D2C/定期通販に関する基礎知識と定期通販向けカートシステムおすすめ8選
D2C/定期通販に関する基礎知識とD2C/定期通販向けカートシステムおすすめ8選
「EC事業を立ち上げたい」「既存のECカートシステムをグレードアップしたい」EC事業を成功に導くためにさまざまな検討をされているのではないでしょうか。
D2C/定期通販事業も検討しているのでしたら、必要な機能を搭載したD2C/定期通販向けのカートシステムを導入することをおすすめします。
この記事ではD2C/定期通販に関する基礎知識から、D2C/定期通販カートシステムを選ぶときのポイントやおすすめカートシステムまで、わかりやすく解説します。
D2C/定期通販事業を検討している方はぜひ参考にしてください。
D2C/定期通販とは
まずD2C/定期通販とはどのような販売形態をさすのかを解説します。
定期通販と似ているものに、頒布会・サブスクリプションがありますが、その3つはそれぞれどのように違うのでしょうか。
定期通販とは特定の商品を1回限りではなく継続的に一定のサイクルで何度も購入もらう
販売形態です。例をあげると、化粧品や健康食品、日用品など、お客様が選んだ商品を継続的に購入してもらう形態です。
頒布会は「継続的に一定のサイクルで」の部分は同じなのですが、毎回違う商品をセレクトして届けることを指します。食品や各地の名産品、ワインなどの趣味嗜好品などを定期的に届けますが、商品を選択するのはショップ側になります。
サブスクリプションは定額料金で製品やサービスを利用できるサービスのことです。音楽配信、洋服、香水など月額の定額料金で使うことができます。
定期通販に適したビジネス・商材
定期通販は一定のサイクルで商品を届けるサービスなので、定期的に購入する必要のある消耗品が適しています。
健康食品・サプリメント・化粧品・食品などが定期通販向けの商品です。
毎日飲んでいる、食べている、使っている商品がなくなる前に、再度注文する面倒もなく届けてもらえるのが定期通販です。
逆に向いていないのは消耗品ではない商品、耐久品になります。例えば耐久品の食器が毎月届いて増えていってしまったら、すぐに置き場所に困ってしまいます。使ってなくならない商品は定期通販には向きません。
定期通販のメリット
通常の注文ではなく、定期通販にすることのメリットを解説します。
中長期の売上予測がたち収益の安定に貢献する
顧客との関係性が深まりファン化することができる
顧客にとって何度も注文するわずらわしさから解放される
定期通販にすることで、自社にもお客様にもメリットがあります。
中長期の売上予測がたち収益の安定に貢献する
定期的に購入してもらうことによって、売上の予測がたちやすくなります。既存のお客様による安定的な収益の見通しを立てることが可能です。
中長期的な売上予測の正確性が増すため、会社の事業戦略の策定にも役立ちます。
顧客との関係性が深まりファン化することができる
同じ商品を継続的に使ってもらうことにより、愛用していただけてファンになってもらえるので、クロスセルにも役立ちます。例えば同じラインの他の商品をクロスセルして顧客単価をあげることも可能です。
既存のお客様に対するメルマガ配信などで、最新情報を共有したり、役立つ情報をお知らせることで関係性を深め、より長期の定期購入につなげていくこともできます。
顧客にとって何度も注文するわずらわしさから解放される
お客様にとって商品がなくなるたびに再度注文の作業をするのはわずらわしく感じられます。定期通販なら再注文の手間から解放され、なくなる少し前くらいには何もしなくても商品が手元に届くのです。
商品や会社の方針にもよりますが、定期購入は通常の購入よりも10%オフなどの値段設定をしたり、サンプルなどのおまけを付属したりとお得感を演出できます。
定期通販のデメリット
もちろん定期通販にすることでデメリットもあります。
集客がむずかしく広告費がかかる
継続してもらうための仕組みづくりがむずかしい
解約をめぐってトラブルになりやすい
デメリットを知っておくことでより定期通販の全体像を理解できます。
集客がむずかしく広告費がかかる
まず定期通販のランディングページにアクセスしてもらうための対策が必要です。
何もしなかったらお客様にランディングページにたどり着いてもらうことができません。
そのためどうしても広告費をかけることになります。
定期通販とは、まず広告費をかけて集客し売上をつくり、その後顧客生涯価値(LTV)を最大化して収益を上げるモデルなのです。
継続してもらうための仕組みづくりがむずかしい
せっかく定期購入を申し込んでもらえても長く継続してもらえなかったら、顧客生涯価値(LTV)を最大化できません。
継続率を高く保持することが重要なので、そのための仕組みづくりが必要です。お客様に継続するメリットを具体的にわかりやすく提示することが大事になります。
顧客が何にメリットを感じているのかを理解し、よりお得感を感じてもらうための仕組みづくりは簡単ではありません。
解約をめぐってトラブルになりやすい
定期通販の解約をめぐってのトラブルが頻発しています。国民生活センターに寄せられる定期通販の解約に関するトラブルの相談件数は2020年まで右肩上がりに増加していました。
ルールに従った詳細に関する記載をわかりやすく掲載するといった顧客の利益を優先した姿勢で販売すると、お客様が安心して購入でき、結果自社の利益につながります。
定期通販向けカートシステム
定期通販に必要な機能は通常のEC向けカートシステムの搭載している機能とは異なります。定期通販のためには、定期通販向けのカートシステムを導入することをおすすめします。
アップセル・クロスセルだけでなくステップメール送信、お届けスキップ・サイクル変更などの機能が必要です。
お客様にスムーズな購買体験を提供するためにも、定期通販に必要な機能が搭載されているカートシステムを導入しましょう。
導入する5つのメリット
定期通販向けカートシステムを導入する5つのメリットの紹介です。
- フォーム一体型LPによってコンバージョン率をアップできる
- 多様な決済手段によって機会損失を防げる
- 通販業務を効率化できる
- 販促施策を簡単におこなえる
- 顧客の分析ができる
D2C/定期通販カートシステムによってどんなことが可能になるか解説します。
フォーム一体型LPによってコンバージョン率をアップできる
コンバージョンまでに何度も画面を遷移させると、離脱やカゴ落ちのリスクが高まってしまいます。しかしフォーム一体型LPがつくれるカートシステムならば、顧客の離脱を防いでコンバージョン率をアップできます。
多様な決済手段によって機会損失を防げる
お客様によって使える決済手段が違うので、できるだけ多くの決済手段を用意することで、さまざまなお客様を顧客として迎えることが可能です。
いろいろな決済手段を利用できるカートシステムならば、機会損失を防いでコンバージョン率をアップできます。
通販業務を効率化できる
カートシステムのバックオフィス機能で、商品登録・受注・出荷などバックオフィス業務を効率化できます。
担当者の業務負担を減らせるので人員削減も可能です。
販促施策を簡単におこなえる
アップセル・クロスセル機能、ステップメール機能、商品同梱機能などにより販促施策を簡単に行い管理できます。
顧客を条件別で選別して、それぞれに別の施策を考える使い方も可能です。
顧客の分析ができる
定期購入者の属性などから、お客様がどのような特徴を持っているのか分析できます。
分析結果から広告をカスタマイズし、より効果の上がるものに最適化することが可能です。
カートシステムを選ぶときの4つのポイント
D2C/定期通販向けカートシステムを選ぶ際の4つのポイントを解説します。
- 売上規模があっているか
- 必要な機能が全部そろっているか
- 今後自社にとって必要となるカスタマイズが可能か
- しっかりしたサポート体制があるか
このポイントを踏まえた上で、自社に合ったカートシステムを選んでみてください。
売上規模があっているか
売上規模や今後の商品展開数によって選ぶカートシステムが変わってきます。
またD2C/定期通販カートシステムにはBtoB型とBtoC型があります。
今後の展開も合わせて自社にあったものを選択しましょう。
必要な機能が全部そろっているか
自社でおこないたい管理・施策に適したカートシステムを選ぶことが大切です。
どのような施策を行いたいのか、事前にピックアップしておきます。
必要な機能が全部そろっているものを選択しましょう。
今後自社にとって必要となるカスタマイズが可能か
今後事業を展開していくうちに必要となってくると思われるカスタマイズや拡張性を備えているかも確認する点です。
導入したものの事業規模が大きくなったら使えないといった事態を避けるためにも、自社の将来的な展開も視野に入れて選んでください。
しっかりしたサポート体制があるか
トラブルのときにすぐに対応してくれる、充実したサポート体制があるかどうかも大事なポイントです。
メールだけでなく電話でもサポートしてもらえるかなど、トラブル時にスムーズに対応してもらえるかも確認しましょう。
おすすめカートシステム8選
おすすめのD2C/定期通販カートシステムを8つご紹介します。
- リピストX(クロス)
- W2Repeat
- ecforce
- たまごリピート
- 楽楽リピート
- 侍カート
- サブスクストア
- カラーミーリピート
それぞれの特徴を見ていきましょう。
リピストX(クロス)
導入実績1,500社以上。CVRを高めるフォーム一体型LPやチャット形式の購入フォーム、アップセル・クロスセル、確認ページでのチェンジオファー機能、定期購入と単品購入の同時処理などで顧客単価・LTVをつねに底上げします。広告運営に役立つ管理・集計機能など、D2C/定期通販に必要なさまざまな機能を搭載。
事業規模に合わせた料金プラン、顧客満足度99.8%の充実したサポート体制、外部パートナーとの連携、問い合わせ対応専用画面など、D2C/定期通販事業全体をカバーする問題解決力の高いECカートシステムです。
W2 Repeat
平均売上成長率354%、業務効率化コスト60%削減の実績があります。ベンチャーや中堅向けD2C、サブスクにおすすめのリピート通販特化ECカートシステムです。フォーム一体型LP、受発注処理の効率化、ステップメールのシナリオも詳細に設定が可能、豊富な決済手段も標準装備。
EC事業の成長に合わせたプランで、700ショップ以上の導入実績があります。特に健康食品や美容品の定期販売に強いサポート面も充実したECカートシステムです。
ecforce
平均年商2億以上のベンチャー・大手メーカー導入実績多数。数多くのEC/D2C事業の立ち上げ経験から生まれたカートシステムで、EC/D2C事業に必要な要素がすべて詰め込まれています。フォーム一体型LP、さまざまな会員サービスの管理、高度なマーケティング分析など多彩な機能を搭載。
事業成長に合わせて必要となる拡張機能の開発も随時行っており、EC/D2C事業のノウハウを提供するECカートシステムです。
たまごリピート
クラウド型カート付きリピート通販システム。マルチデバイス対応のショッピングカート機能、お届け日や出荷の連絡なども自動化、ユーザー毎の購入頻度の変更、クーポンの配信機能も搭載。クレジットカードの自動引き落とし対応、期限切れによる徴収漏れを防ぐ自動洗い替え機能も搭載しており、定期通販に必要な機能が盛り込まれています。
無料サンプル配布時の同一顧客への重複出荷を防止する機能もあり、効率よく定期購入へ誘導できます。ピッキングリスト・納品書作成などのバックヤード機能も充実しており人件費の削減にも効果があるカートシステムです。
楽楽リピート
定期通販の構築・運用に必要な機能が豊富に揃ったカートシステムで、多くの機能が標準装備され追加費用がかからないことが特徴。ランニングコストを抑えた上で定期通販に必要な多彩な機能が手に入ります。
お届けサイクルの変更、休止・解約の申し込み、お届け先など登録情報の変更などの定期通販の基本機能を搭載。LP一体型フォームやEFOなどカゴ落ち防止、CRM機能にも強みがありLTVの向上に貢献します。オプションの連携サービスも多彩でWeb接客なども可能、メール配信機能には自動差込機能も搭載し、かゆい所まで手が届くECカートシステムです。
侍カート
定期単品リピート通販向けのECカートシステム。フルスクラッチに対応しており、カスタマイズ、独自機能の追加が可能。フォーム一体型LP、簡易EFO、アップセル機能、ステップメールなど定期通販に効果が高い機能が揃っています。
また分析機能も豊富、マーケティングツールにより商品購入率・LTVをアップすることが可能です。サポート体制も充実、外部の基幹システムやMAツールとの連携も可能で拡張性の高さも強みです。
サブスクストア
単品リピート通販市場シェアNo.1、導入企業は大企業からスタートアップ企業まで累計1,000社以上。単品通販、定期通販の両方に対応できるカートシステムです。商品管理・顧客管理・受注出荷管理・販促管理など管理を一元化できるため大幅な業務負担を減らすことが可能になります。
購買・流入経路の分析、広告ごとのLTVの測定なども可能で費用対効果がわかり、効果的な広告施策にも役立ちます。専門チームによる無料・無制限のサポートが受けられ、コンサルティング、売り上げ拡大へのサポートが手厚いことも特徴です。
カラーミーリピート
商品登録から販売開始まで最短10分で始められる定期通販カートシステム。初期費用は無料で利用できるので、小規模で販売を行いたい個人事業主や小企業に向いている通販カートです。決済サービスも審査手続きが不要で初期費用・月額費用が無料、決済手数料のみで利用できます。
すでに自社サイトやネットショップがある場合、リンクタグを埋め込んで簡単にリピート通販を始められます。LP一体型フォームや配送サイクル指定など定期通販に必要な機能はしっかり搭載されています。
定期通販でトラブルにならないために必要なこと
お客様のためにも自社にためにも、特商法・景表法・薬機法などの法規による規制をしっかり理解してトラブルにならない定期通販をこころがけましょう。
特商法
2021年6月9日に特定商取引法等が改正され、注文確認画面で以下の6つを明記しなければならなくなりました。
1. 分量
2. 販売価格・対価
3. 支払時期および支払方法
4. 引渡時期・移転時期・提供時期
5. 申込みの期間がある場合、その旨・その内容
6. 申込みの撤回・解除に関する事項
これらの表示内容に違反があった場合、消費者に契約を取り消す権利が発生します。また罰則が科される、行政処分の対象になることもあるため注意が必要です。
景表法
- 定期購入顧客へのプレゼントについて景表法に以下の規制があります。
- 事前告知がない場合プレゼントの金額は購入金額の2割まで
- 事前告知ありの場合プレゼントの金額は累計金額の2割まで
定期購入している商品と同じ商品がプレゼントされる場合は景品扱いにならない
定期購入のお客様にプレゼントを企画する場合、景表法のこのルールを守る必要があります。
薬機法
薬機法で表現が規制されている化粧品や健康食品の記載内容に注意が必要です。
医薬品的な効果効能を表示するのは薬機法違反になります。
病気・症状の改善や、身体の変化を表すような表現はしてはいけません。
たとえば「ニキビが改善」「肌荒れが治る」「ダイエットに効果的」「生活習慣病の予防ができる」などはNGな表記です。
定期通販で売上拡大をめざしましょう|まとめ
定期通販事業は成功すれば大きな売上をあげられ、予測のたつ安定した売上として事業戦略策定の際などにも役立ちます。
さまざまな機能を持った定期通販カートシステムを導入すれば、業務負担を軽くして効率的に売上を伸ばすことができます。
定期通販のメリット・デメリット、気をつけるポイントなどを理解した上で、自社にあったカートシステムを導入し、D2C/定期通販での売り上げ拡大にぜひ挑戦してみてください。