【EC事業者向け】アフィリエイトで使うASPとは?導入手順などを紹介
ECサイトの運営においてアフィリエイトは必要不可欠な手法です。
商品の詳細や使用感を訴求できるアフィリエイトはASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と提携して導入しますが、売上向上のためにはASPの選び方や導入手順を理解して選ぶことが大切です。
本記事ではアフィリエイト導入を検討する企業に向けて、ASPの基礎知識を紹介しています。
目次
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)の種類
ASPは大きく分けてオープンとクローズドの2種類があり、メリットやデメリット、特徴が異なります。
まずは、ASPの種類について紹介します。
オープン型ASP
審査なしで全てのアフィリエイター登録ができるASPをオープン型ASPと言います。
オープン型ASPの最大の特徴は、アフィリエイターの申請ハードルが低いことです。
競合の商材と登録を比べられやすい、アフィリエイターの質の差が激しいのがデメリットですが、比較的予算を抑えてアフィリエイターを探せます。
また、登録人数が多いため、数多くのアフィリエイターから吟味してオファーをかけたい事業者にもおすすめです。
オープン型ASPは、もしもアフィリエイトやバリューコマース、インフォトップ、A8.net、afbなどが定番と言われています。
クローズド型ASP
クローズドASPはASPが許可したアフィリエイターのみが登録できるASPです。
アフィリエイターの数が少なく、質重視のため成果単価が高額になりがちですが、良質で実績のあるアフィリエイターに依頼することができます。
オープン型ASPでは出会えないアフィリエイターに出会いたい事業者や、アフィリエイトで実績を積んでワンステップ上のフェーズで事業を展開したい事業者にもおすすめです。
クローズド型ASPはTGアフィリエイトやレントラックス、felmat、AFRoなどが定番です。
ASPカートシステムとの違いは?
EC事業を行っていると、アフィリエイトの意味を指すASPとカートの方を指すASPの用語に出会うことがあるかと思います。
ASPは先述でも説明したとおり、アフィリエイターと広告主(ブランドやメーカー)をマッチングさせるサービスですが、カートで使うASPは「ASPカート」というクラウド上で使用するカートシステムを指します。
事業の会議や業務時に齟齬が生じないよう「アフィリエイトASP」や「ASPカート」と呼ぶようにしましょう。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を選ぶコツ
アフィリエイトを始める時はASPと契約を締結して行いますが、各サービスごとに成果単価や成果報酬の支払いサイトが異なります。
また、多くのASPから自社に合う会社を選定するのは時間がかかるものです。
ASPを選ぶ時は以下4点を参考に選んでみましょう。
販売商品に近い商品の獲得実績があるASPを選ぶ
各ASPにはサブスクリプションサービスやファッション、化粧品や保険などの商材が登録されていますが、アフィリエイターは各商材の成果報酬や案件の条件を確認して登録を行います。
そのため、各ASPが注力している商材や獲得単価の高い案件のジャンルに強いアフィリエイターが集まりやすくなることも。
ASP契約時はベンチマークしているブランドや類似商品の獲得実績があるASPを選ぶと、相性の良いアフィリエイターを探しやすくなります。
成果手数料・報酬の平均を確認する
アフィリエイトはオープン型よりもクローズド型の方が平均成果単価が高い傾向にありますが、同じオープン型・クローズド型の中でも成果単価が異なります。
ASPを選ぶ時は各社が定めている平均の成果手数料や報酬単価を確認しましょう。
また、アフィリエイトは商品キャンセル時の対策で成果発生後30〜60日後にアフィリエイターに成果報酬を支払う仕組みになっています。
成果が発生したことを承認する期間と支払いサイトを確認しておくと安心です。
カートシステムと連携できるASPを選ぶ
近年展開されているASPはさまざまな広告コードと連携できます。
一つの画面で数値を確認して、多角的に捉えて考察ができるよう、利用中のカートシステムと広告コードを連携できるASPを選びましょう。
カートシステムの乗り換えや導入前の方は事前にASPと対応しているかシステム会社に確認しておくと安心です。
担当者との相性で選ぶ
アフィリエイトはアフィリエイターが持つブログ記事やSNSなどを用いて商品訴求を行います。
販促を強化したい期間に合わせて内容の変更を行ったり、景品表示法や薬機法の変更に合わせてアフィリエイターに表記の変更を依頼したりすることも。
これらの相談をスピーディーに行える相性の良い担当者がいるASPを選ぶことも大切です。
また、ASPの中には事業者向けのセミナーなどを行っている企業もあります。これらの対応を行っているかも一緒に確認すると安心です。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)の導入手順
リスティングやSNS広告と同様、アフィリエイトを導入する時は手順に沿ってASPと提携を行って準備をします。
しかし、初めて広告を配信する事業者の中には何を行えば良いのか、どのような素材を用意するべきか分からずにいる方も多いのではないでしょうか。
導入時は以下で紹介している手順を参考にすると安心です。
手順を参考にしながらスケジュールなどを決めて、販促強化期間に備えてください。
1.提携するASPを決める
はじめに提携するASPを決めます。
各ASPのサイトに記載されているフォームから問い合わせや申込みを行ってください。
申込みを行うと広告主として掲載して問題ないか、ASP側が審査を行います。
2.申込みの手続きと入金を行う
ASPの審査が通ったら契約の手続きを行います。
各アフィリエイターに伝えるための商品訴求内容や商品情報をまとめたり成果報酬金額や条件、広告内容を決めたりしましょう。
申込みの手続きを終えたら、初期費用や月額費用を入金します。
各ASPによって最低契約期間が決まっていることもあるため、事前に確認してから契約を行うようにしてください。
3.トラッキングのテストと設置を行う
ASPと契約を締結させたら、実際に広告をクリックして購入した後に正しく成果報酬がカウントされるか、テストしましょう。
アフィリエイトはトラッキングタグを設置した専用のLPをクリックして購入した商品が成果報酬にカウントされる仕組みになっています。
ASPの方で発行した専用のURLから商品購入を行い、実際に成果報酬にカウントされたらテストは完了です。
4.記事掲載用の画像やバナーを用意する
アフィリエイターが使用する商品画像やバナーなどを用意しましょう。
バナーは各ASPの規定に合わせて正方形や縦長・横長のものを2〜3パターン作ってください。
よりスムーズにアフィリエイトを展開する場合は、タグの準備と並行して画像やバナーを作成するのもおすすめです。
5.アフィリエイターの選定を行う
契約を締結して広告素材やタグの準備を終えたら、アフィリエイト運用が始まります。
ASP内の募集から応募したアフィリエイターの承認を行って、アフィリエイターの選定を行うのが主な流れですが、担当者と相談しながらオファーを行って選定を行うこともできます。
6.掲載記事の確認を行う
アフィリエイターに依頼をして、広告記事が出来上がっても内容に齟齬や虚偽があるとブランドイメージが下がってしまいます。
事前確認ができるASPの場合は、必ず掲載記事の確認を行ってから掲載の許可を出しましょう。
景品表示法や薬機法などに基づいた内容かも必ず確認してください。
アフィリエイト用のサンプル商品は必要?
アフィリエイトの中でも健康食品や化粧品、日用品などは実物を使ったレビューを依頼する必要が出てくると思います。
商品サンプルをアフィリエイター全員に配布する必要はありませんが、販促強化期間に向けてモニターキャンペーンとしてサンプルを用意するとアフィリエイターが集まりやすくなるため、一定数確保しておくとおすすめです。
アフィリエイト利用事業者がカートシステムを選ぶコツ
アフィリエイトを上手く活用するためには先述で解説した内容を参考にしながら相性の良いASPや広告素材、アフィリエイターを集める必要があります。
しかし、上手く運用するためには効率良く数値管理や分析を行うことも大切です。
アフィリエイト運用を機にカートシステムを乗り換え・導入する場合は以下の4点を参考に選ぶと良いでしょう。
多くのADコードと連携できるものを選ぶ
近年展開されているカートシステムはGoogle Analyticsやアドセンスはもちろんのこと、さまざまな広告媒体の数値を管理できます。
創業して間もない頃は広告管理の量が少なくても、メディア面の出稿が増えるとADコードや数値の管理に手間を要することも。
カートシステムを選ぶ時はさまざまなADコードと連携できるものを選びましょう。
近年のASPカートであれば概ね問題ありませんが、導入前に確認しておくと安心です。
CV計測ができるものを選ぶ
カートシステム内の数値管理画面では各ページのPV数やサイト全体のアクセス数、またCV(購入)回数が計測できます。
しかし、ECサイトからの直接購入数とアフィリエイト経由での購入個数が分からないと効果的な訴求方法や、成果の出やすい広告の種類を把握するのが困難です。
カートシステムを選ぶ時は、ADコード別にCV計測をできる、且つ簡単に確認できるものを選ぶのがおすすめです。
複数のLPが制作できるものを選ぶ
ECサイト業界では、フォーム一体型LPという購入フォームと商品LPがひとつのページにまとまったページを制作して展開するのが主流となっています。
また、商品一つをとってもターゲット年齢や訴求内容を変えたLPを吸うパターン作成して、より顧客に響く訴求を行ったり、複数のLPを展開しながら広告素材のテストを行ったりすることも可能です。
複数のLPを作れるか、また追加料金なしで何パターンまで制作可能かも事前に確認しましょう。
SNS経由のアフィリエイトの成果は集計できる?
従来のアフィリエイトはブログが主流でしたが、近年はInstagramのストーリーやTwitterなどの投稿にアフィリエイト用のURLを貼って訴求を行う手法を行うアフィリエイターも増えています。
SNSに貼ったアフィリエイトのURLからの収益は、遷移先のLPにADコードを張り付けていればCVカウントができます。
ブログとSNSで計測を分ける場合はADコードを別で発行してトラッキングできるかをASPの会社に相談して行ってください。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を賢く選んで売上向上を
今回はアフィリエイト運用を検討するD2Cブランドや事業者に向けて、ASPの種類やサービス選びのコツや手順などの基礎知識をお届けしました。
アフィリエイトは、広告費用を抑えながら第三者目線で商品を訴求できる広告手法です。
今回紹介した内容を参考にしながら商材との相性が良いASPを選定して売上向上を図ってみてください。
EC通販に精通したプロがお答えいたします。