ECサイトにおけるCRMの成功事例を集めました
ECサイトでは近年、CRM(顧客関係管理)が注目を集めています。
顧客との関係を管理し良好なものとすることで、売上の拡大を目指す取り組みですが、各サイトでは具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。
今回は、ECサイトにおけるCRMの成功事例をピックアップしてご紹介します。
CRMとは?
CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれています。
ECサイトでは多様なユーザーと接点を持つことになりますが、こうした顧客情報を管理し、関係性を深めることで売上の拡大を目指すことにCRMの狙いはあります。具体的にはリピートユーザーの獲得やファン化を促し、個人のLTVを高めるといった戦略が挙げられます。
なぜECではCRMが重要なのか?
EC業界でCRMが注目される理由として、競争の過熱化が背景に挙げられます。年々ECサイトの数は増加傾向にあり、サイト間の競争も激しさを増してきました。
こうした状況の中で新規顧客の獲得だけに注力していては、大手との価格競争に巻き込まれ企業体力を奪われてしまいます。そこで、既存顧客との関係をしっかりと成熟させ、1人1人のLTVを最大化させることが注目されるようになってきました。
ユーザーがECサイトに求めるニーズが「体験型」に変化して来たことも、CRMを加速させた要因の1つでしょう。
ECでのCRM施策の成功事例4選
では、具体的に各ECサイトではどのようなCRM施策を行っているのでしょうか。
ここでは、CRMの成功事例とされる4つのサイトをご紹介します。
事例1.やずや
1つ目は健康食品ECのやずやです。
やずやは早くからCRMに力を注いだ企業として知られていますが、その根幹を支えたのはCPM分析です。
CPMとは「顧客ポートフォリオマネジメント理論」の略称で、やずやの西野博道社長が提唱した理論として知られています。既存顧客を購入頻度や購入タイミングごとにグループ分けし、それぞれのグループに対して最適なアプローチを行うことで、LTVの最大化を目指すというもの。
やずやこのCPM分析を元に大きく売上を伸ばし、健康食品ECとして確固たる地位を築きました。
事例2.ドクターシーラボ
2つ目の成功事例はドクターシーラボです。
化粧品ECの大手として名高いドクターシーラボですが、以前は効率的な業務運営を追い求めるあまり、顧客とのコミュニケーションが不足する状況にありました。
こうした状況を打開すべく、ドクターシーラボではCRM施策に力を入れます。まず、コールセンターなどのKPI設定を見直すことから始めました。従来の効率性重視のKPIから、ユーザーとの関係性を深めるCRM重視のKPIに変更することで、社内全体で意識の統一を図ります。
また、SNSやメルマガといった顧客との接点が多いマーケティング部門を強化し、コミュニケーションを重視する方針に舵を切ります。こうした取り組みが功を奏し、ドクターシーラボは売上やLTVの改善に繋げることに成功。
化粧品はユーザーとの信頼感が売上に影響しますが、CRMを通して信頼関係を構築したことで大きな成功収めた好例と言えるでしょう。
事例3.アンファー
3つ目の事例は、男性向けの育毛シャンプー・スカルプDを手掛けるアンファーです。
アンファーではCRMの目標として、定期購入ユーザーの拡大を目指しました。商品やヘアケアに関するコンテンツの充実や、情報冊子の同封、定期購入へ繋がる導線をしっかり用意するなど、きめ細かな施策を投入しています。
また、社内でCRMに取り組む機運を高めるために、チームビルディングにも注力。ブランド戦略やデジタル戦略の専門チームを立ち上げ、チームごとにKPIやKGIを設定することでCRMを加速させています。
事例4.カゴメ
最後にご紹介するのは、カゴメです。
カゴメでは、原材料の高騰や流通コストの増加によるEC部門の売上悪化が課題でした。こうした状況を改善すべくCRMに取り組みますが、まず力を入れたのがコールセンターです。
コールセンターは顧客と直接コミュニケーションを取る部門だけに、CRMにおいては重要なポイントと言えます。カゴメでは各オペレーターに裁量権を与え、顧客それぞれにきめ細やかな提案をできる環境を整備。6ヵ月後にはLTVが前年比の28%増を記録するなど、劇的な成果を挙げています。
また、ユーザーがストレスのない購入体験を実現すべく、サイトのUI改善や配送用の段ボールの改良など、細かな施策にも取り組んでいます。
まとめ
今回は、ECサイトで注目を集めるCRMの成功事例をご紹介しました。
CRMは顧客との関係を良好に保ち、深めることで売上の拡大に繋げるアプローチです。ECサイトでは効率性を重視した運営が注目されがちですが、ともすればユーザーとのコミュニケーションがおざなりとなってしまいます。
競争が過熱化し、独自性が求められる時代において、CRMは他社との差別化を図りリピーターやファンを獲得するには効果的な施策と言えるでしょう。
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