ネットショップ事業者が実店舗を展開する理由
最近、ネットショップ事業者の実店舗展開が増えてきています。
今回は、どのようなネットショップ事業者が実店舗を出しているのかがわかる事例紹介と実店舗を出店する理由を見ていきます。
ネットショップ事業者の実店舗出店の事例
まず、ネットショップ事業者の実店舗出店の実際の事例です。
駿河屋
中古ゲームや古本などのネットショップ「駿河屋」は、2015年12月に「駿河屋高槻店 フィギュア・キャラクターグッズ館」を2016年4月に「駿河屋秋葉原店 アニメ・ホビー館」と、「駿河屋秋葉原店 ゲーム館」をオープンしました。
ネットで事前に査定をして、実店舗で買取ができるサービスを実施して、ネットショップと実店舗を連動させています。
EC-JOY
家電のネットショップ「EC-JOY」は、2015年12月に東京の亀有に実店舗の「JOY!STORE」を出店しました。
食料品や日用品、医薬品、お酒などを取り扱い、オーガニックコーヒーなどを提供する休憩スペースも併設されています。
藤巻百貨店
日本をテーマにしたアイテムを取り扱うネットショップ「藤巻百貨店」は、2016年3月に東急プラザ銀座内に実店舗を出店しました。
ネットショップで販売している商品や、銀座店限定商品なども取り扱っています。
TMIX(ティーミックス)
オリジナルTシャツをデザインして注文ができるネットショップ「TMIX」は、2016年4月に渋谷のオフィス内にTMIXショールームをリニューアルオープンしました。
予約制のショールームで、20畳ほどのゆったりとしたスペースにサンプル品がすべて展示されています。
DHOLIC(ディーホリック)
韓国発ファッションのネットショップ「DHOLIC」は、2015年9月にルミネエスト新宿に実店舗をオープンさせました。
20代の女性を中心に幅広い世代をターゲットとして、ネットショップで人気のアイテムや店舗限定アイテムなどを販売しています。
Amazon(アマゾン)
アメリカの「Amazon」は、書籍販売の実店舗「Amazon Books」を続々とオープンさせています。
シアトルにオープンした1店舗目のAmazon Booksは、書籍の表紙が見えるように陳列してあったり、KindleやFire タブレットなどを実際に体験できるコーナーがあります。
また、「Amazon Go」という画像認識AI(人工知能)を導入した、食品スーパーもシアトルに近々オープンする予定だそうです。
ネットショップが実店舗を出店する理由
ネットショップが実店舗を出店する理由として、以下のことがあげられます。
ネットショップのデメリットを補う
ネットショップのデメリットを実店舗で補うことができます。ネットショップの場合、商品の写真や説明、レビューなどの情報のみで購入を決めなければいけません。
実店舗だと、商品についての疑問があれば、すぐに店員に質問することができます。実際に商品を手に取ってから購入したいと思う人は、実店舗で購入するでしょう。
また、ネットショップの場合、購入してから商品が手元に届くまでに時間がかかります。実店舗だと、購入してすぐに家に持ち帰ることができますし、送料もかかりません。
新規顧客の獲得やブランディング
実店舗があることによって、インターネットで買い物をしない顧客の獲得が可能になります。実店舗で商品を購入したお客様が、商品を気に入って次回からネットショップで購入してくれることもあるでしょう。
また、ネットショップのページに実店舗の情報があると、安心感を与えることができ、購入のハードルが下がります。実店舗は、知名度を上げてくれるし、信用も得ることができるのです。
費用対効果の予測が重要
さまざまなネットショップ事業者が、ネットショップだけではできないサービスを提供するために実店舗を展開しています。
ネットショップと実店舗の両方があることで、それぞれのデメリットを補うことができますが、実店舗の運営はネットショップとは比較にならない規模の費用がかかります。
そのため、実店舗の開店はネットショップの開店以上に厳密な予測と計画が必要になります。