定期購入サービスとは?概要や注意点・事例などを紹介 - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

定期購入サービスとは?概要や注意点・事例などを紹介

定期購入サービスは毎月決まった商品を継続的に提供できる、多くのECサイトが導入する販売方法です。
定期購入サービスを利用すると顧客側は商品の買い忘れを防止できて、各ECサイトが展開する特典を受けられます。
売り手側も安定した収益を生み出しやすいビジネスモデルですが、導入時の注意点や方法を理解しながら利用することが大切です。
この記事では、定期購入サービスの導入を検討する企業に向けて、概要やメリットにくわえて、導入時に必要なものや事例を紹介します。

定期購入サービスとは

定期購入サービスとは、企業が決めた期間(毎月、3ヶ月、半年など)毎に顧客に商品を販売する販売形態です。
顧客に継続して商品を販売できることから、多くのD2Cブランドが取り入れています。

定期購入サービスとサブスクの違いは?

定期購入サービスとサブスクリプションはどちらも継続して顧客にサービスや商品を提供できますが、以下のような違いがあります。

  • 定期購入サービス:毎月決まった商品を継続して購入する
  • サブスクリプション:月額(または年間など)使用料を支払うとサービスが使い放題になる

定期購入サービスは「ブランドと顧客が決めた期間毎に商品を提供する」ため、1ヶ月に一度、または数ヶ月に一度商品を提供します。
一方、サブスクリプションは「ブランドが決めた期間中の使用料金を払うとサービスが使い放題」のサービスです。

顧客目線では「期間毎に一度の購入」「期間内は使い放題」かの違いがあります。
有形商材は定期購入サービスを、無形商材(音楽や動画の配信サービスなど)はサブスクリプションを用いていることが一般的です。

定期購入サービスを導入するメリット

定期購入サービスを導入することで、売上や事業において以下3点のメリットが生じます。

顧客がお得に商品を買えるシステムを提供できる

定期購入サービスは顧客に継続的な商品購入を求めることから、WebサイトやLPなどに「お得に商品を買うためのシステム」を導入する必要があります。

ブランド側から見ると手間や欠点に見えるかと思われますが、顧客から見ると「さまざまな商品をまとめ買い、もしくは継続的に買うことを選ぶとお得になる」というサービスを受けられるのです。

優良顧客を育てやすい

単品購入モデルは2回めの購入客の獲得が難しい一方で、定期購入サービスは一定期間商品を購入してもらう仕組みを容易に作れます。
そのため、1人の顧客から得られる利益の合計金額(LTV)を上げやすいのが魅力です。

商品の強みや良さを実感してもらう訴求を行ったり、長期契約ユーザーの特典を用意することで、ブランドのファンを作ると、商品の横展開を行いやすくなるのもメリットです。

売上予測を立てやすい

定期購入サービスはブランドと顧客が一定期間、商品を購入する契約をするため半年先や1年後の売上予測も立てやすくなります。
売上予測を立てることで、事業計画や販促、マーケティングにも役立てることができるのです。

定期購入サービス導入時の注意点

定期購入サービスは正しいマーケティングを行うことで利益を生みやすくなる販売形態ですが、顧客とのトラブルを防ぎ、顧客満足度(CS)を上げるには、以下の注意点を意識することも大切です。

景品表示法や特商法に注意して訴求を行う

近年、定期購入サービスを展開する商品が増えていますが、過剰な商品訴求の広告を行ってしまい「広告の内容と商品の効果が違う」といったクレームや「購入画面に記載した価格と支払金額が異なる」という声が多く上がっています。

虚偽の広告や過剰な訴求内容は景品表示法違反に、また、購入ページの情報が不足している状態で販売を行うと特商法(特定商取引法)違反になってしまうことも。

これらの法律に違反すると、ブランドや商品の販売停止・中止処分になることもあります。
顧客との齟齬や誤解が生まれない販売や訴求を行いましょう。

アップセルのための施策を行う

定期購入サービスは継続的な売上を構築できますが、同じ商品を購入してもらうため、サービス向上や施策を行わないと解約が増えてしまいます。
解約数が増えると長期的な利益を失ってしまうため、顧客単価を向上させるアップセル施策を行わなければなりません。

優良顧客には数カ月分の商品をまとめて購入し発送する提案や、クーポンの発行、新商品の先行販売などを行うのがおすすめです。

複数商品を展開しているブランドには、会計画面で別商品を提案する設計を作るのも有効となっています。

定期購入サービスに適した商材

定期購入サービスは家電や家具などの高価格で購入頻度が低いものよりも、継続的に使用する使い捨ての商品が適しています。

以下3品は近年、人気で多くのブランドが定期購入サービスを導入しています。
ぜひ参考にしてください。

化粧品

化粧品は多くのブランドが定期購入サービスを取り入れており、中でもスキンケア化粧品は定期購入を行う方が増えています。
毎日使うもの、かつ同じブランドのものを揃えて使用するライン使いをする方が多いため、将来的にクロスセルを行いやすいのがポイントです。

食品(サプリメント・飲料など)

サプリメントや飲料、健康食品などの定期購入サービスは多くのD2CブランドやECサイトが導入しています。

産地直送の野菜や非常食、スムージーなど種類が多く、顧客から見て手に取りやすい商品を開発しやすいこと、また商材によっては比較的参入しやすいのが魅力です。

店舗購入では持ち運びが手間と感じる顧客も多いことから、需要が高くなっています。

花の定期購入サービスは比較的新しい商材ですが、近年注目度が高くなっています。
「花を飾りたいが買うのが手間・花の選び方が分からない」と感じている顧客に人気となっているのです。

ブランド側からみても、生物で購入サイクルが早いことから、比較的取り入れやすい商品と言われています。

定期購入サービスを導入するのに必要なもの

定期購入サービスを展開するには、顧客がデジタル上で買い物をできるサービスやシステムを構築する必要があります。
さまざまなツールなどがありますが、まずは以下の4点から揃えることを検討しましょう。

自社ECサイト

まず、D2Cで定期購入サービスを始めるには土台となるECサイトを用意する必要があります。
サイトの構築費用は各サービス・制作会社によって異なりますが、100万円以程度の予算を用意できれば、カスタマイズ性の高いサイトを制作依頼できるでしょう。

制作期間は2〜5ヶ月程度を想定して計画を立ててください。
相見積もりをとって置くと安心です。

カートシステム

カートシステムとは、顧客がECサイトで商品を選んでカートに入れた後、カートに入れた商品を決済するためのシステムです。

さまざまな顧客のニーズに合わせてクレジットカードや後払い、スマートフォンの支払いと一緒に支払いができるキャリア決済などに対応したカートシステムを選ぶのがおすすめです。

カートシステムは毎月使用するため、月額費用を支払って利用するものが多くあります。
予算は月額4〜15万円前後を見積もりましょう。各システム会社に規模感を相談しながら決めると安心です。

顧客管理システム(CRM)

顧客管理システムとは、ECサイトに会員登録した顧客の住所や購入履歴、クレジットカード情報などを管理するシステムのことを言います。
多くのカートシステムに導入されていますが、必ず管理できる内容を確認してください。

Google Analyticsなどのサイト分析を行うシステムも入れて、顧客のサイト回遊履歴も管理しましょう。

アップセルの対策のための機能(メルマガ配信など)

顧客管理機能で得たデータは、各会員の状況に合わせた施策を訴求するためのヒントになります。
しかし、商品のアップセルやクロスセルにつながる可能性のある見込み顧客を割り出すのは手間や時間がかかるものです。

初回購入やリピーター、休眠顧客の割合を算出して施策などを提案してくれる機能や、メルマガ配信機能などを備えたシステムを導入して売上向上に繋げてください。

定期購入サービスの成功事例

ここからは、定期購入サービスの成功事例を紹介します。
定期購入サービスの中でもカートシステムにこだわり成功した企業や、これまでにない新しい形のサービスを展開する会社を挙げました。ぜひ参考にしてください。

化粧品:RANKUP

RANKUPはマナラ化粧品をはじめとして展開するスキンケアブランドです。
商品づくりは「自分たちがキレイになりたい」「たった一人の悩みを解決する商品を作る」ことにこだわっており、人気を博しています。

RANKUPはカートシステムにもこだわり「最低限の予算と人員リソースで運用できる」ようになったのも成功の要因となっています。

使いやすいシステムを導入してすぐに施策を行える、また予算を見直すことで商品開発や広告費なども回せるようにするのは、定期購入サービスでは大切です。

食品:野村乳業

野村乳業は広島の大学と乳酸菌の研究をしながら乳製品の開発・販売を行っている企業です。
2019年に商品のパッケージや企業ロゴを全面リニューアルを行い、現在は定期購入サービスの通販も行っています。

野村乳業は「初期費用が安価で顧客が使いやすい」カートシステムを導入することで売上を向上させました。
LPと購入フォームが一緒になった一体型のページを制作し、顧客にとって見やすい画面になっているかに重点を置いて満足度を向上させています。

また、SNS施策やSEOといった幅広い施策を行い続けているのも成功のポイントです。

自社商品を使わない定期購入サービス:BLOOM BOX

BLOOM BOXは化粧品の口コミサイト@cosmeを運営するアイスタイルが展開する定期購入サービスです。
顧客の肌悩みやなりたい姿に合わせてセレクトした、さまざまなブランドの化粧品を定期的に届けるサービスを行っています。

さまざまなブランド・メーカーと提携できる、かつ顧客情報を所有しているというポータルサイトの強み「出会ったことのない化粧品と出会いたい」というニーズを合わせたことが成功の要因となりました。

また、商品を届けるだけではなく「商品を開ける楽しみ」という気持ちを提供する施策を行う大切さが分かる事例とも言えます。

定期購入サービスは顧客側への利便性を提供しながら導入を

今回は定期購入サービスの導入を検討するブランドや企業に向けて、定期購入の概要や導入時に必要なものや注意点に加えて、実際の成功事例を紹介しました。

定期購入サービスはトラブルなども相次いでいますが、顧客目線に合わせてビジネスを行うことで売上向上に繋がります。
景品表示法や特商法を守りつつ、利便性のあるシステムを駆使しながら導入を進めてください。

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