D2Cがポップアップストアを成功させるための3つのポイント
ECを軸としたビジネスモデルとして知られるD2Cですが、マーケティング戦略の1つとしてポップアップストアを開設する事業者が増えています。
なぜD2C事業者はポップアップストアを開設するのでしょうか?今回はその理由と、D2Cがポップアップストアを成功させるためのポイントについて解説します。
ポップアップストアとは?
ポップアップストアとは、空きスペースや店舗の一角を利用して開設される期間限定のショップのことをいいます。
常時開設されるのではなく、期間を限定して営業するのがポイント。イベント性や話題性を持たせることで、ブランドのイメージや認知度アップ、ユーザーの満足度向上が目的となります。
そのため、SNSでの拡散を狙った施策やインフルエンサーの起用など、訪れたユーザーはもちろん「画面の先」のユーザーへの影響も見込んだマーケティング戦略と呼べます。
D2Cでもポップアップストアが増加
近年D2Cでもポップアップストアを開設するブランドが増えています。D2Cといえば、ECを軸としてネット完結型のサービスを提供するのが特徴の1つですが、なぜリアル店舗での営業に取り組むのでしょうか?
最大の理由はウェブだけの集客では限界があるということ。ネット完結のサービスを展開するD2Cの広告戦略も、基本的にネットで完結します。しかしこの方法はサービスに興味を持つユーザーは獲得できるものの、まったく興味を示さないユーザーからは無視されてしまいます。バナーやSNSの投稿に工夫を凝らしてもリーチできないユーザーに、ブランドを知ってもらい、体験してもらうことで新規ユーザーを獲得するのが狙いです。
また、ウェブだけで展開されていたサービスがリアルの空間に現れることで、既存ユーザーへの満足度を高めることができます。気になっていた商品を実際に手に取ってみるといった体験や、対面での接客を通してブランドの世界観をより理解してもらえば、リピーターの獲得や顧客ロイヤリティを高める効果が期待できます。これもD2Cがポップアップストアを展開する理由の1つです。
D2Cでポップアップストアを成功させるには?
では、実際にD2Cブランドがポップアップストアを成功させるには、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。ポイントは大きく3つです。
1.世界観を伝えることを重視する
D2Cではブランドのビジョンやコンセプトといった「世界観」へ共感してもらうことが重要な意味を持ちます。共感を誘うことで購入を促し、リピートユーザーの獲得に繋げていきます。
ポップアップストアを開設する際も、この世界観を伝えることを重視しましょう。販売は二の次にして、商品やサービスに積極的に触れていただき、ブランドの想いや商品の品質をしっかり感じてもらいましょう。
実際にD2Cブランドの中にはポップアップストアでは商品を販売せず、ギャラリーのような形態を採用するケースも見られます。ストアと聞くと売上をあげることを考えてしまいがちですが、D2CにはECという強い販売網があります。ポップアップストアでは売上にこだわらず、積極的にユーザーとの交流を図りブランドイメージの向上に重きを置きましょう。
2.体験型の店舗づくりを意識する
ECの弱点は、実際に商品を手に取って確認できない点にあります。D2Cも同じ課題を持っており、ポップアップストアはこの課題を解決するには絶好の機会です。
そこで積極的に商品やサービスに触れてもらえる店舗づくりを意識してみましょう。商品をフルに試してもらい、感動してもらうことでユーザーの購入意欲を高めます。また、SNSへの共有を促すための撮影スポットやアトラクションを用意するなどして、自然な流れで店舗やブランドの情報を共有したくな空間を用意しておくと、情報の拡散を促すことができるでしょう。
3.次へ繋がる導線を用意しておく
ポップアップストアでの体験や感想を「次」へ繋げるための導線を用意しておくことも効果的です。例えば、店舗の情報を#ハッシュタグをつけてSNSに投稿したユーザーを対象にしたキャンペーンや、ポップアップストア来店者への限定商品などを用意するといった施策が考えられます。
重要なのは、ポップアップストアでの体験で終わらせるのではなく、次のアクションを起こすための「きっかけ」を用意しておくこと。実際に行動をして情報の発信や購入をしてもらうことで、ユーザーの記憶にブランドを深く印象づけることができます。
D2Cはオンラインショッピングが軸となるため、次に繋がる体験を用意しておくことで継続的な関係性を築くようにしましょう。
まとめ
今回は、D2Cがポップアップストアを成功させる3つのポイントをご紹介しました。D2CはECをメインとしたビジネスモデルですが、ブランドの世界観をより深く伝えるためや、新規ユーザーに認知してもらうには、ポップアップストアは効果的な施策といえます。店舗を運営する場合は、D2Cの強みや特徴を意識しつつ、来店の「次」へ繋がるための施策を用意しておくことが大切となってくるでしょう。