今おさえておきたい中国EC市場の動向 - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

今おさえておきたい中国EC市場の動向

近年、急速な発展を続ける中国のEC市場。その成長率は、中国国内だけでなく世界規模でも注目を集めています。

今回は中国のEC業界の動向についてみていきましょう。

中国のEC市場の現状

現在中国のEC市場は、国内経済の発展やEC企業の品揃えの充実などから拡大を続けています。

中国のEC市場は60兆円規模へと成長

中国でのEC市場は、2015年40兆円にのぼることが発表されました。その成長は著しく、2016年には60兆円を超えることが予想されています。(参考:中間層の増加で中国EC市場では品質の高い商品が売れる状況に変化

この数字は、市場規模はもちろん成長率においても世界一とされ、その爆発的な成長力が業界からも大きな注目を集めています。

1兆円規模を超える企業が新たに登場

これまで中国のEC業界は、天猫と京東の2社がシェアの大半を担ってきました。しかし、2015年の調査では、VIPショップと蘇寧易購も1兆円規模のシェアを獲得して、新興勢力として名乗りをあげています。

これは中国におけるEC利用率の増加をうかがわせるトピックスのひとつで、「今後さらなる成長を見せるのか」「新たな1兆円企業が生まれるのか」など、世界でもその動向に関心が寄せられています。

日本でも無視できない中国市場

中国では国内におけるEC市場だけでなく、国外との「越境EC」も拡大をみせています。2015年に中国人におこなわれた調査では、「過去1年間に越境ECを1度でも利用したことがある国」として、日本はアメリカに次いで世界2位と発表されました。

シェアは全体の17%にものぼることから、日本のEC企業でも中国向けの戦略を迫られています。いまや中国のEC市場は、世界規模のビジネスチャンスを生む存在として、無視できない状況と呼べるでしょう。

新越境EC制度の影響は?

ここまで現在の中国ECについてみてきましたが、今後の中国ECの動向を考えるうえで見逃せないのが、2018年に本格導入される「新越境EC制度」です。

「新越境EC制度」とは、中国での越境ECに関する税制改正のことをいいます。 これまで中国のEC市場には、保税区と呼ばれる税制上の優遇地区が存在しました。

優遇措置には、 
・複雑な輸入手続きの免除
・50元以内の輸入に対する免税措置

などがあげられます。しかし新たに導入される「新越境EC制度」では、こうした優遇措置の一部が改正または廃止されることが発表されています。(参考:5分でわかる中国の新越境EC制度。押さえておくべき重要ポイント【最新版】

コスト増に備えた柔軟な対応を

新制度における影響は、扱う商品によって税率に差があることから一概に判断をくだすことはできません。

しかし、これまで必要なかった輸入許可証が求められる点や、細かな制度の追加などからコストが増加することも考えられます。

こうしたコスト増加への対抗策として、日本企業は中国法人を経由したEC事業の展開などを視野に入れなければなりません。扱う商品やコストを綿密に計算し、柔軟な対応を進めていくことが鍵となります。

世界規模の中国市場から目を離さない

世界規模でそのシェアを拡大している中国のEC市場の動向は、業界に関係する人にとって大きな関心事です。今後本格的に導入される新制度の影響を視野に入れながら、柔軟な事業運営を心掛けておきましょう。