LTVの計測で何がわかるのか? - リピスト | EC/D2Cサイト構築システム

LTVの計測で何がわかるのか?

LTVの計算方法を利用して実際に算出された自社のLTV。
この数値を実際の経営でどのように利用すべきなのか?

今回はLTVを計測する目的やLTVの活用方法を解説します。

LTVの計測とその意義

LTVを計測する意義は何なのでしょうか?

「LTV」=「購買1回あたりの平均収益(平均購買価格×粗利率)」×「平均年間購買頻度」×「平均購買年数」・・・【式A】

この【式A】を用いてLTVの計算方法についてで挙げたラーメン屋さんの例を用いて、LTVを計測する意味を考えてみましょう。

ラーメン1杯の平均購買価格を500円、粗利率が80%とし、顧客一人が平均20回、平均3年間通ってくれるとするとLTVは

【500円×0.80×20回×3年=24,000円】

となります。

この数値から、このラーメン屋さんでは顧客1人あたり平均24,000円の収益をもたらしてくれることになります。

このラーメン屋さんが開店した時から店を閉じるまでに10,000人の顧客を抱えたとすると、通算で240,000,000円の収益を得られることになります。

LTVにより、今までの販売実績から閉店までの通算の収益をざっくり求めることができるのです。

そのためにはこれから増える新規顧客数や閉店時期、顧客の性質の変化を予想しなければならないので、必ずしも正解の数値を導き出せるとはいえませんが、大体の予測をつけることができます。

その予測をもとに、初期投資やローンの返済などの計画を考えていくとともに、店舗改装などの時期も判断することができるのです。

しかし、LTVを算出することにはもっと大きな意義があります。

LTVにより販売促進活動を正しくコントロールできる

LTVとは顧客1人あたりが企業にもたらす収益のことをいいます。

逆に考えると、その顧客1人を獲得・維持するためにLTVの金額を超えた出資をしてはいけないということになります。

LTVを考慮しないと・・・?

上記のラーメン屋さんの例を参考にすると、LTVが24,000円であるため、1人の顧客を獲得・維持するために24,000円以上かけては赤字を招きます。

たとえば、新たな広告を掲載し、その広告の影響で500人の新規顧客を得たとします。500人がラーメン屋さんにもたらす収益は

【24,000円×500人=12,000,000円】

です。

もしその広告に3,000,000円投資していた場合、この広告活動は成功といえるでしょう。

しかし、もしその広告に12,000,000円以上の金額を投資していた場合、赤字を出してしまい経営は非常に厳しいものになります。

広告投資金額を顧客の収益で還元しきれていないからです。

10,000,000円近い広告投資をしていた場合でも、投資金額を還元できてはいるのですが、手元に残る金額が少なすぎるので、設備投資などを還元することができず、結果経営は赤字となってしまう可能性があります。

LTVで過去の経営を評価する

こうした事態を招かないためにも、あらかじめ過去の販売実績からLTVを算出して販売促進活動を行うべきなのです。

あらかじめLTVを算出していた場合、顧客に対してこれまで行ってきた商品販売・サービスはうまくいっていたのか、これまでの広告掲載などの販売促進活動が収益に見合ったものだったのか、それらの方法や結果の是非を判断することができます。

また、定期的にLTVを算出して顧客1人に対する販売実績の推移を把握することも重要なことです。

新規の顧客数は多いがLTVが低値であると、安定した収益が得られないことがあるからです。

別のいい方をすると、根強いファンをつくることがあらゆる企業で必要なことなのです。

LTVで赤字の危機を回避

そして、LTVが最大の効果を発揮する場は、今後の販売促進活動の上限の設定にあります。

LTVが24,000円であるならば、新規顧客1人を獲得するために24,000円まで出資してもいいということになります。

こうすることで、販売促進活動によって赤字を生むのを防ぐことができます。

これまでの広告活動での出資とLTVによって求められた収益を照らし合わせ、次の広告活動をどのようにするかを決めることも赤字を避ける上では重要なのです。

LTVの計測目的のまとめ

LTVを把握せずに販売促進活動を行うと、それに見合った収益が得られずに終わる可能性があります。

LTVを算出することで、事業計画を立てるときや顧客獲得費を決定する際にその数値が役立ちます。

顧客一人あたりにかけることができる販売促進費の上限を把握することで、無理なマーケティングを避けて自社を赤字の危機から守ることができるのです。

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