売れるD2CはInstagramの使い方が一味違う
D2Cブランドのマーケティング戦略の軸に据えられているのが、SNSです。中でもInstagramはブランドの世界観やストーリーを表現しやすいツールの特徴から、多くの企業で活用されています。
では、売れるD2Cブランドでは、Instagramをどのように活用しているのでしょうか?事例を交えながら、3つのポイントを押さえていきましょう。
D2CブランドのInstagramの使い方3つのポイント
D2Cでは、商品やサービスの質だけでなく、ブランドが提供する世界観やストーリーがとても重視されます。こうした世界観やストーリー提供するためのツールとして事業者が活用しているのが、SNSです。SNSはユーザーと直接関係性を構築できるだけでなく、広告コストを安価に抑えることができるため、D2Cのビジネスモデルととても相性が良いツールです。
中でもInstagramは、写真や動画を使うことで世界観やストーリーを表現しやすく、D2Cブランドのターゲット層となる20代~30代が多く利用していることから、事業者も運用に力を入れています。
では、国内の人気D2Cブランドでは、Instagramをどのように活用しているのでしょうか?
1.写真
Instagramの最大の特徴は、写真や動画を使って視覚的にメッセージを発信できる点です。インスタ映えに代表されるオシャレな投稿やセンスのある投稿はユーザーから人気が高く、D2Cブランドでも注目を集めるような写真を掲載することで、世界観を表現しています。
男性向けのスキンケアブランドのBULK HOMME(バルクオム)は、モノクロカラーの洗練されたパッケージデザインを採用しています。自宅に商品を置くことがおしゃれと感じるような特別感があり、ブランドの売りの1つとなっています。
バルクオムではInstagramの投稿でもこのおしゃれなモノクロカラーを活かした写真を掲載。商品写真を掲載する際は白と黒だけで表現し、照明の角度で影(黒)の方向を統一するほどのこだわりです。また、人気俳優や芸能人を積極的にアイコンとして起用することで、バルクオム=おしゃれというブランドイメージを強固にしています。
2.テキスト
Instagramは視覚的なアプローチが注目されますが、実はテキスト(文章)を上手に使うことで成功を収めている事例も少なくありません。Instagramの文字数の上限は2200文字と、Webサイトに掲載される記事並みのボリュームがあります。写真のファーストビューで投稿をタップしてもらい、商品やブランドの世界観をテキストで紹介するという手法を採用しているブランドも多く、エビデンスを掲載することで説得力も増します。
人気のチーズケーキブランド・Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)は、投稿する写真のクオリティの高さだけでなく、テキストを使ってユーザーとの関係性を上手に構築しています。日々の投稿では、季節やイベントにあわせて親近感のあるメッセージを投稿。また、定期的にチーズケーキの製作秘話やこだわりなどを紹介。投稿を読んだユーザーはチーズケーキが作られる背景やストーリーを共有することができ、ブランドへの愛着や親近感が高まります。
また、人気のD2Cブランドの共通点として、可能な限りセール情報やキャンペーン情報を抑え、Instagramはブランディングや世界観を共有のために使用するという割り切り感も特徴です。大量の情報が発信されるSNSでは、ユーザー瞬時に情報の取捨選択をするため、セール情報はスルーされてしまう傾向が強くなります。人気ブランドはまずブランドを知ってもらい、自社の世界観やストーリーに共感してもらうことを目的にすることで、上手にユーザーとの関係性を築いています。
3.ハッシュタグ
Instagramでは「タグる」という文化が定着しています。タグるとは、Googleで検索することを「ググる」と呼ぶように、ハッシュタグを検索して情報を「手繰り寄せる」という意味です。自分が気になる情報やトピックに関するハッシュタグを検索し、気になる投稿をタップして情報を集めます。そのためD2Cブランドではターゲットとするユーザーがハッシュタグから検索してもらえるように、さまざまなハッシュタグを投稿とセットで掲載します。
155cm以下の小柄な女性向けのアパレルを展開するCOHINA(コヒナ)では、Instagramで同ブランドを着こなすファッションコーデを積極的に発信しています。投稿にはユーザーからハッシュタグで検索してもらうために、複数のキーワードを掲載していますが、「#小柄女子」「#小柄コーデ」「#おちびコーデ」などブランドの特徴と相性の良いキーワードをしっかり押さえています。いずれもInstagramの検索ボリュームでは数十万件を超えるキーワードで、コヒナが戦略的にハッシュタグの内容を選択していることが分かります。
こうしたアプローチからコヒナのInstagramを通じて小柄な女性同士が繋がるコミュニティが自然発生。同ブランドの代表でディレクターの田中絢子氏はインタビューでこうした現状を「小柄女子コミュニティ」と表現し、ユーザー同士の繋がりが結果としてコヒナのファン化を促進したと語っています。
参考ページ:「COHINA(コヒナ)」の急成長を支えたInstagram活用のポイントとは?
まとめ
今回は人気のD2CブランドがInstagramをどのように活用しているのか、3つのポイントからご紹介しました。D2Cでは世界観やストーリーをいかにユーザーへ届けるのかが重要となります。InstagramはSNSの中でもD2Cと相性がよく、事業者も積極的に活用したいツールです。
本記事でもご紹介しましたが、Instagramは画像や動画などの視覚的なアプローチだけでなく、テキストやハッシュタグを活用することでより効果的な運用を行うことができます。人気ブランドの投稿を参考にしながら、自社でも成果に繋がるアプローチを探っていきましょう。