ネット通販の市場規模は2021年地点で13兆以上なうえに過去数年間も拡大傾向なこともあり、近年は参入企業が増えています。
また、その中でも単品通販はカートシステムと商品一品から始められるため、スタートアップ企業での参入しやすく注目されている手法のひとつです。
本記事では、単品通販に参入検討する企業に向けて、基本知識やメリット・デメリットにくわえてビジネス成功に役立つ知識を紹介しています。
目次
単品通販のビジネスモデル
単品通販と聞くと「ひとつの商品のみ特化して販売するビジネスモデル」と思う方も多いのではないでしょうか、実は単品通販は「ジャンルをひとつに絞る販売手法」という意味で、商品を一つに絞らないスタイルも単品通販を指します。
単品通販で展開できるビジネスモデルは以下3点になります。
- アップセル
- クロスセル
- 定期購入モデル
アップセルはひとつの商品を販売・訴求して売上向上を図る手法、クロスセルは複数商品を販売・訴求して売上向上を図る手法です。
そして定期購入モデルは、顧客に一定のサイクル毎に商品を自動配送する契約をして販売する手法になります。
売上の基盤作りに多くの企業が用いており、ストック買いやリピート購入することが多い商品を販売する多くの企業が導入しています。
単品通販のメリット
近年、ECサイトが簡単に作れるシステムが急増し、単品通販を展開する企業が増えています。
そんな単品通販はひとつのジャンルに特化することで以下4点のメリットを得ながら事業展開を行えるのです。
- ・リピート通販展開を行いやすい
- ・小規模から始められる
- ・収益予想を立てやすい
- ・価格競争に巻き込まれにくい
ひとつのジャンルまたは商品に特化するため、ブランド内でさまざまな商品に目移りすることを防げます。
そのため、商材によっては定期購入などを用いたリピート通販を展開しやすいのが特徴です。
また、ジャンル特化をすることで商品開発の工数を省けるため小規模から始められるうえに、収益予想も立てやすくなるためマーケティングもしやすくなります。
個性的な商品を展開することで価格競争に巻き込まれにくくなるのも単品通販のメリットです。
単品通販のデメリット
単品通販は小規模から簡単に始められますが、創業時は以下2点のデメリットを感じることもあります。
- ・ターゲット層が絞られてしまう
- ・ブランドや商品認知活動が難しい
まず、商品のジャンルを絞ることでターゲット層が限られてマーケティングが難しく感じることがあります。
ターゲット層を絞り、ニッチな層への訴求が成功するとブランドが成功することはありますが、ターゲット層が的外れだと売上構築に時間がかかることも。
そのため、広い層にアプローチしつつ的を絞っていく方法を検討するのもおすすめです。
また、単品通販スタート時は商品認知が難しく感じやすくなります。
広告配信やインフルエンサーマーケティングやSEO、SNSなどを手広く、そして長く行うことを視野に入れましょう。
単品通販で成功するためにできること
単品通販はECの中でも展開・拡大がしやすく、従来と比較して低コストで始められるようになりました。
しかし、ただビジネスを行っただけでは売上構築に時間を要することも。
単品通販で成功させるためには以下4点を押さえることが大切です。
商品の差別化を行う
近年、D2Cブランドが急増しており、万人に評価を受ける商品だけではなく「唯一無二の商品を購入したい」というニーズも高まっています。
単品通販を行うときはブランドコンセプトや商品の差別化を行い、価値観を商品の個性に反映させることを徹底してください。
あえてターゲット層を絞るのもおすすめ
先述でもお伝えしたように、単品通販は事業者の意とせずにターゲットが絞られがちなビジネスモデルです。
しかし、マーケティングやブランドの価値観が固定されてきたらあえてターゲットを絞るのもおすすめです。
ターゲットを絞ることで商品のコアなファンを作りやすくなり、将来的なクロスセルやロイヤルカスタマーの増加も狙いやすくなります。
顧客管理・販売施策は創業時から取り入れる
ブランド創業時は商品開発やECサイト作りへのリソースが大きくなりがちのため、顧客管理や販売施策は後回しになることも。
しかし、創業時から未来に向けての顧客の動きや施策の結果はマーケティング戦略のヒントになります。
早めに顧客管理システムを取り入れることも検討しましょう。
単品通販に特化したカートシステムを使う
近年、クラウド型カートシステムの種類や導入企業も増えていますが、単品通販を行うときにカートシステムやECサイトを使用せず、SNSのみで販売を行う企業も少なくありません。
しかし、長期的に顧客が買い物をしやすい環境や事業者側が売上管理しやすい環境を作ることは、ブランドの成長にも繋がります。
単品通販に特化したカートシステムを早めに導入し、戦略を練りながら事業展開を行いましょう。
単品通販向けカートシステムを選ぶコツ
定期通販の設定を柔軟に行えるものを選ぶ
まず、単品通販を行うときは定期通販設定に対応したカートシステムを選びましょう。
創業時に定期通販を検討しなかった場合でも、顧客の声に応える、また事業拡大期に定期通販に対応したシステムを選ぶことで、サイトの仕様変更の工数も削減できます。
定期通販のサイクル設定が柔軟に行えるものを選ぶと、商品に合わせたサイクルで販売もできます。
顧客分析が細やかに行えるものを選ぶ
近年、さまざまな顧客分析ツールが展開されており、単品通販での売上や顧客の年齢、また顧客一人あたりが生む売上などのデータを取得できます。
しかし、データを逐一確認して計算や分析を行うのは手間がかかります。
これらのデータを一括して管理できる、且つ細かい数値を算出できるカートシステムを選びましょう。
フォーム一体型LPに対応できるものを
従来からあるECサイトはさまざまな商品を閲覧し、カートに入れてから注文手続きを行いますが、近年は商品の確認から注文までを一括で行えるフォーム一体型LPの需要も高まっています。
Web広告の遷移先をフォーム一体型LPに、またLPとは別に商品ページを作れるカートを選ぶのもおすすめです。
フォーム一体型でページ離脱を防ぎ、ECサイトでブランドコンセプトや商品詳細を伝えられるという2つの利便性に合わせたECサイトづくりを行えます。
単品通販はターゲットを絞り個性的な商品を販売すること
今回は単品通販の参入を検討する企業にむけて、単品通販のメリットや導入時の注意点にくわえて、単品通販におすすめのカートシステムを選ぶポイントを紹介しました。
単品通販の展開は比較的参入障壁が低く、多くのインフルエンサーや企業が行なっていますが、成功のためにはマーケティングやデータ分析、個性的な商品の開発が必要不可欠です。
今回紹介した内容を参考に、自社に合ったカートシステムを導入してマーケティング工数を抑えられるシステムを選び、単品通販を展開してみてください。
