマルディア化粧品はお試し系のセット商品のバリエーションが豊富で、初回限定のお得なセットはもちろん、2回目以降のお買い物のしやすさが他サイトにはない充実ぶりをほこっています。

「旅行に行くから小さいサイズのセットが欲しい、でも初回限定のセットはもう買えない」という人向けに何度でも購入できる小さいサイズのセットがあったり、「一つ使ってみたらすごくよかったのでライン使いしてみたい、でもまずはどれを揃えたらいいの?」という人に向けたお得なスターターセットがある点も、アマルディアが人気を集める理由でしょう。

これは、初回のお試しセットを購入したもののなかなか2回目の購入に踏み切れない、というユーザーの心理を上手に継続購入へと導いてくれます。

お試しセット

ユーザーへ真摯に向き合うことで信頼感を得る

アマルディア化粧品のECサイトでは、ユーザーに対して真摯に向きあっている姿勢を強く感じることができます。

例えば、敏感肌の人におすすめの使い方が別のPDFで確認できるようになっている他、商品開発の背景や効果的な使い方、使用している成分について網羅したコンテンツをかなりのボリュームで設けていたりと「本気で作っています」という想いが伝わってくるページになっています。

またレビューの中に一つでも品質に対する疑問の声があれば、代表の方が真剣に回答してくれています。

「こういう理由で私たちはこの成分をこの量入れています」
「あなたのお肌に合わない場合は、こんな理由が考えられます」
「それでもどうしてもお肌に合わないときはまた相談してほしいです」

というやりとりがレビュー内で活発に展開されています。

化粧品通販のサイトは、どこもある程度商品の成分や品質についてページ内に記述していることと思います。アマルディア化粧品の場合はそれをさらにレベルアップさせ、ユーザーとダイレクトにやり取りするレビュー内容が、そのままコンテンツとして活用されていると言えるでしょう。

パンフレットで定期購入へ繋げる

筆者は初回は初回限定セットを楽天市場店で購入し、2回目はミニサイズのセットを楽天市場店で購入。そして3回目からはセットの中の1商品を自社サイトで定期購入するようになり、いつしか2商品を定期購入するようになりました。

スムーズに定期購入へと導かれた訳ですが、これは同梱されてくるパンフレット類が秀逸だったから。

同梱するパンフレットを活用することで、モールの店舗から自社サイトの定期購入へ流し込むという、化粧品通販の王道であり、高いハードルとも言える部分を見事をにクリアしています。

事例から化粧品ECの成功ポイントを考察

ここまで化粧品ECで成功を収めた事例を2つご紹介してきましたが、実際に事業者が参考にすべき成功のポイントをまとめてみましょう。

ポイント1.ユーザーとの信頼感を築く

Men shaking hands
1つ目のポイントは、ユーザーとの信頼感を築くということ。

化粧品は肌に直接触れるという特徴から、購入までの過程が慎重になりやすい傾向があります。無理に購入を進める手法は、こうしたユーザー心理と相性が悪く、むし不信感を抱かせる要因となってしまうでしょう。

まずは、サイト内で商品の成分や安心を提供できるエビデンスをしっかり提示しましょう。また、レビューを活用する方法はとくに効果的です。事例で紹介した2つのサイトでも、レビューを積極的に活用しながらユーザーとの信頼感を築いていました。

こうした信頼が積み上がっていけば、ユーザーのファン化が進みリピートユーザーも多くなります。目先の売上ではなく、中長期的な視野でアプローチしていきましょう。

ポイント2.お試しセットで新規ユーザーとの接点を築く

2つ目は、お試しセットなどを用いて新規ユーザーとの接点を築くということ。

ポイント1でユーザーとの信頼を築くことをご紹介しましたが、そのきっかけとなる接点がなければスタート地点に立てません。そこでお試しセットや無料セットなどを用意することで、新規ユーザーが商品を手に入れやすい環境を用意しましょう。

もちろん、商品の品質が高ければユーザーに気に入ってもらえることは言うまでもありませんが、こうした接点があれば、メルマガやDM、パンフレット等の販促方法を存分に活用することができます。

まずは、ユーザーとの「きっかけ」作りを大切にしましょう。

ポイント3.アプローチにバリエーションを持たせる

Choose an idea
3つ目は、アプローチにバリエーションを持たせるということ。

アマルディア化粧品の事例でもご紹介したように、お試しセットでも複数のアイテムを用意しておけば、ユーザーへの選択肢が増えます。とくに化粧品は継続して使用することで効果が発揮される商材とあって、1度きりのお試しでは商品の魅力を理解できないケースも少なくありません。

こうしたユーザーに対して、繰り返し商品を試してもらえるバリエーションが用意されていれば、定期購入などへの加入に繋がっていくでしょう。

まとめ

化粧品通販を成功させるには、とにもかくにもまずは商品力です。そしてそれを語れる力も必要です。
うまくページに落とし込めない場合はプロの手を借りましょう。
その後に販売のテクニックとして、上記にあげたポイントが重要になってきます。

リピストなら、初回購入のためのページ作成や販促はもちろん、定期購入までスムーズに誘導できるような仕組みを構築するところまで熟慮したサイト設計が可能です。ぜひ一度お気軽にご相談ください。