必読!化粧品業界の市場規模の動向
化粧品ECサイトの開設を考えている方は、本記事は必読です。
EC業界の市場規模は拡大の一歩をたどっていますが、化粧品業界の未来は決して、順風満帆なわけではありません。
化粧品業界の市場規模の動向を詳しく見ていきましょう。
EC業界はこれからも拡大していく
まずはEC業界自体の市場規模をおさらいしておきましょう。現在の市場規模と未来の動向の2つに分けてまとめました。
現在のEC業界の市場規模
EC業界がなぜ注目されているのか、その市場規模を見ればすぐに分かるはずです。
経済産業省の「平成27年(2015年)度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2015年度のEC業界の市場規模は13兆7,746億円で、前年比で7.64%の成長を記録しました。
EC化率に目を向けると、2014年度の国内のEC化率は4.75%で、前年と比べて0.38ポイントの増大です。
未来のEC業界
ヤフー執行役員の小澤隆生氏は、EC業界の市場規模はこれからも拡大を続ける言います。
同氏によると、EC業界の市場規模は、2018年度には20兆円に達するそうです。そして、現在4.75%のEC化率は20%になるとも予測しています。
さらに将来小売り市場において、ECを経由して創出される富は50兆円。スマートフォンを使う高齢者により、未来では地方と都心のEC利用率が縮まるとも言及しています。
スマートフォンを使う高齢者により、未来では地方と都心のEC利用率が縮まるとも言及しています。
これからEC市場は拡大の一歩を辿ることがわかりました。それでは、化粧品市場はどうでしょうか。
現在の化粧品業界の市場動向
矢野経済研究所の「化粧品市場に関する調査結果 2016」によると、2015年の化粧品業界の市場規模は2兆4,010億円でした。外国人旅行客をターゲットにしたインバウンド施策が功を奏し、前年比103%の増加です。
今後も市場規模が微増していけばよいのですが、いつまでもこのトレンドが続くとは限りません。上記の調査から推測すると、化粧品需要を支えているのは、中国人などの外国人旅行客でしょう。日本国民の間での需要がどれだけ大きいのか。今後どれだけ伸びしろがあるのか。未だ不透明なままです。
現在の消費者行動にも目を向けてみると、化粧品業界にとって厳しい現実が見えてきます。長く続いている不景気が原因で、消費者は高機能かつ低価格の商品を求めています。結果的に、企業の収益が減少しているのです。
次に、販売チャネルについて見ていきましょう。
上記の平成 27 年度我が国経済社会の 情報化・サービス化に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)によると、2015年の化粧品、医薬品のEC市場規模は4,699億円でした。
純粋に化粧品のみ絞ると、市場規模はもっと小さくなります。化粧品販売のECサイトの開設を考えている方は、この4,699億円<の市場の中で、大手を含む他ECサイトとシェアを奪い合うことになるのです。
未来の化粧品業界の市場動向
化粧品業界の未来にも目を向けてみましょう。近年、富士フィルムなどの異業種からの参入が目立ちます。さらに外資も参入することが予想されるので、化粧品業界の競争はますます激化していくでしょう。
もう1つの厳しい現実が少子高齢化。若年層が減っていき、これから化粧品の市場規模は縮小していくと予想されます。中年・高齢層向けの化粧品を打ち出せば、まだ挽回の余地はあるかもしれません。
とはいえ今現在の商品で最大限の利益をだすためには、国内だけではなく、海外にも目を向けることが重要です。
たとえば、資生堂はすでに中国の富裕・中間層をターゲットに、販売チャネルを構築しています。さらにベトナム、ギリシア、スイス、米国、韓国、トルコなどに相次いで子会社を設立するなど、海外展開にも積極的です。
国内の市場は競争が厳しく、市場も縮小していきます。いっそ海外の消費者向けに化粧品販売ECを開設するのが、合理的なのかもしれません。
※関連記事「 EC市場の動向からみる必要な対策とは?」
国外での化粧品EC販売はチャンスが大きい
化粧品の国内市場が厳しいとあれば、海外に目を向けるのは当然の動きです。経産省の同調査では、アメリカ、中国、日本間の越境ECについても言及しています。
注目すべきは中国市場で、越境ECの購入先は日本(17%)がアメリカ(22%)に次いで2位。中国ではまだまだ日本産の商品に対してポジティブなイメージを持っていると推測できます。
さらに中国人が越境ECで購入するのが、化粧品・コスメ(57%)です。首位の衣類・アパレル(59%)ともほとんど差がありません。以上のデータから、中国のEC化粧品市場はポテンシャルの高いマーケットではないでしょうか。
タイ市場も魅力的です。アジアのなかでも化粧品市場模規模が大きく、今後もさらに拡大することが見込まれます。さらに株式会社DI Marketingの調査によると、調査対象のタイ人女性の70%がECで化粧品を購入したことがあるとのことです。
日本製の化粧品も続々と進出しています。たとえば2016年はカネボウ化粧品が新ブランド「KANEBO」をタイで発表しました。
(参考元:日本経済新聞カネボウ、タイに化粧品新ブランド展開)
ただしタイ女性の間で最近人気が高まっているのが韓国系のコスメティックブランド。タイではKPOPや韓国ドラマの人気が高く、空前の韓流ブームです。質の高い韓国製化粧品も人気があります。
タイで化粧品ECを展開したいのなら、韓国製化粧品をはじめ、欧米系のブランドとの激しい競争は避けられません。しかし市場規模と消費欲を考慮すると、挑戦してみる価値はあります。
定期購入型のネットショップ開設ならリピストに決まり
化粧品業界の国内市場の未来は明るいものとは言えません。異業種からの参入で競争は激化し、将来的には市場は縮小していくでしょう。
そんな傾向を見越してか、資生堂をはじめ国内メーカーの海外展開が始まっています。
これから化粧品販売ECサイトの運営を考えている方は、海外の消費者向けに商品を販売することも、視野に入れておきましょう。
化粧品ECで成功するカギは、リピーターの獲得です。リピストの定期購入型カートなら、リピート購入も楽ちん。順調にあなたのサイトのファンを増やせます。