まだまだ注目を集め続けるD2Cブランド。そんなD2Cにも課題はある?
ECビジネスの新潮流の1つであるD2C。次々と新たなブランドが脚光を浴びる中、これから参入を考える事業者も多いのではないでしょうか。
一方で、D2Cブランドが増加するにつれて、ビジネスモデルの課題も浮かび上がってきました。そこで今回は、人気を集めるD2Cブランドの課題について考察します。
D2Cの最大の課題はビジネスモデルへの理解不足にある
D2Cの課題を考察する前に、あえて押さえておきたいポイントがあります。それは、D2Cの最大の課題は、運営する事業者の理解不足にあるという点です。
たしかにD2CモデルはEC業界のトレンド的な存在で、大きな成功を収める可能性を秘めています。一方で「D2Cモデルとは何か?」という本質的な部分を理解することなく、「とりあえず流行りに乗っておけば儲かる」と安易に事業をスタートしているケースも少なくありません。
D2C事業に乗り出す際は、D2Cモデルの本質をしっかりと理解してからスタートすることで、よりスムーズな事業運営に繋げることができます。下記の記事では、D2Cモデルの本質について分かりやすく解説していますので、理解を深める参考にしてください。
>『D2Cの「本質」を3つのポイントから理解する』
>『D2Cがこれほどまでに注目を集めている理由、背景は?』
では、本質を理解した上で、D2Cブランドの課題を詳しく見ていきましょう。
課題1.立ち上げ時の集客・認知拡大が難しい
1つ目の課題は、立ち上げ時の集客やブランドの認知拡大が難しいということ。
D2Cは従来までのECと違いブランドのビジョンやコンセプトといった世界観を重視します。ユーザーから世界観に共感してい集客することで売上に繋げていきますが、立ち上げ当初は認知拡大まで時間がかかり、なかなか集客に結びつきません。
一方で、集客を焦って過度なWeb広告やSNS広告を展開すると、ブランドイメージを棄損する恐れがあります。これでは世界観を重視するD2Cの本質とはかけ離れてしまい、従来までのECサイトと代わり映えがなくなります。
この葛藤は多くのD2Cブランドが直面する課題で、立ち上げ時は世界観を周知する期間と割り切り、利益の回収はある程度時間を置いてからと捉えるのも戦略の1つです。
課題2.価格競争に参加しづらい
2つ目は、価格競争に参加しづらいということ。
ユーザーにとって低価格の商品は魅力的です。しかしD2Cは価格を下げることで、ブランド価値を棄損する恐れがあります。とくにニッチなサービスや商品を取り扱うとなると安易に価格を下げることが難しく、ある程度の価格設定を貫かなければなりません。
これは課題1の部分でも説明しましたが、ブランドの世界観に共感してもらい、収益化ができるまで自社が持ちこたえられるのか。これはD2Cの大きな課題です。
ブランドの価値や信頼感は即席で生まれるものではありません。やはりある程度の時間が必要となる点は理解しておく必要があるでしょう。
課題3.ターゲットが限定される
3つ目は、ターゲットが限定されるということ。
少し例を挙げて解説しましょう。D2Cの世界観として「サスティナブル」や「オーガニック」を掲げて事業をスタートするとします。こうした価値観は非常に素晴らしいものですが、一方ですべてのユーザーから共感を得られる訳ではありません。つまり、ターゲットの絶対数や市場規模が限られるということ。
仮に同じような世界観を掲げた競合他社が現れた場合、少ないパイを取り合う激しい競争に発展します。これもD2Cの課題といえます。D2Cの事業に乗り出す際は、世界観の構築とともに市場規模のとのバランスをしっかり検討しておきましょう。
まとめ
今回は、D2Cブランドが抱える課題について考察しました。
D2CブランドはECのトレンドとして急拡大していますが、一方で世界観の構築という大前提から離れられないという課題を抱えています。事業者がD2Cビジネスに乗り出す場合は、こうした課題を認識した上で、事業計画を練っていくことが重要となるでしょう。
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