D2Cとは?分かりやすく理解するポイントや導入時の注意点・事例を解説 - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

D2Cとは?分かりやすく理解するポイントや導入時の注意点・事例を解説

近年、アパレルや化粧品、食品の販売を行う企業がD2Cという販売形式を取り入れています。
D2Cの販売形式は多くの企業が取り入れており、成功を収めていますが、BtoCとの違い、導入時の注意点などを理解する前に導入するのは不安ですよね。
この記事ではD2Cの概要や分かりやすく理解するためのポイントはもちろんのこと、注意点や事例を紹介します。

D2Cとは?

D2Cとは、「企業と消費者(以下、顧客)の間に小売店や業者を挟まず、直接商品を届ける販売方式」を指すマーケティング用語です。正式名称は「Direct to Consumer」と言います。


引用元:売れるネット広告社

D2Cの市場規模は2019年地点で2兆300億円と言われており、現在市場規模は右肩上がりの拡大状態です。

企業が直接個人客に商品を届けるビジネスはECサイトが普及する前から展開されていますが、多くのD2Cと呼ばれるビジネスは、2000年代後半に誕生したデジタルを用いて商品を提供する方式を指しています。

D2Cの特徴

D2Cの一番の特徴は個人客に直接商品を届けられることですが、商品提供するまでの工程や、商品を販売した後にも3つのメリットがあります。

ここからはD2Cの特徴を解説します。

顧客に直接販売するため容易にデータ収集を行える

モール型ECサイトなどでも購入数や売上、各商品の売上データなどを取得できますが、自社でECサイトを制作して販売を行うD2Cは、より細かいデータ収集を容易に行えます。

購入数や売上、各ページのPV数はもちろんのこと、ユーザーが離脱をしたページや、商品ページをどこまで読んだかなどのデータ収集も可能。

売れている商品の売上を伸ばすための戦略だけではなく、売上が伸びない商品および商品ページを改善するためのデータも収集しながら事業を展開できます。

モールの規制などに縛られず自由な販売手法をとれる

多くのECモールは出品時に販売商品を申請し、承認後に申請を行いますが、申請から承認の期間を待たずに商品を販売できるのもD2Cの特徴です。

また、センシティブな商品でECモールの審査が通りづらい場合や、より早く商品を顧客の手に届けたい企業にもD2Cが適しています。

ブランドコンセプトなどを自由に考えられる

D2Cの市場規模が拡大しているのは、マーケティングやデータ収集が容易なだけではありません。

自社でWebサイトやECサイトを制作して販売するため、アパレルや化粧品などのジャンル特化型ECモールのコンセプトに市場に左右されずに、商品を販売できます。

多くのD2Cのブランドがトレンドを先読みした商品や、CS(顧客満足度)を重視した商品を展開できるのは、自由な発想を形にできる環境だからこそです。

D2Cを分かりやすく理解するポイント

マーケティング用語が飛び交う昨今、D2Cを学んだ時に出てくる他のマーケティング用語との違いを理解したり、社内で認識を合わせたりするのに苦労している方も多いのではないでしょうか?

D2Cを理解するためには以下の4点を理解してブランド・商品開発を行うことが大切です。

1.企業(メーカー)と顧客が直接繋がっているかどうか

まず、D2Cの大根源はメーカーと顧客が直接売買を行っていることが前提にあります。

販売前の訴求から商品の売買やレビュー、購入後のアップセルやクロスセルまでを直接行う必要があります。

2.販売チャネル(経路)は自社ECサイトがメインである

ECモールを利用すると、販売当初から商品が多くの人の目に留まりやすくなることから、ECモールでの販売から始める企業も多くありますが、D2Cは自社サイトでの販売がメインになります。

また、ECモールでの販売を並行して自社ECサイトを持つランドも多くありますが、ECモールから自社サイトへの誘導は難しく、モール依存の課題を抱えている企業も少なくありません。

長期的に利益を継続させるためのマーケティングや販売手数料などのコストも考慮して、自社ECサイトで基盤を作ることを視野に入れるのがおすすめです。

3.D2CとBtoCの違いは?

D2CもBtoCも企業から個人にサービスや商品を提供することを表す用語です。D2CとBtoCに大きな違いはありませんが「企業と個人単位の顧客の間に販売代理店や仲介業者を挟んでいる場合」はBtoCビジネスに該当します。

競合調査やリサーチ時にBtoCとD2C企業の振り分けで迷った時は、以下の手順で違いを把握すると良いでしょう。

  • 1.BtoCかBtoBかを見分ける
  • 2.BtoCビジネスの会社が自社ECで販売を行っている場合→D2C
  • 3.BtoCビジネスの会社がECモールをメインに販売を行っている→BtoC

BtoCという大枠の中にD2Cビジネスがあると考えると、企業内でのリサーチなどを齟齬なく行うことができます。ぜひ参考にしてください。

4.D2CとマイクロD2Cの違いは?

D2Cの中にはマイクロD2Cという言葉がありますが「高品質な商品を少量生産(数百単位)し、低価格で提供する」ブランドがD2Cを行う場合は、マイクロD2Cに該当します。

マイクロブランドは、「デジタルに慣れ親しんだZ世代や他の人とは違うものを持ちたい」と考えるユーザー自分に合わせて商品を詰め合わせたものが欲しい、などと感じるユーザーから比較的支持を得やすいと言われています。

多様性や個性を意識したユーザーに商品を届ける場合は、マイクロD2Cを検討するのもおすすめです。

D2Cを導入する際の注意点

D2Cは企業の長期的な成長と顧客への満足度向上に適した手法ですが、成功させるには細やかなマーケティングやプランニングが必要になります。

D2Cを導入する前に以下の注意点を確認して、導入の準備・検討を進めましょう。また、SNSやその他分析機能で無料で使えるものも調べて積極的に活用するのもおすすめです。

初期の資金繰りやプランニングは計画的に

D2Cビジネスは商品開発やリサーチにくわえて、自社でECサイトの制作や顧客とのやりとりを行うため、立ち上げ時はECモールで出店するより費用と時間を要します。

その他、人件費やサイトの運用費、配送料などを計算しつつ計画的にスケジュールを立てて行いましょう。

スピード感を持って時代の変化に対応する

D2Cは自社内で商品販売やサイトの運用、マーケティングや顧客とのやりとりを一貫して行うため、総合的に情報を見ながら計画を立てられるという強みを持っています。
この強みを活かすために、スピード感を持ってトレンドや時代の変化に対応しながらビジネスを展開することも大切です。

ブランドの個性を出して差別化を徹底する

近年、多様化や個性を尊重する傾向があり、他社にはない強みであるUSP(Unique Selling Proposition)のある企業がより個性を発揮して注目度や売上を伸ばしています。

また、ベーシックな商品は万人から好感を得る一方、ECモールなどに類似商品があると顧客が離れてしまうことも。

コンセプトやストーリーをしっかりと組み立てながら、自社ECでしか買えない商品を開発して差別化を徹底してください。

マーケティングと集客を抜かりなく行うこと

D2Cビジネスを行う企業の中には自社で販売や宣伝に手一杯で、マーケティングや顧客分析、集客に手が回らなくなってしまう企業も少なくありません。

しかし、マーケティングや集客は時代の変化が激しい昨今には必要不可欠な作業です。データを収集できるツールを早めに導入し、データを蓄積しながら綿密なマーケティングや集客を行ってください。

導入時の不明点は専門企業に相談を

大企業や大手の子会社は知識や人員のリソースを持ったまま新規ビジネスを行えることが多いですが、ECサイトの開発経験がない企業にとっては何から行うべきか迷うこともあるでしょう。

また、ECサイトの構築には顧客が買い物や支払いを行うためのシステムの導入やマーケティングツールなどが必要です。多くのツールの中からどれを入れるべきか迷った時のために、専門企業に相談することも視野に入れてください。

D2Cの導入を分かりやすく理解できる企業事例を紹介

企業が新しいビジネスを導入するときは、事例を見てから進めたいものです。ここからは、D2Cビジネスで大きく成長した企業の事例を紹介します。

バルクオム

bulkhomme

バルクオムは2013年に生まれたメンズスキンケアブランドです。D2Cという言葉が一般的ではない時代からD2Cの販売形式を取り入れていました。

商品は従来のメントールなどを含んだ爽快感を重視したスキンケア化粧品とは異なる「高保水力と低刺激」にこだわったこと。また、男性向き化粧品の市場が注目される前からニッチで美意識の高い男性から注目を集めていたことでブランドが急成長。

集客は、SNSでハッシュタグ検索を用いる人が増えていることを見込んで「タグる」と情報が多く出てくる仕組みを作っています。

単品コースと定期購入コース以外に、サブスクリプションモデルも用意して新規顧客を取り入れたのも成功要因のひとつです。ブランドイメージの統一や集客、新規顧客獲得を一貫して徹底したことで成功した事例と言えるでしょう。

レカルカ化粧品

レカルカ化粧品は、エステサロンから始まった化粧品ブランドです。エステサロンの顧客の肌データを活かして、エビデンスにもとづいた新しい話題の成分を配合した化粧品を開発し続けています。

レカルカが成功したのは、エステで培ったスキルや顧客とのコミュニケーションだけではなく、「広告宣伝に大きな費用をかけずに、やれることを行う」マーケティングを視野に入れたためです。

YouTubeチャンネルやブログにくわえて、オンラインカウンセリングの導入やLINE IDとの連携でのクーポン配布を導入。自社のスキル内でできることを積極的に行っています。

また、事業拡大とともにカートシステムなども導入し、システム面でのCS向上を心がけたのもLTV維持の要因となっています。

江戸一

edoichi

江戸一は創業107年の佃煮屋で実店舗からD2Cの導入を行った企業です。

商品をスーパーマーケットや飲食店にも卸売していましたが、食生活や買い物の仕方の変化に合わせて、佃煮の概念にとらわれないコチュジャンやキムチ、果物を使用した佃煮を展開。販売チャネルもより多くの顧客に届けるためにWeb化を意識していました。

EC事業を初めて行う中で専門の企業に相談してカートシステムを導入。受注から出荷までの作業の削減にくわえて、各顧客購入回数や価格などを分析してポイント付与率や割引率を設定できる顧客ランク機能も活用しています。

現在、店舗販売をメインに行なっている企業の方が参考になる成功事例とも言えるでしょう。

D2Cは概要とポイントを理解して導入を

今回はD2Cを分かりやすく学びたい方や導入を検討している企業に向けて、概要や他用語との違いにくわえて、D2C導入時の注意点や事例を紹介しました。

D2Cはの導入が難しく感じる方も多いですが、概要を理解しながら時代に合わせたマーケティングや戦略を行えば企業の成長につながります。予算管理やマーケティング分析などを綿密に行いながら、企業の成長に役立ててください。

 

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