マーケティング担当者必見!CRMとSFAの違いを理解しておこう
CRMとSFAには違いがあれど、そこから得られたデータはマーケティングに有効利用できます。CRMとSFAの違いはマーケティングの視点から見てどのような相違点や一致点があるのかをみてみましょう。
SFAとは
一般に「営業支援システム」と称されているものです。
営業活動に特化
SFAとは「Sales Force Automation」の略で、強いて訳せば「営業(販売)部門の自動化」といったところでしょう。
「オートメーション」という言葉ですぐに連想されるものと言えば、「OA(オフィスオートメーション)」や「FA(ファクトリーオートメーション)」です。事務所や工場内での業務を機器によって自動化するというものですが、営業(販売)の場合ですと、営業活動のプロセスを数値化することを意味しています。
営業プロセスの標準化
営業は見込み客への訪問に始まって、提案、見積もり、成約・失注に至りますが、SFAはまず、このプロセス自体を標準化することから始まります。
これにより営業マンの行動が可視化でき、上司の的確なアドバイスにつながるのです。
受注確度の数値化
営業マンが一番求められるデータは、いつどれだけ売れるのかという見込み情報。これは本人の報告に頼るしかないのですが、「来月300万円受注予定」という報告でも、なかなか進捗せずに1か月また1か月とズルズル伸びたりします。往々にして当人の主観が入ってしまうからです。
そこでSFAでは、受注にいたるまでの条件(決裁権限者の了解済み、社内稟議プロセス確認済み、価格ネゴ完了、等)をチェック項目として設け、それらを塗りつぶすことで受注確度を客観視できるようにしました。担当営業者の主観が入り込む余地がないため、報告の精度が高くなります。
これらの標準化・数値化に関連して、見積書、請求書、商品マスター、顧客とのコンタクト頻度の分析等の機能が活用されるのです。
CRMとは
顧客管理としておなじみのCRM。原語の「Customer Relationship Management」にあるように、顧客との関係性を管理するという意味があります。
単に顧客データを「名前」「住所」「性別」「購入日」「購入製品」などの項目で記録するだけではなく、それらを活用して顧客との関係を維持あるいは切り捨てて、売り上げの拡大を図るところを目的としています。
マーケティングとしては、市場での消費や嗜好の動向を把握するための貴重なデータとなります。
CRMとSFAは相互依存でマーケティング効果
マーケティングの観点で見ると、CRMもSFAも最終的には「売ること」を目的としていることに違いはありません。
SFAは営業マンの活動を管理するのに対し、CRMは顧客との関係性を向上させることに目的としている点が違います。したがって営業部門のない組織にはSFAは不要といえます。
しかし両者には共通する部分があります。SFAが扱う見込み客の情報元は顧客データベースです。「見込み客とのコンタクトが途絶えたらアラートを出す」というような機能がありますが、これなどはCRMそのものではないでしょうか。
最近のマーケティングではSFAはCRMの一部であるとして、SFA/CRMという表現も増えてきています。
最終的なゴールは売上向上
CRMもSFAもマーケティングも、登場したころに比べて対象範囲が広がり、境界線もあいまいになっています。最終的に目的とするところは同じですから、それらの違いこだわっても意味がなく、どちらもマーケティング手法の一部として考えた方がすんなり行くかもしれません。