BtoCのEC市場 動向と技術からわかる日本の社会
BtoCのEC市場では、常に新しい技術やトレンドが生み出されています。そしてその背景には、いずれも現在の日本の社会情勢が影響していることがわかります。今後の方向性を定めるためにも最近のEC市場の傾向をおさらいしておきましょう。
越境ECの顕在化
2015年は中国人による大量購入、いわゆる「爆買い」が流行した年でした。訪日旅行でのリアル店舗の買い物巡りは、まもなくEC市場にも流れ込んできました。
しかし、これ自体は今に始まったことではありません。EC市場においては、当時から国内では手に入らない商品を海外サイトで購入するということが普通に行われていたのです。
中国語対応したECサイト
それをあえて「越境EC」と表現しているのは、国内のネットショップが積極的に海外顧客を取り込みだしたという新たな動きが起こったからです。多くのショッピングサイトが、インターナショナルシッピング可、中国語版の画面、瑕疵対応ポリシーの明確化等の対策を打ち出しました。
売り手としての日本側の越境ECにはBtoC販路拡大という当然の目的がありますが、その裏には日本国内の人口減少で消費が頭打ちになっているということを見落としてはいけません。
注目が集まるオムニチャンネル戦略
リアル店舗、バーチャル店舗(ネットショップ)の境目なく、消費者にサービスや物品を提供することを目指す「オムニチャンネル」という戦略が注目を集めました。
顧客にとっては必要なものを入手するための物理的、時間的な制約が少なくなるということで好評をもって迎えられています。
流通の手間とコストを軽減
最近の物流業界は、トラックドライバーの不足、高齢化に加え、人々の生活パターンの多様化から配達時間が多様化しています。中でも特に問題となっているのが配達時の不在、再配達による手間とコストの増大です。
オムニチャンネルの一例である「コンビニ受取サービス」などは、まさにこの負荷を軽減できるものとなります。ネットショップにとってはサービスの向上、顧客にとっては利便性の向上と、流通部門を巻き込んだ「三方良し」が期待できるとあって、これからのBtoC EC市場においてはスタンダードとなるでしょう。
スマートフォンの伸びは依然続いている
女性向けアイテムの通販を得意とする千趣会は、Amazonに次いでBtoCのEC市場シェア第2位にありますが、2014年度の売り上げには大きな変化がありました。売上高は前年とあまり変わらなかったものの、モバイル版のサイトを改良した結果、スマートフォンからの売上高が昨年比1.5倍増えました。
通販新聞の“月刊ネット販売調べ(2015年10月発表)”によると、ネット受注比率も大きく伸びて75%に達したということです。このほかにも、スマートフォン用画面の見やすさや検査のしやすさを改善したショップでは、いずれも売り上げが増加。これを裏付けるEC市場データを2つご紹介します。
総務省/平成26年度版情報通信白書
ネットの利用手段が1位の自宅のパソコン(58.4%)に次いでスマートフォンが42.4%で2位となりました。保有者のうちの3割が、スマートフォンでネットショップのBtoC利用頻度が増えたと回答しています。
博報堂DYホールディングス/平成26年調査
スマートフォン保有者は60%近くとなり、10~20代ではついに8割を超えました。
若者世代のマーケットを取り込むために
BtoCネット通販の利用者のうち、50代以上はほとんどがパソコンを利用するのに対し、10~30代は30%くらいがスマートフォンを使っているという調査結果も出ています。特に若者世代向けの商材を扱うネットショップでは、モバイル向けサイトの使い勝手を改善するなどの対策を講じておくことが、売上を向上させるための必須条件といえるでしょう。
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