ECサイトの乗り換え方法は?基礎知識や手順・注意点などを解説 - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

ECサイトの乗り換え方法は?基礎知識や手順・注意点などを解説

近年、ECサイトを制作できるカートシステムの機能や使い勝手が進歩しており、時代の変化に合わせて乗り換えを行っている企業も多くいます。しかし、ECサイトはコーポレートサイトよりも多くの個人情報を扱っているのはもちろん、各広告ツールやシステムと連携して使うため、乗り換え時はリサーチを重ねて慎重に行うことが大切です。

本記事ではECサイトの乗り換え時に必要な情報収集を行う企業にむけて、乗り換えに失敗しないための基本知識や手順、注意事項などをお届けします。

ECサイトの乗り換えを検討する前にするべきこと

ECサイトを新しいプラットフォームに乗り換える前には、計画的に準備を進めることが大切です。はじめに、乗り換えの検討段階で考慮すべき重要な要素を明確にし、移行がスムーズに進むように必要なステップを紹介します。

移行の目的を明確にする

ECサイトの移行には、しっかりとした目的を明確にする必要があります。例えば、目的はセキュリティの強化や最新ツールの対応、コスト削減、リソース不足の解消などが多い傾向にあります

上記のように目的を具体的に設定することで、移行が必要な理由を明確にしつつ、移行先のカートシステムを絞って探すことが可能です。

現在のECサイトシステムで解決できない課題をピックアップする

カートシステムの移行を検討する際は、現在のECサイトシステムで直面している問題を挙げることも必要不可欠です。よくある課題には、システムの使い勝手が悪さや、技術が時代遅れであること(レスポンシブデザインが非対応など)、広告ツールなどの拡張機能の対応化などが挙げられます。

これらの課題を洗い出した後に課題の解決の優先順位を決めることで、どの問題が最も事業に影響しており、どのような機能が新システムに必要かが明確になります。

乗り換え検討先で解決できる課題と現在の課題を照らし合わせる

現行のカートシステム使用時の課題をピックアップしたら、移行先のカートシステムでどれだけ課題をどれだけ解決できるかを照らし合わせて、移行後の使用感をイメージすることが大切です。

しかし、移行先のシステムによっては、必要なプラグインを入れることや追加機能の費用が発生することも考慮する必要があります。

現行のシステムと移行後のシステムの比較を行うことで、総コストと利益を天秤にかけ、最も効果的な選択をすることが可能です。

また、新しいシステムを社内で運用する場合は、必ずデモ画面を使っておくことも忘れないでください。デモ画面に触れることで移行後にシステムが使いこなせないといった問題やサポートに問い合わせる時間が増えるといった問題を軽減することができます

乗り換えの方法を知る

ECサイトの移行方法には複数の方法が存在し、以下の方法で乗り換えることが可能です。

  • フルスクラッチでゼロから新たにシステムを開発をして乗り換える
  • Web上に展開されているオープンソースシステムを使って開発をしてから乗り換える
  • 既存のパッケージでカートシステムを構築してデータを乗り換える
  • 既存のASPから別のASPへの乗り換える

 

古いシステムから最新のシステムに乗り換える場合は1つめか2つめの手法を使うことがありますが、ASPからASPのシステムへの移行をすると比較的手間がかからない傾向にあります

古いカートシステムを使っている場合は、乗り換えの方法を移行先の企業に問い合わせて対応しておくのがおすすめです。

移行費用を用意する

移行の費用は現行のカートシステムの規模やデータ量によって異なりますが、移行費用の相場を理解して予算を用意しておきましょう。カートシステムの移行時は以下のような費用が発生します。

  • 乗り換え先の初期費用と初月の使用料
  • プラットフォームやツールの購入料金
  • サービスプロバイダの設定費用
  • 乗り換え先に対応したクリエイティブ・デザインの制作費

 

乗り換えの費用はデザインの制作などを社内で行う場合は数十万で済む傾向にありますが、クリエイティブ面を委託する場合は100万円以上発生する場合があります。

上記の費用が発生することを視野に入れながら、予算内で最適なカートシステムを選択できるように計画を立てましょう。

乗り換え先のシステム選びのコツ

ECサイトの乗り換えを検討する際には、次のプラットフォームが現在および将来のビジネスニーズに適合しているかを確認することが重要です。

カートシステムは大きく分けて以下のものがあります。

  • フルスクラッチ:ゼロからコード書いて自由に開発を行う
  • オープンソース:Web上に展開されているコードソースコードをカスタマイズして開発を行う
  • パッケージ:既存のソフトを購入して開発を行う
  • ASP (Application Service Provider) :インターネット上のサービスページにログインして開発を行う

 

2024年現在、ECサイトのシステムは費用面が安価で直感的に使えるASPが主流です。ASPは管理が容易で動作も安定しているため、多くの企業に選ばれています。

しかし、大企業でブランドイメージを重視してフルに開発を行いたい場合や、社内にエンジニアが従事している企業であれば、フルスクラッチやオープンソース、パッケージのカートシステムを選ぶ事例もあります。

カートシステムの種類は事業規模と使い勝手で選ぶ

カートシステムを選ぶ際には、事業の規模と将来の成長を考慮することが重要です。小規模なシステムは、事業の成長に合わせて機能が不足する可能性がありますが、大規模すぎるシステムでは不必要な高額な費用がかかり、機能を持て余すことになることもあります。

最適な選択は、数年単位で事業の拡大を見据え、必要に応じて料金プランやサービス内容を調整できるシステムを選ぶことです。

市場での評判とサポート体制を確認すること

システムを選ぶ際には、市場での評判とサポート体制も重要です。

導入後に生じた疑問や問題に迅速かつ的確に対応してもらえるか、サポート担当者が常駐しているかどうかを確認してください。

自社の方針を理解しながらサポートをしてくれる担当者がいる企業のシステムを選ぶと、移行プロセスだけでなく、運用中も安心して業務を続けることができるため、導入後も定期的にサポートを受けることが可能です。

さらに、自社が展開する商品ジャンルのマーケティング知識がある担当者がいるシステム会社を選ぶことで、他社事例を知りながら戦略を練ることができます。

多くのカートシステムはサポート体制が無料でついてくることがありますが、中にはサポート体制をつけるために追加費用が発生する場合もあります。導入前にサポート体制の費用有無も必ず確認しましょう

移行元で使っているツールに対応しているかも確認

移行プロセスを検討する際、現在使用しているツールやソフトウェアが新しいシステムと互換性があるかを確認することも忘れずに行ってください。特にカスタマイズされたツールや特殊な機能は乗り換え先のカートシステムで使えない可能性があります。

万が一、完全な移行が困難な場合は、代替のシステムを使用できるかどうかも検討し、必要な機能を使えるか確認して乗り換え先を決めましょう。

移行時のトラブルに迅速に対応してくれる企業のツールを選ぶこと

ECサイトのシステム移行時はデータが上手く移行できない、ツールのログインができないなど予期しないトラブルが発生する可能性があります。そのため、移行時の問題に迅速に対応できるサポート体制を備えた企業を選ぶことが重要です。

移行中、スムーズにサポートを利用できるか、トラブルシューティングが起きたときのマニュアルが用意されているかなど、サポートの質と対応速度を事前に確認しましょう。

上記の内容を踏まえて乗り換え先のシステムを選ぶことで、移行の効率を向上させ、将来的にもスムーズにECサイトを運営できるようになります。

ECサイトの乗り換えの手順はこちら

ECサイトの乗り換えは計画的に進めることが成功の鍵です。特に移行するデータは綿密に管理する必要があります。ここからは、移行できるデータと移行できないデータを説明します。

移行できるデータと移行できないデータを羅列する

まずは、ECサイトの乗り換え時にどのデータが移行可能で、どのデータが移行が難しいかを正確に把握しましょう。

移行可能なデータ:顧客情報、商品データ、注文履歴など

以下のデータは乗り換え時に移行が可能です。

  • 顧客情報:顧客の名前、住所、連絡先などの基本情報
  • 商品データ:商品名、価格、説明、カテゴリーなど
  • 注文履歴:顧客の購入履歴、注文日時、購入商品など

 

カートシステムの乗り換えが初めての場合、膨大な個人情報や商品情報、顧客の注文履歴などが移行できず、手入力で行ってしまうと多大なリソースが発生してしまいます。

しかし、上記のデータは一般的に新しいシステムに比較的容易に移行できることが多いため、運営に最低限必要なデータを乗り換え先にスムーズに移行するこが進行することが可能です。

移行が難しいデータ

以下のデータはECサイトの乗り換え時に移行できないことがあります。

  • 乗り換え元独自のデータ:特定のカスタムフィールドやユーザー定義データなど
  • ASPのドメイン:旧システムに固有のドメインやURL構造など

 

上記の中でも、決済情報などはセキュリティ保護の観点から移行が制限される傾向にあります。

また、 Amazon Payの継続決済IDなどもセキュリティ上の理由から移行できないため、移行後に再設定を行うか、他の決済方法を使う必要があります。乗り換え時は各決済システムの引き継ぎ方法も必ず確認してください。

移行ができないデータは再設定や新規登録が必要になります。設定の時間を加味して、移行の準備やシステムメンテナンスの期間のスケジューリングを行いましょう。

データ移行の準備を行う

ECサイトの乗り換え時は、乗り換え先のシステムを決めるだけではなく、さまざまな準備を行わなければなりません。しかし、安心してECサイトを乗り換えるために、乗り換え先との契約をする前に手順を知りたいと思う方も多いでしょう。

ここからは、ECサイトのデータ移行の準備の手順を紹介します。

データ整理とバックアップを忘れずに

まずデータを乗り換える前に、廃盤になった商品の画像や情報などのデータを整理して必要のない情報を削除するのがおすすめです。

データの整理を行うと、移行データ量を最適化して移行の時間や手間を削減することができます。また、万が一のデータ損失に備えて、重要なデータは事前にバックアップも取っておきましょう。

移行データのセキュリティ対策も行うこと

データの移行時は、セキュリティ対策を徹底することが求められます。乗り換えるデータは暗号化するなど、安全に保護された方法で処理し、新旧のシステム間でのデータ転送が安全であることを確認してください。データのアクセス権限を適切に管理すると、乗り換え時に起こり得るデータ漏洩リスクを排除します。

これらの手順を適切に実行することで、ECサイトのデータ移行を安全かつ効率的に行うことができ、新しいシステムでの業務をスムーズに開始することが可能となります。

実際の乗り換えの手順

ECサイトの乗り換えは、複雑なため計画的かつ慎重に進める必要があります。乗り換えの際に必要な手順は以下の内容を参考にしてください。

乗り換えのスケジューリングを行う

ECサイトの乗り換えは、開始から完了までの期間を事前に決める必要があります。このスケジューリングには、全ての作業段階が含まれるため、期間は乗り換え先のシステムやデータ量、規模感に応じて変わりますが、一般的には数週間から数ヶ月かかることがあります。

スケジュールは、予期せぬ遅延に対処するために、常に余裕を持って設定することが重要です。大規模なセールイベントや繁忙期、商品が売れやすい季節を避けて計画すると良いでしょう。

データのバックアップを行う

移行を開始する前に、現在のシステムの全データをバックアップしましょう。これは先述で説明した顧客情報や商品データ、注文履歴なども含まれます。万が一のデータ損失や移行中に発生するトラブルに備えて必ずバックアップをとりましょう。

画像データなどが多い場合は、運用や管理がしやすいようにクラウドストレージ上にデータをバックアップして運用できるように環境を整えるのもおすすめです。

乗り換え先の雛形に合わせてデザインを制作する

各カートシステムにはカバー画像や商品画像のサイズ、レイアウトなどの雛形が決められています。そのため、移行先のプラットフォームに合わせたデザインの制作が必要です。

事前に乗り換え先の雛形に適切にデザインを制作しておくことで、データ移行後にスムーズにサイトリニューアルの準備を進めることができます。

既存データを乗り換える

ECサイトを乗り換える時は、乗り換え元からバックアップをとった顧客情報や商品データ、注文履歴などを読み込む必要があります。これらのデータは通常、CSV形式などにエクスポートし、新システムにインポートすることで移行して乗り換えます。

データの整合性を保つために、事前に移行に適したフォーマットにして準備を行ってから乗り換えてください。

決済システムや配送システムなど 外部システムと連携する

新しいECサイトでは、決済システムや配送システムとの連携が必要になる場合があります。これらのシステムとの連携を確実に行って、リニューアル後の不具合発生やトラブルが起きないように対策をとりましょう。

あわせてGoogle Analyticsやサーチコンソールなどのタグの設定も忘れずに行ってください。

移行後は複数端末でテストを行う

無事、ECサイトのデザインやデータを乗り換え終えたらスマートフォン、やPC、タブレットなど複数の端末でサイトの表示をチェックし、実際に注文ができるかテストを実施します。

テスト注文を行うことで、実際のユーザー体験を確認し、問題がないかをチェックします。テスト時は決済システムが読み込めるか、アフィリエイトタグが読み込まれるかも確認してください。

バグが発生した場合は修正を行う

ECサイトのデータを移行してシステムを設定し直したら、テスト段階で発見されたバグや問題を修正します。バグや修正は、サイトが公開される前に完了することが理想です。

上記の手順を適切に実行することで、ECサイトの乗り換えが完了です。乗り換え先のシステム担当者に相談をしながら準備を行いましょう。

ECサイト乗り換え時の注意点

ECサイトを乗り換えるとリソースの削減や事業成長につながりやすい傾向にありますが、乗り換え時は移行のプロセス以外にもさまざまな点に注意する必要があります。

ここからは、乗り換えプロセス中に考慮すべき主要な注意点をチェックしましょう。

サイトの雛形は乗り換え前と大きく変えすぎないこと

ECサイトを乗り換える時は、サイトの基本的なレイアウトやデザインを急激に変更することは極力避けるのがおすすめです。

サイトのデザインを大きく変えてしまうと既存の顧客にとって見慣れたデザインから変わりすぎて使い勝手が悪化し、混乱を引き起こす可能性があります。また、ページの階層を大きく変えてしまうと商品が見つからず、ページ離脱が増えることも。

デザインの変更は徐々に行い、ユーザーが新しい環境に適応できるように運用することが重要です。また、乗り換え先のカートシステムのデザインパターンも予め確認しておきましょう。

ユーザーにサイトリニューアルの告知を行うこと

サイトのリニューアルやメンテナンスを予定している場合は、事前にユーザーに通知することが必要です。

告知は、メールマガジンやSNS、サイト内の告知など、複数のチャネルを利用しましょう。メンテナンスによりサービスが一時的に利用不可能になる場合は、期間と理由を明確に伝えることで、ユーザーの理解を得やすくなります。

SEO対策をやり直す必要が出ることも

ECサイトを乗り換えるとWebサイトのURL構造が変更されることがあります。URLの構造が変わると、検索エンジンにおけるサイトの評価に直接影響を与えるため、SEO対策の再評価と修正が必要になります。

社内のリソースを決める時は新しいサイト構造に合わせて、適切なリダイレクトの設定やメタデータの最適化、サイトマップの更新などを行うことも視野に入れてください。これにより、トラフィックの低下のトラブルを対策しながらECサイトを乗り換えることができます。

ECサイト乗り換え先は使い勝手・費用・ツールをよく見て選ぶこと

今回はECサイトの乗り換えを検討している企業にむけて、乗り換え先を決めるためのポイントや実際に行う移行手順を紹介しました。

乗り換え先のカートシステムを選ぶ際は、使い勝手や費用、提供するツールなどを比較して決めることが大切です。また、事業のニーズに最適な機能を提供するか、コストパフォーマンスが良いか、サポート体制が整っているかなど、総合的な視点で検討すると、より自社に合うシステムを導入することができるでしょう。

リピストXではフルスクラッチからの乗り換えや他社ASPからの乗り換えにも対応しており、スタートアップから大企業までのお客様からご好評いただいています。

導入後の使い方や運用のサポートにも強みを持つシステムへの乗り換えを検討している方もぜひご検討ください。

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