10年後も生き残っているD2Cの戦略とは
EC業界を席巻するD2Cブーム。市場の成長は右肩上がりで続いており、大手企業も参入するなどさらなる活況が予測されています。
一方で、生存競争も熾烈さを増しており、10年後も生き残るためのブランド戦略が重要な意味を持ってきました。
そこで今回は、D2Cで10年後も生き残るための戦略について考察します。事業を継続し発展させるための鍵はどこにあるのか、深掘りしていきましょう。
生き残る戦略はD2Cの本質からブレないこと
10年後もD2Cブランドとして生き残り、成長を続けるにはD2Cモデルの本質からブレないことが何よりも大切となってきます。
D2Cのビジネスモデルは、
- 質の高い商品を自社で製造する
- ユーザーと直接繋がり顧客関係を深める
- 顧客体験を重視した世界観を構築する
- デジタルテクノロジーをフルに活用する
といった項目が重視されます。とくに、ビジョンやコンセプトといった世界観を練り上げ、独自性の高い顧客体験を提供することはD2Cの本質といえます。競合他社との競争が激しさを増すと、ついついこの本質を見失ってしまい、あれこれ手を伸ばしてしまいますがこれはD2CモデルとしてはNG。
あくまでも世界観に基づいたストーリーを商品に紐づけることがD2Cの絶対軸です。
ブームや過度に売上を高める戦略はダメ
例えば、D2Cとは名ばかりのただのECサイトは多くみられます。こうしたサイトはD2Cという流行りに乗って事業を展開しようとしていますが、残念ながら遠くない未来に撤退を余儀なくされるでしょう。なぜなら、D2Cはじっくりと世界観を共有し、ユーザーがファン化することで事業を成長させるビジネスモデルです。ただブームに乗って張りぼてのECを立ち上げたところで、ユーザーに見透かされてしまいます。
また、売上に特化したようなアプローチもD2Cの本質とはかけ離れています。D2Cの理想は、広告を打たなくてもファンが集まり商品が購入されることです。キャンペーンやセールで短期的に集客する戦略は、ユーザーからすぐに敬遠されるでしょう。
より質の高い世界観や顧客体験が成長を後押しする
では、具体的に今後のD2C戦略にはどのような手法が挙げられるのでしょうか。
すでに述べたように、D2Cの本質からブレてしまうような戦略はNGです。より質の高い世界観の構築や顧客体験の創造が成長を後押しします。
具体的には、パーソナライズ化は今後のD2Cのキーワードです。顧客体験の究極の形は、ユーザー個人個人に最適化されたサービスの提供です。パーソナライズ化はその打ち手として大きな可能性を秘めており、すでにD2Cブランドでも続々と取り組んでいるサイトが増えています。
また、絶えずデジタルテクノロジーを吸収していく柔軟さも求められるでしょう。D2Cがスタートアップで爆発的に成長できるのは、高度なデジタルテクノロジーをフルに活用することで、効率化と最適化のスピードを一気に加速させることができたから。今後も世界の技術は短いスパンでアップデートされます。この変化を敏感にキャッチし、常に吸収する柔軟な運営はD2Cの10年戦略には欠かせないでしょう。
もちろん、自社の世界観を洗練させ、より深みを持たせることも大切です。商品の質やサービスのクオリティを高め、ユーザーへの体験を絶えず高めていきましょう。
オムニチャネルやOMOで接点を広げる
今後の戦略として、実店舗の活用も重要戦略となります。例えば、オムニチャネル化やOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの併用)の導入も戦略の1つです。
ポイントとなるのが、あくまでもD2CのベースはECにあるということ。実店舗を使ったD2Cブランドの拡大はすでに見られる動きですが、実店舗で売上をあげることが目的になってしまい、ブランド力が低下した事例は少なくありません。D2Cで実店舗を展開する場合は、あくまでも商品やブランドを認知してもらう接点の場として運営することが重要といえます。
店舗拡大で横への広がり(新規ユーザー獲得)が増えても、ブランドが本来持つべき深み(世界観の構築、ユーザーとの関係向上)が損なわれては意味がありません。実店舗を絡めた戦略は、このバランスをしっかり意識しながら取り組んでいきましょう。
まとめ
今回は、10年後も生き残るD2Cの戦略について考察しました。
D2Cブランドが長く安定した成長を続けるには、ビジネスモデルの本質となる世界観の構築や顧客体験の向上といった「本質」からブレないことが大切です。新たな戦略に取り組む際も、本質からズレていないか?既存のファンへの価値を損なわないか?といったポイントをしっかり押さえることが大切です。
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