CRMで使える分析手法とは
CRMの取り組みの中で活用できる分析手法には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、実際に利用されることの多い分析手法について、いくつかご紹介します。
デシル分析
CRMにおける分析手法のひとつに、デシル分析があります。
デシル分析とは、顧客総数の1/10をひとつの単位として調査をおこない、CRMに活かせる有益な情報を獲得する分析手法です。
デシル分析の手順
まずは購買履歴データより、購入金額が多い順番からお客様を並べましょう。次に、上位から下位までを10段階でランク分けします(デシル1からデシル10)。ひとつのランクに属する人数は、それぞれ顧客総数の1/10になるはずです。
この分析手法からは、上位3割のお客様(デシル1からデシル3)の購入金額が、総売り上げ7割を占めるといった偏重の傾向が見えてくるでしょう。
分析結果から利益向上へ
CRMに取り組む上で、デシル分析から得られるデータはとても重要です。上位何%のお客様からもたらされているのかを把握できれば、「大切なお得意様」が特定できて、クーポン発行など、特別な待遇を決定できます。
お客様へのサービス提供にあたっては、必ず時間や労力、経費といったコストが発生しています。もたらされる利益に見合ったコストの最適配分を意識し、利益率を高めるようにしましょう。
RFM分析
CRMには、RFM分析と呼ばれる分析手法もあります。
・Recency(最近の購入日)
・Frequency(訪問頻度)
・Monetary(購入金額)
この3つの指標で分析した結果は、顧客のロイヤリティを分類するのに役立ちます。この分析手法を用いる場合、お客様の購買履歴データに加えて、来店履歴データも準備しておきましょう。
RFM分析の手順
R、F、Mそれぞれを3~5段階のランクに分けましょう。R値は最近の購入日からの経過日数でランク分けし、経過日数が短いほど上位ランクとしてください。
F値は訪問回数が多いほど上位ランクに、M値も購入金額が多いほど上位となるようランク分けします。こうして、すべてお客様にR、F、Mの値を付与していきましょう。
分析手法を工夫する
この分析手法でR、F、M値を5段階にすると、5x5x5=125とおりの区分けができました。ここで区分けできた顧客層それぞれに対し、より適切なCRMの取り組みが実施できるようになります。
しかし、あまりにもパターンが多い場合には、それぞれ適切に対応することは難しいかもしれません。そのような場合は分析手法を工夫してみましょう。R、F、M値3つを合算し、(R+F+M)ランキングにする(総合ランク)といった方法もあります。
また、定期購入や化粧品などは訪問頻度や購入頻度が変化しにくく、R値とM値での分析が現実的でしょう。高額商品を買った顧客を偏重しないようにするには、R値とF値での分析が有効です。CRMに活かせることが大事ですので、状況に応じて分析手法を工夫してみましょう。
CRMでお客様に適したアプローチを
CRMでは、お客様と良好な関係を保ち続け、愛され続けるよう取り組まねばなりません。それはつまり、いかに顧客離れを防ぐかという取り組みでもあります。お客様は皆同じではありません。CRMにおける分析手法から、それぞれのお客様に応じた販促やコストの掛け方を工夫し、利益向上に活かしましょう。
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