フィード広告とは?その特徴や媒体の種類と運用方法を解説
ECサイトではより効果的な広告展開が売上アップの鍵を握ります。そこで近年注目を集めているのが、「フィード広告」です。
フィード広告とは、データフィードという機能を使って、さまざまな広告媒体に自動で広告を配信する仕組みのこと。大手ECサイトでも急速に利用度が高まっており、事業者ならその内容をぜひ押さえておきたいところです。
今回は、フィード広告とは何か?どんな特徴があるのか?についてご紹介します。フィード広告を提供している媒体の種類にや運用方法ついても掲載しているので、あわせてチェックしてみて下さい。
フィード広告とは?
フィード広告(データフィード広告)とは、ユーザーが通常閲覧しているフィード内に流れる広告のことです。
ユーザーへ自然な流れの中で表示されるため、ユーザーの注意を引きやすく、クリック率やコンバージョン率が高い特徴があります。
データフィードとは、自社サイトの商品のデータを、広告配信先のフォーマットに変換してくれる仕組みのことで、複数の広告媒体(Yahoo!やFacebook、Googleなど)に自動で広告を配信できます。
つまり、広告媒体ごとの仕様にあわせて、商品データを自動でカスタマイズしてくれるという訳です。
この仕組みのおかげで、事業者は媒体ごとに広告フォーマットを変換する必要がなく、効率的に広告配信を行うことができます。
フィード広告のメリットや特徴は?
ではフィード広告のメリットや特徴をもう少し掘り下げてみましょう。
- メリット1:効果的な広告展開ができる
- メリット2:事業者の負担を軽減できる
例えば、ECサイトで商品を購入したとします。フィード広告では、その際に得られた購入履歴や閲覧データを、先ほどのデータフィードの仕組みを使って自動で変換します。配信される広告は、ユーザーのデータを元に作成されることから、ピンポイントで効果的な広告展開を行うことが可能です。
また、複数の媒体に広告展開を行う場合でも、1つ1つのフォーマットにあわせて変換する作業が必要なく、事業者にとっては大きな負担軽減に繋がります。
フィード広告のデメリットは?
デメリット1:運用の難易度が高い
デメリット2:データフィードの更新・管理に手間がかかる
フィード広告の導入・運用は、専門知識とデータフィードの作成やタグの設定など準備が必要なため、初めて取り組む場合には他の広告に比べて難易度が高いです。
商品のキャッチコピーやタイトルを随時更新しながらPDCAを回す必要があり、媒体や商品毎にデータフィードの作成が必要なため時間と労力がかかってしまいます。
API連携やフィード管理ツールの活用、自動更新システムの導入などを行うことで、データの正確性を維持しながら効率的に運用することがおすすめです。
フィード広告の運用ポイント
目標設定
まず、広告の目標を明確にします。新規獲得・売上増加・認知獲得・サイト流入数増加など、目標が明確であれば、それに基づいて適切なKPIを設定することができます。
データフィードの作成
データフィードは、広告プラットフォームに商品情報を提供するためのファイルです。基本的には以下の要素を含みます。
- 商品ID: 任意の識別子
- 商品名: 商品の名称
- 商品説明: 商品の詳細説明
- 価格: 商品の価格
- 画像URL: 商品画像のURL
- リンクURL: 商品ページのURL
- 在庫状況: 在庫の有無
- データフィードの形式は広告プラットフォームによって異なりますが、CSV(カンマ区切り)、TSV(タブ区切り)、XML、Google Sheetsなど広告プラットフォームごとのフィードフォーマットに合わせてデータフィードを作成します。
- データフィードは更新・管理を最適化するために、API連携や自動更新の設定を取り入れることがおすすめです。
- 適切なツールを活用し、効率的な更新・管理体制を整えることで、データの正確性を保ち、広告のパフォーマンスを向上させることができます。
タグの設置
タグの設置と管理は、広告キャンペーンのパフォーマンスを正確に測定し、最適化するために不可欠です。
Googleタグマネージャー(GTM)やAdobe Launchなど、適切なツールを使用し、定期的なメンテナンスと最適化を行うことで、タグの精度と効率を保つことができます。
基本的には以下の種類のタグを設置します。
- コンバージョンタグ: 広告経由での購入や申込みをトラッキングします。
- リマーケティングタグ: ウェブサイトを訪れたユーザーを再ターゲティングします。
- イベントタグ: 特定のアクション(例:カートに追加、フォーム送信)をトラッキングします。
キャンペーンの設定
広告プラットフォームごとにキャンペーンの設定内容は異なりますが、基本的には以下の情報を設定します。
- キャンペーン名: 管理しやすい名前を付ける。
- 予算: 1日あたりの広告予算を設定。
- ターゲティング:ターゲットユーザーの地域や使用言語などを設定。
- 商品ターゲティング: 商品カテゴリや特定の商品をターゲティングする設定を行う。
- 広告クリエイティブ:画像、動画、カルーセル広告など、プラットフォームに応じた形式を選ぶ。
効果検証と改善
広告プラットフォームのダッシュボードやGoogle Analyticsなどを使用して、効果検証を行います。
クリック率とコンバージョン率を最適化するために、広告クリエイティブやターゲティングを見直し、改善を繰り返します。
また、費用対効果を最適化するためにパフォーマンスの高い広告に予算を集中させ、パフォーマンスの低い広告を停止するなど予算の再分配をします。
フィード広告の媒体の種類は?
フィード広告はその利便性の高さからWeb業界で急速にニーズが高まっています。それに比例して、媒体の種類も豊富になっています。
ここでは、フィード広告の媒体の種類を見ていきましょう。
1.Criteo(クリテオ)
まずご紹介するのは、Criteo(クリテオ)です。
Criteo(クリテオ)の特徴は、Yahoo!へフィード広告を配信できる唯一の媒体であるということ。とくに日本国内ではYahoo!ニュースなどを利用するユーザーが多いことから、人気の高いサービスとなっています。
2.Facebookダイナミック広告
Facebookダイナミック広告もフィード広告媒体の1つです。
Facebookダイナミック広告は、Facebook上で得られる豊富なデータから広告を配信するため、精度の高い広告配信が可能となります。同社の子会社でもあるInstagram(Instagramダイナミック広告)でも同様の仕組みを採用しており、ユーザーの趣味や嗜好にあった広告展開には定評があるサービスです。
3.Google動的リマーケティング
Googleが提供するフィード広告媒体がGoogle動的リマーケティングです。
Google動的リマーケティングは、Googleの検索と連動して広告を掲載しますが、「検索の王者」とも呼べるGoogle内に広告を配信できるメリットは計り知れません。EC事業者なら一度は検討しておきたいサービスの1つです。
4.Googleショッピング広告
Googleでキーワード検索をした際に、関連する商品が表示されることはありませんか?これはGoogleショッピング広告媒体を利用したフィード広告の1つです。
先ほどのGoogle動的マーケティングと違い、商品単体で広告が掲載されることから、ECサイトにおいてはよりコンバージョンに繋がりやすいサービスと言えるでしょう。
5.Smart Newsダイナミック広告
人気のニュースアプリ、Smart Newsが展開しているフィード広告媒体がSmart Newsダイナミック広告です。
ニュースアプリは年々ニーズの高まりを見せていますが、中でもSmart Newsは国内最大手。登録者数も多いことから、広告を掲載する価値も高いと言えるでしょう。
まとめ
今回は、フィード広告についてご紹介しました。
フィード広告とは、データフィードという仕組みを利用することで、広告媒体のフォーマットにあわせて自動で広告を配信できる仕組みのことを言います。例えば、ECサイトでの購入履歴や閲覧履歴をデータ化し、ユーザーに最適な広告を配信することが可能です。データフィードの仕組みを活用することで、媒体ごとにフォーマットを変換する手間が省ける点もメリットと言えるでしょう。
EC事業を展開するなら、より効率的な広告展開が売上アップの大きな鍵を握ります。年々広告展開の精度が向上しているフィード広告は、今後もますます注目を集めていくでしょう。今後の動向にも、ぜひ注目しておきたいところですね!
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